集客が伸びてるECサイトはどこ?[ジャパネット、アーバンリサーチの集客構造調査あり]
サイト訪問者数をランキングにすると、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングといった巨大モールが上位を独占しますが、今回は各サイトの訪問者上昇率に注目してランキングを作成しました。ここ3か月でユーザー数を伸ばし続けているサイトを見てみると、個性的な顔ぶれが並びました。
ユーザー数を伸ばすジャパネット、ネスレ、ヤマダ電機、アディダス
まず、2016年11月〜2017年1月まで3か月連続でサイトへの訪問者数を伸ばしたECサイトの上昇率ランキングを見てみましょう。
1か月の平均訪問者数が100万人を超える規模の大手通販サイトでは、「ネスレ通販オンラインショップ」「アディダス オンラインショップ」「ジャパネットたかた」「ヤマダウェブコム」「NTT-X ストア」などがトップ20にランクインしています。
特に「ジャパネットたかた」は1か月の平均訪問者数が212万人と上位20サイトの中で突出しています。ユーザー規模を維持しながら集客を拡大させていくために、どのような施策を行っているのでしょうか。
「ジャパネットたかた」の直近半年間の集客構造を【eMark+】Site Analyzerを使って可視化してみると、以下のようになっています。
セッション数を流入元別に分類すると、「リスティング広告」「自然検索」を合わせたSEMによる流入が約33%ありますが、それを上回るボリュームとして「一般広告」(約38%)があげられます。
この「一般広告」経由の流入数を月次で追ってみると、11月以降に上昇していることがわかりました。広告による集客を強化したことが考えられます。
さらに11月から1月の3か月間で「一般広告」の内訳をみてみたところ、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク、Google ディスプレイ ネットワーク、criteo広告の3つの施策で9割以上を占めていました。
「ジャパネットたかた」では、アドネットワークとCriteoによるリターゲティング広告に注力されており、特に11月以降の年末年始商戦で集客の強化を図ったと推測されます。
URBAN RESEARCH、USAGI ONLINE、ELLE SHOPなど、ファッションECが好調
また、冒頭の訪問者数上昇率ランキングでは上位10サイトのうち、5つにファッションECがランクインしました。
3位「アーバンリサーチオンラインストア」、6位「ウサギオンライン」、7位「ELLE SHOP(エル・ショップ)」、9位「アディダス オンラインショップ」、10位「ファッション通販 セレクトスクエア」など、若年層向けのアパレルECが好調です。これらのサイトは年末年始のSALE時期に集客数を伸ばすことに成功したといえるでしょう。
上昇率ランキングで3位に入った「アーバンリサーチオンラインストア」において、直近半年間の集客構造を見てみました。
セッション数を流入元別に分類してみると、最もボリュームが多いのは「自然検索」(約35%)となっていました。
キーワードの中身では、ブランド名の「アーバンリサーチ」や「URBAN RESEARCH」が多数を占めていて、ブランド力の強さがうかがえます。
また、11月から1月の3か月間での「一般広告」の内訳をみると、Criteoのリターゲティング広告が約75%と、最も流入数の多い集客施策となっていました。
サイト訪問履歴に応じてユーザーが閲覧した商品を自動的にバナー表示できるCriteoと、商品点数が多くユーザーの趣味志向も細分化しやすいファッション領域は相性が良いといえます。
サイトへの集客を伸ばし続けるのは難しい課題ではありますが、自社に適した集客施策を見極め、効率よく見込み客を獲得するためにも、他社サイトの施策を参考にされるのがよいのではないでしょうか。
ヴァリューズの【eMark+】Site Analyzerでは、特定サイトのURLを入力して流入元の構成や具体的な広告施策、キーワード、ランディングページなども確認することができます。自社サイト集客の改善やコンテンツマーケティングにぜひご活用ください。
[分析概要]
株式会社ヴァリューズが保有するモニター会員の協力により、ユーザー属性情報と実際のネット行動ログを用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使って、2016年11月〜2017年1月の各月でサイト訪問者数上位1000サイトに対し前月比を集計。3か月間連続で前月比がプラスのサイトを対象に前月比平均値でランキングを作成しました。
※ショッピングサイトカテゴリはヴァリューズが独自に定義し、サイト訪問者数はPCからのアクセスを集計、ヴァリューズ保有モニタでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推計しています。