アプリのKPIとして重要視されている「MAU(マンスリー・アクティブ・ユーザー)」は、アプリをインストールした人のうち1か月に1回でも利用のあった人の数を示し、利用者の規模をあらわす指標です。累計ダウンロード数よりも現在の利用実態を反映しており、“実際によく使われているアプリ”がわかります。今回は最新アプリランキング調査からショッピングアプリを中心にご紹介します。ECにおけるスマートフォン比率が高まる中、いま注目のアプリはどんな顔ぶれなのでしょうか。

[分析概要]

株式会社ヴァリューズが保有する全国の行動ログモニター会員の協力により、2016年2月、3月において、スマートフォンアプリ別に起動ユーザー数を集計し、ランキングを作成しました。

  • アプリ起動ユーザー数は、Androidスマートフォンでの起動を集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率をもとに、国内ネット人口に則して推測
  • カテゴリはGoogle Playのアプリカテゴリより取得
  • メール、Chrome、YouTube、Googleマップ、Gmail、Google+など、プリインストールアプリは除外

人気アプリの共通要因とは?

MAUが伸びている人気ショッピングアプリには、下記のような共通要因が見られました。

  • テレビCMなどマスプロモーションの影響
  • リアル店舗とのポイント連動やCRM施策で着実に利用ユーザー数を伸ばす
  • フリマや無料Wi-Fiなどスマホの利用シーンにマッチしたビジネスモデル

ECにおいても、アプリとWebサイトの役割をそれぞれどのように位置づけるかは、今後さらに必須の課題となってきます。現状は自社ECのスマートフォンユーザーが順調に伸びているように見えても、競合他社や市場はさらに拡大しているかもしれません。手なりの成長に満足せず、アプリとWeb、それぞれを客観的に評価し、多様なカスタマーニーズに対応できるスマートデバイス戦略を描くことが重要ではないでしょうか。

LINE、Facebook、TwitterがMAUトップ3。楽天市場とAmazonが10位以内にランクイン

まず2016年3月度データで、全体のMAU数ランキングを見てみましょう。1位は「LINE」、2位「Facebook」、3位「Twitter」とコミュニケーションやソーシャルのアプリがトップ3を占めます。

5位にはモバイルクーポンのパイオニア的存在として知られる「McDonald's Japan」がランクイン。ショッピングアプリでは6位に「楽天市場 ショッピングアプリ」、10位に「Amazon ショッピングアプリ」が入っています。

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MAUの多いアプリランキング【全体】(2016年3月)

ECアプリでは3月に大幅アップデートした「ジーユー(GU)」が躍進

次に、GooglePlayのアプリカテゴリで「ショッピング」と「ライフスタイル」に絞り、各アプリのMAU数をランキングにしました。さらに、前月からのMAU数の伸び率を示す「前月比」も集計し、どのようなアプリの人気が高まっているかを見てみました。

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MAUの多いアプリランキング【ショッピング・ライフスタイル】(2016年3月)

MAUトップ20では、「ジーユー」、「UNIQLOアプリ」、「ヤマダ電機 ケイタイde安心」、「MUJI passport」、「マツモトキヨシ公式アプリ」など、店頭でポイントカードとして利用できたり、クーポンやセール情報のプッシュ通知でO2O(Online to Offline)を強化しているアプリが多数ランクインしました。

いずれも前月よりもユーザー数を増やしており、特に8位の「ジーユー」は「UNIQLOアプリ」のMAUを上回り、前月比 135%と大きく伸びています。

「ジーユー」は3月7日にアプリを大幅アップデートしており、店舗やオンラインストアでの購入でポイントが貯まる機能をリリース。ユーザーひとりひとりに合わせてジーユーのアイテムやスタイリングをおすすめする機能も追加されました。アプリをCRMのツールとして上手く活用している事例といえそうです。

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ぴったりなアイテムをおすすめしてくれるGUアプリの「Like?」機能

リアル店舗のないECのアプリでは、テレビCMでのプロモーションを実施した「ヤフオク!」や「メルカリ」が上位に入っています。

3月にテレビCMを全国放映した楽天のフリマアプリ「ラクマ」が急上昇

同じく「ショッピング」と「ライフスタイル」カテゴリで、前月よりもMAUが大きく伸びている、人気急上昇のアプリをランキングにしてみました。

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MAU前月比で見るアプリランキング(2016年3月)

上位10アプリのうち、最もMAU数が多いのが楽天のフリマアプリ「ラクマ」。ユーザー数は前月比 201%と大きく増加しており、成長がうかがえます。女優の本田 翼さんを起用して全国放映されたテレビCMと、出品点数に応じて楽天スーパーポイントをプレゼントするキャンペーンの効果と考えられます。

また、セブン&アイグループでは、1位に「セブン‐イレブンアプリ」、10位に「オムニ7アプリ」の2つがランクインしました。「セブン‐イレブンアプリ」は無料Wi-Fiサービス「セブンスポット」がアプリで利用すると使い放題になるサービスを提供しています。

また、「オムニ7」は2015年11月にそごう・西武やイトーヨーカ堂、ロフトなどのアイテムを横断的に購入できる総合通販サイトとしてグランドオープン。リアルとネットが一体となったオムニチャネル戦略の取組み成果が、アプリのMAUの伸び率にも表れていると言えるでしょう。

◇◇◇

自社と競合を簡単に比較できる行動ログ分析ツール「【eMark+】」では、2016年6月15日までの期間限定キャンペーンとして、今回ご紹介したようなアプリのアクティブユーザー数やインストール数を簡単に集計・ランキングできる機能を無料で公開しています。無料アカウント登録(http://www.valuesccg.com/-/emarkplus/)でぜひご利用ください。

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星 妙佳

株式会社ヴァリューズ エグゼクティブプランナー

星 妙佳(ほし たえか)

株式会社ファーストリテイリング(現株式会社ユニクロ)にて、ECサイトの運営・プロモーションを担当し、UNIQLOモバイルサイトを立ち上げ、ウィメンズやキッズ部門の通販MD(商品開発)にも従事。

2006年より株式会社リクルートにて、ベビーアパレル・育児用品の通販サイト『赤すぐnet』の編集長を務めた後、リクルートの各事業のネットマーケティングを横断的に支援する部署にて、データ分析グループのGM(ゼネラルマネージャー)に着任。社内外のデータサイエンティストと共に、需要予測、レコメンドなどデータ分析の強みを生かした複数のプロジェクトをマネジメント。

2012年ヴァリューズに入社し、現在は広報・商品企画・データ分析など幅広く担当。2人の子供を持つワーキングマザーでもあり、リモートワークを含めた多様な働き方にもチャレンジ中。

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