鳥栖 剛[執筆] 8:30

医薬、化粧、日用雑貨を扱う卸売企業グループのメディパルホールディングスは10月9日、畜水産事業やペット事業を手がける連結子会社のMPアグロが、動物病院向けのEC事業を展開するシグニの全株式を保有するシグニホールディングスを買収すると発表した。

シグニHDの親会社であるベーシック・キャピタル・マネジメント(BCM)が運営するBCM-V投資事業有限責任組合から全株式を取得する。株式譲渡は12月19日の予定。

シグニは30年以上の歴史を持つ動物病院向けのEC事業会社。医薬品メーカー、医療材料メーカーから商品を仕入れ、ECサイトを通じて動物病院や動物オーナーに販売しているほか、動物病院向けに業務効率化や経費削減支援などのサービスを提供している。

メイン事業はECサイトでの動物病院向けの物品販売で、売上構成比の約9割を占める。独自の有料会員制度である「シグニプラス」を2023年に開始し、ECに特化した経営で高い収益性と成長性を実現している。2025年3月期の売上高は85億8300万円、当期純利益は4億7800万円。

シグニは1994年にミスミ(現・ミスミグループ本社)のメディカル事業部として創業、2006年にミスミグループ内でプロミクロスとして分社化、2012年にニフティの子会社となり、2016年にシグニへと社名を変更。2018年にノジマの子会社になり、2022年にはBCMの子会社となった。

シグニは、2022年にBCMの支援を受けて以降、動物病院向け医療品EC事業の拡大や、 ペット薬局や海外展開などの新規事業の開発に取り組み、動物医療やペット関連分野における独自の事業基盤を確立してきたという。

メディパルHDは「2027メディパル中期ビジョン」の実現に向けて、アグロ・フーズ領域の事業拡大を成長戦略の1つと位置付けており、アニマル関連製品や食品加工原材料に関する事業を強化・拡大している。MPアグロが全国の動物病院をカバーするシグニを子会社とすることで両社の強みを生かしたシナジーを創出。大規模市場での販売強化、EC販路を拡大し、アニマル関連商品における事業拡大をスピーディに実現していくことが可能になるとしている。

MPアグロの営業によるこまやかなサポートと、シグニのECサイトが誇る幅広い製品ラインナップと利 便性を掛け合わせて、これまで以上に動物病院に関わる皆さまの経営や業務をサポートし、その先にいる飼い主の皆さまなどに笑顔をお届けできるよう、邁進(まいしん)する。(MPアグロの一柳𠮷孝社長)

MPアグロが有する広範な営業ネットワークとシグニのECサービスを融合させ、顧客への提供価値の向上を図り、業界のリーディングカンパニーとして、動物医療業界の発展へ貢献する。(シグニ原克義社長)

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