ネット通販売上の9割がAmazon経由。ECで販路拡大を実現した楽器店の事例に学ぶ
楽器のほか、メトロノームや調律器、楽譜など音楽に関わるさまざまな用品を販売している矢木楽器店では、10年前からネット通販を開始。約4年前に始めたAmazon店での売り上げがネット通販売り上げの9割を占めているという。どのようにAmazon店の売り上げを伸ばしているのか。EC販売グループの丹羽昭一郎主任に話を聞いた。
すぐに使いたいアマゾンユーザーの要望に対応することで売上拡大
――インターネット販売を始めた経緯をお聞かせください
名古屋市内の小・中学校に学校用教育楽器の販売として創業し、実店舗での楽器類の販売と、音楽教室なども展開してきました。しかし、少子高齢化が進み、学校教材の販売が大幅に減少してきたため、販路拡大の取り組みの1つとして、約10年前から自社サイトのほか、インターネットモールで販売を始めました。
――Amazonで販売しようと思ったのはなぜですか?
自社サイトとインターネットモールで販売を開始後、しばらくすると売り上げが伸び悩み、リスティング広告やSEO対策などで集客を試みましたが、なかなか売り上げを伸ばせずにいました。そんな時にAmazonは集客力があると聞き、販路を広げられるのではないかと思い、2011年から始めました。
Amazonは初期費用が不要で、販売にかかる費用は月間登録料の4900円と販売手数料のみなので、始めやすかったですね。自動のレコメンド機能がありますし、SEO対策も自動で対応してもらえ、広告費をかけなくても集客できるのもうれしいですね。
――実際にAmazonで販売を始めた感想は?
販売開始当初はそれほど売り上げが伸びなかったのですが、売り上げのビジネスレポートを見ていて、売れ行きが良い商品の傾向に気付きました。分析をして、そうした商品の品ぞろえや在庫数を増やした結果、売り上げを大きく伸ばすことができました。また、商品の発送やお問い合わせにも素早く丁寧に対応し、お客さまから信頼していただけるように努めています。
いまでは目標売り上げを毎月超えるようになり、予想以上の伸びに驚いています。「すぐに商品を使いたい」というお客さまが多いので、早く届くイメージのあるAmazonで注文するユーザーが多いのでしょう。いまではインターネット販売での売り上げの約9割がAmazonでの売り上げになりました。
――実店舗との両立はどのようにしていますか?
Amazonでの販売の多くは、商品管理から発送までをAmazonにアウトソーシングできるフルフィルメント by Amazon(FBA)を活用しているため、Amazonでの売上規模が大きくなっても、スタッフを増やすことなく対応できています。
インターネットで当店を知り、実店舗に足を運ぶお客さまもいます。実店舗とインターネット販売という選択肢を増やすことで、全国に向けて販路を広げながら、地元のお客さまの利便性も高めることができているのではないかと考えています。
――今後の展開をお聞かせください。
この秋に中古ピアノの展示場を増やしたことから、Amazonでも中古ピアノの販売を開始しました。インターネットでも安心してお買い求めいただけるように、新品同様に調整した状態で販売しています。まだ販売に注力できていない商品も多いので、これからまだまだAmazonでの売り上げを伸ばしていけると考えています。
事業者概要
販売サイト名:矢木楽器店 http://amzn.to/12memzF
本社所在地:愛知県名古屋市
Amazonでの販売開始時期: 2011年8月
販売カテゴリー:楽器、ミュージック
利用サービス:Amazon出品サービス/フルフィルメントby Amazon (FBA)