「LOHACO」送料無料の基準引き上げで単価アップに成功、奏功した「まとめ買い促進」

配送会社による運賃の値上げでECの配送コストが上昇していることを受け、販売単価の向上や、自社物流の強化に取り組んでいる。

渡部 和章

2019年7月9日 9:00

アスクルが運営するBtoC-ECサイト「LOHACO」の、1箱当たりの販売単価が向上している。2019年1月、送料無料になる注文金額(配送バー)を引き上げたことが奏功した。

7月2日からは飲料のセット商品の価格を割安に設定するなど、まとめ買いを促進し、販売単価のさらなる向上を図る。

「LOHACO」の配送料が無料になる注文金額の条件を、2019年1月10日に従来の「税込1900円以上」から「税込3240円以上」に引き上げた。

配送バーを改定した1月以降、1箱当たりの販売単価は上昇。2019年5月期の第3四半期(2018年12~2019年2月)と第4四半期(2019年3~5月)の販売単価は、過去4期の四半期ベースで最高金額を更新している。

アスクルが運営するBtoC-ECサイト「LOHACO」の、1箱当たりの販売単価が向上している 「LOHACO」(国内)1箱あたり売上単価
「LOHACO」(国内)1箱あたり売上単価(画像はアスクルの連結業績概要から編集部がキャプチャ)

飲料のまとめ買いを促進するため、7月2日から飲料の販売方法を変更した。飲料3本入りセットの商品価格を割安に設定。また、1箱あたりの重さが合計18kg以下の場合、飲料に適用している「飲料配送手数料」を無料にした。飲料配送手数料は1箱28kg以下の場合は324円、38kg以下なら648円。

アスクルが運営するBtoC-ECサイト「LOHACO」の、1箱当たりの販売単価が向上している 1箱あたりの売上単価向上施策
1箱あたりの売上単価向上施策(飲料の販売方法変更、画像はアスクルの連結業績概要から編集部がキャプチャ)

アスクルが販売単価の向上に取り組んでいる背景には、配送会社による運賃の値上げでECの配送コストが上昇していることがある。配送原価を低減するため自社配送を強化しており、2019年5月期における「LOHACO」の自社グループ配送比率は、期初の10%から期末時点で36%まで拡大した。

2020年5月期は物流業務の受託を強化し、配送効率の向上を図る。子会社の「ASKUL LOGIST」と共同で営業チームを発足。顧客獲得を推進し、取扱荷物の総量拡大をめざす。

アスクルが運営するBtoC-ECサイト「LOHACO」の、1箱当たりの販売単価が向上している
LOHACOの配送シェア(画像はアスクルの連結業績概要から編集部がキャプチャ)
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