星 妙佳 2016/9/12 8:00

総務省統計局によると、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は25%となり(平成25年9月推計)、いまや国内の4人に1人が高齢者という社会が到来。シニア市場のネット動向にも注目が高まっています。

実際のところ、シニア層は普段どのようなショッピングサイトをよく利用しているのでしょうか? アンケートではなくネット行動ログデータを用いて、シニア層のネットショッピングの実態を調査してみました。

シニア層もよく使う「楽天」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」

まず、シニア層の訪問者数が多いショッピングサイトのランキングを見てみましょう。

「Amazon.co.jp」、「楽天市場」、「Yahoo!ショッピング」の3大モールがダントツでトップ3にランクイン。4位にはサプリメント「セサミン」でおなじみのサントリーの健康食品サイト「サントリーウエルネス」、5位には、日用品通販の「LOHACO」が入っています。

海の元気倶楽部(ニッスイ)」「【カゴメの通販】カゴメ健康直送便」「自然食研」「日清ファルマダイレクト」など、健康食品関連のサイトが多数ランクインしており、シニア層の支持を得ている様子がうかがえます。

ショッピングサイト訪問者数ランキング【シニア層】

次に、ランクインした代表的なECサイトの年齢構成を調べるため、「サントリーウエルネス」「LOHACO」「Amazon」のサイト訪問者を比較してみてみました。

「Amazon」は20代~60歳以上まで各年齢層がバランスよく訪問しているのに対し、「サントリーウエルネス」は60歳以上が約42%「LOHACO」は50代と60歳以上を合わせると、約5割と半分を占めていました。

サイト訪問者の年齢区分【PC利用】

スマホでは年齢構成が一変

この年齢構成がスマートフォン利用の場合では一変します。「サントリーウエルネス」では60歳以上が約16%と30代よりも少なくなっており、「LOHACO」では50代と60歳以上を合わせてみても約27%で、30代や40代の構成比を下回っています。

このように、PCとスマートフォンでは利用者の年齢構成が異なる場合があります。例えば、シニア層はスマホを使いこなしていないという推測から、PCではシニア層向けのUX(ユーザーエクスペリエンス)デザインも考慮に入れて、もっと力を入れていこうという戦略が立てられそうです。

サイト訪問者の年齢区分【SP利用】

シニア男性は上位5サイトが健食サイト

さらに、シニア層によく利用されているショッピングサイトを男女別にランキング集計してみました(※PC利用のみ)。一般ユーザー(モニター全体)とのサイト閲覧率差(この差が高いほど一般ユーザーに比べてシニア層が閲覧している)を降順でソートすると、シニア層に特徴的なネット利用傾向が見えてきます。

男性の1位は「自然食研」でした。2位以下も健康食品サイトが多数ランクインしています。健康食品やサプリメントの通販サイト以外では、「工具 通販 MonotaRO(モノタロウ)」や「阪急交通社 旅行サイト」、リクルートの「ポンパレモール」などが女性のランキングTOP20にはあがっていない顔ぶれです。

ショッピングサイトランキング【シニア層・男性】

シニア女性にはカタログ・テレビ通販のサイトが人気

一方、女性では、「セシール」「ディノス」「ベルーナ」「ベルメゾン」「DoCLASSE」など、カタログ通販のファッションサイトが複数上位に入り、「ジュピターショップチャンネル」や「テレビショッピング QVCジャパン」などのテレビショッピングサイトもランクインしました。

従来、カタログやテレビといった媒体を通じてショッピングをしていた世代がシニア層になったこと、また、ネットも含めたクロスメディアでのプロモーション施策がシニア層の女性に響いていると考えられます。

ショッピングサイトランキング【シニア層・女性】

このように、シニア層には特有のネットショッピング利用傾向が見られました。シニア層をターゲットとする商材の場合は、今回ご紹介したサイトのコンテンツや集客施策を参考されてはいかがでしょうか。

さらに、シニア層に絞ったユーザーセグメントを作り、アクセスの多い時間帯や検索キーワード、初回アクセスの認知経路などを分析することによって、シニア層に効果的にアプローチする施策を発見することができます。

今回分析に使用したヴァリューズの「eMark+」は自社サイトへのアクセスだけではなく、他社サイトのアクセス状況や集客施策も分析できるオンラインサービスです。一部機能は無料ですので、ぜひお試しください。

[分析概要]

株式会社ヴァリューズが保有する全国の行動ログモニター会員のうち、年齢60歳以上のシニア層について、2016年8月度のネット行動ログデータを「eMark+」にて解析。60歳以上のシニア層が日頃どのようなショッピングサイトを見ているかを分析しました。

  • PCからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニタでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推計。
  • サイトカテゴリはヴァリューズが独自に定義。
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