知っておきたい ECサイトに役立つ分析データ

ヨドバシカメラのECはなぜ強い? 理由は高いCVRとリピート率にあり

家電ECで圧倒的な集客力を誇るヨドバシ.com。他社を大きく引き離す強さの要因とは?(連載第6回)

星 妙佳

2016年5月12日 8:00

メーカー直販、家電量販店が運営するモールなど、競合がひしめく家電EC業界。その中でひときわ存在感を放っているのがヨドバシカメラの「ヨドバシ.com(www.yodobashi.com)」です。リアル店舗も含めた売上高ではヤマダ電機やビックカメラにおよばないものの、全国無料配送やバーコードスキャン機能付きアプリの開発、店舗で見た商品をネットで買えたり、ネットで買った商品を店頭で受け取れるようにするなど、リアルとネットを統合的に活用する戦略でネット通販売上高を伸ばしています。今回は「ヨドバシ.com」のサイト集客や購入率をWeb行動ログデータから分析します。

[分析概要]

株式会社ヴァリューズが保有する全国の行動ログモニター会員の協力により、2016年4月において、「家電・AV・IT」関連のショッピングサイトの訪問者数を集計し、ランキングを作成しました。また、「ヨドバシ.com(www.yodobashi.com)」において、2016年1月~3月のサイト訪問者数、購入CV数などを集計し、流入元を分析しました。

  • サイト訪問者数はPCからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニタでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推計しています。
  • カテゴリ「家電・AV・IT」はヴァリューズが独自に定義しています

家電ECサイト訪問者数ランキング。ダントツ1位の「ヨドバシ.com」

まず「家電・AV・IT」カテゴリのECサイトで集客力の勢力図を見てみました。

2016年4月度データにおいて、サイト訪問者数の1位は「ヨドバシ.com」。2位「Google Play」のユーザー数の約1.6倍と圧倒的な集客力を誇ります。

家電量販系のECサイトとしては、「ヨドバシ.com」以外に「ビックカメラ.com」「Joshinインターネットショッピング」「ヤマダ電機WEB.COM」などがランクインしています。

ヨドバシ.comの訪問者数(推計)は6,790,000。
「家電・AV・IT」ECサイト訪問者数ランキング(2016年4月)

ヨドバシの高い購入率を支えるリピートユーザー

集客力の高い「ヨドバシ.com」ですが、購入アクション面ではどうなのでしょうか。

2016年1月~3月の3か月間で「ヨドバシ.com」のサイト訪問者数とCV(購入)セッション数を集計してみたところ、3か月間での購入CVRは8.6%で、他社の家電量販ECが3%前後であるのに対し、2倍以上の高い数値となっていました。

「ヨドバシ.com」が多くのユーザー数を集めるだけでなく、効率良く購入CVを獲得していることがわかります。

また、購入者を「1回のみ購入」と「2回以上購入(=リピーター)」にセグメントしてみると、購入者数においては1回のみ購入:57%、リピーター:43%と、1回のみ購入がリピーターをやや上回りましたが、購入回数では、76%をリピーターによる購入が占めていました。

3か月間でのリピーター購入回数は平均で4.2回にのぼり、リピーターが購入率を押し上げている様子がうかがえます。

ヨドバシ.comの購入者数。1回のみ購入:57%、リピーター:43%。購入回数は76%をリピーターによる購入が占める。
ヨドバシ.comでの「1回のみ購入」と「リピーター」の割合(2016年1月~3月)

主にSEOとブックマーク経由でサイト集客。リピーターのメイン流入はブックマーク

「ヨドバシ.com」がどんな集客施策でユーザーを獲得しているのか、2016年1月~3月で流入元を調査してみました。

サイト訪問者で見てみると、「ブックマーク/履歴」経由が31%、「自然検索」経由が29%となっており、リスティング広告(16%)、アドネットワークやアフィリエイトといった一般広告(14%)など、有料施策からの流入数を上回っています

さらに、ユーザーをリピーターでセグメントしてみると、ブックマーク経由の流入比率が1.4倍に増加していました。ブックマークから簡単にアクセスできる利便性が来訪頻度を高め、リピーター購入につながっていると考えられます。

ヨドバシ.comの流入元。サイト訪問者は「ブックマーク/履歴」経由が31%、「自然検索」経由が29%、リスティング広告(16%)、アドネットワークやアフィリエイト等の一般広告(14%)。リピーターでセグメントしてみると、ブックマーク経由の流入比率が1.4倍に増加する。
ヨドバシ.comの流入元構成(ノーリファラーやサイト内からの再流入は除外)

サイトへの集客力だけでなく、ユーザーの再来訪とリピート購入で着実な成長を遂げている「ヨドバシ.com」。約370万アイテムにおよぶ品揃えや当日配送エリアの拡大などインフラ整備もさることながら、ユーザーに使い続けてもらうための巧みな施策に今後も期待が高まります。

◇◇◇

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