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みなさんこんにちは。はぴさやです。今回は大阪市浪速区に行ってきました。おじゃましたのは「DIY FACTORY OSAKA」。日本最大級のDIY通販サイト「DIY-TOOL.COM」を運営している株式会社大都さんが、今年4月にオープンしたDIYを体験するためのお店です。でもこのお店、ただのDIYショップじゃなかったんです! 写真◎吉田 浩章

溶接2
今回挑戦したのは火花飛び散る溶接と……
汚れを落とす
すり減った靴底の補修の2本立て!

Eコマースにできないことをやるための場所

「DIYをやりたい人がいて、道具もあるのに、やり方を教える場所がなかった。それが日本のDIY市場に欠けているものだと思ったんです」

そう語るのは代表取締役の山田 岳人さん。確かに「棚を作りたいな」って思っても、普通のホームセンターにはじっくり相談できる雰囲気がないし、教えてもらえる場所ってないんですよね。

代表取締役 山田 岳人氏
DIY FACTORY OSAKAを運営する株式会社大都 代表取締役の山田 岳人さん。

DIY FACTORY OSAKAのユニークな点は、お店の成り立ち方にもあります。ここは商品を納入しているメーカーさんたちの協力のもとで成り立っているお店なんです。

「工具メーカーが商品をPRする場所はホームセンターしかないんですが、ホームセンターでは工具売り場は縮小傾向。さらにプライベートブランド化が進んでいて、ナショナルブランドの売り場が少なくなってきている。そこで、僕らが売り場を提供したんです。言ってみれば合同ショールームですね」

商品を置くだけでなく、メーカーの方がワークショップの講師をつとめ、直接お客さんとコミュニケーションできる場にもなっているそうです。

代表取締役 山田 岳人氏
メーカーさん、お客さん、社員みんなが同列でハッピーなりたいと願い、「ハッピートライアングル」を会社のミッションにしている山田さん。だからお店を出すときに25社もの企業が協力してくれたんですね。

10月からは団地をリノベーションするワークショップも始まります。大阪府堺市にある団地の5室を使って、解体、墨出し、塗装、床貼りなどを行います。また、ショッピングセンターなどの商業施設から「出張ワークショップ」の引き合いも多いそうです。

「モノづくりをするとコミュニテイができます。お1人で参加された方同士でも、2時間も作業したら友だちみたいになっているんです。DIYは企業のチームビルディングとしてもおすすめです。子どもたちにとっても、壊れたら捨てるのではなく自分で直すという、当たり前のことができるようになります。自分で作れば自分で直せますからね」

代表取締役 山田 岳人氏
「DIYの楽しさを教えるのがこの店の役割。そうやって広めていけばDIYをやる人が増えて、ネットショップの売上も上がる。そんな流れがぐるぐる回ってくれれば良いなと思います」

「Eコマースをやっているだけでは出会えなかった人、出会えなかった話と出会えた」と山田さん。この店からDIYの輪がもっともっと広がっていくといいですね!

溶接女子、デビューです!

ここではほぼ毎日、ワークショップが行われています。会員数は9月現在で961人。彫金、陶芸、石けん、木工旋盤を使ったボールペン、カンナを使ったまないた作りなど、種類は多岐に渡ります。夏休みは工作する子どもたちでいっぱいだったそうです。

人気なのは週に2回開催されている溶接教室。受講者の半数以上は女性で「溶接女子」が急増中なんだとか!? 溶接というと工場にある特殊な機械というイメージですが、一般的な住宅の電源でも使える溶接機が登場して以来、販売のほうも大人気。山田さん曰く「溶接機が売れない日がない」そうです。ということで、私も溶接に挑戦させていただきました!

手袋とエプロンとヘルメットをお借りして準備万端。ヘルメットは遮光になっていて、閉めるとほとんど前が見えません。
手袋とエプロンとヘルメット(溶接面と言うそうです)をお借りして準備万端。ヘルメットは遮光になっていて、閉めるとほとんど前が見えません。
講師の「マーカスさん」こと白濱 匠太郎さん。ここでは社員みんなにアメリカンネームが付けられているのです。ちなみに社長の山田さんはジャックさん。マーカスさんはDIY FACTORY OSAKAのフロアマネージャーさんです。もともと電動工具のメーカーの営業マンだったので、工具は何でも来いのマルチプレイヤー。
講師の「マーカスさん」こと白濱 匠太郎さん。ここでは社員みんなにアメリカンネームが付けられているのです。ちなみに社長の山田さんはジャックさん。マーカスさんはDIY FACTORY OSAKAのフロアマネージャーさんです。もともと電動工具メーカーの営業マンだったので、工具は何でも来いのマルチプレイヤー。
溶接1
鉄製のアルファベットを同じく鉄製のプレートに溶接します。「HAPPY」の文字を選びました。文字の裏側を 1か所につき2秒から3秒くらい溶接します。
溶接3
激しく火花が散ります! 狙い所が悪いとくっ付かないそうです。溶接中は、なんだか自分がロボットになって武器からビームを出しているような感覚でした。
溶接終了

溶接終了。山田さんから「初めてなのにまったく物怖じしないね」と一言(笑)

ワイヤーブラシ
溶接したところがきれいになるように、ワイヤーブラシで磨きます。磨いていたらAの文字が取れてしまったので、再度溶接しました。ブラシの角度が絶妙で、あっという間に仕上がりました。
塗装
最後の加工には銀色のスプレーをチョイス。ムラができたり難しいかと思いきや、噴射して瞬きをした次の瞬間にはキラン!と仕上がっていました。さらに塗りたい衝動が……。
塗装完了
完成です! もっとやりたかったーー! HAPPYの文字は見るだけで気分が上がるので、どこに飾ってもきっと可愛い~。
店長のマーカスさんと
始めて工具に触れるお客さんのリアクションを見るのが楽しいというマーカスさん。「フレンドリーな名物スタッフがたくさんいます。ぜひスタッフに会いに来て、一緒にDIYを楽しんでください!」

このワークスペースは、空いている時間は2時間1,000円で場所貸しもしています。道具も置いてあるものなら使ってOK。半日近く利用する人もいるそうです。確かに、音や汚れも気にせず思う存分作業できるから、夢中になっちゃいますよね。

お次は靴底の補修に挑戦です

続いては靴底の補修講座。革靴の靴底って、履いていると結構減りますよね。修理の店に出すと3,000円くらいかかりますが、修理キットを使えば500円くらいで直せるんです。

セメダインの楠さん
講師はセメダイン株式会社 営業統括本部 第一事業部 大阪販売第六課の楠 文晴さん。 今回使用したのはシューズドクターNという商品です。 まずは古い歯ブラシやサンドペーパーで汚れを落とします。除光液で油分を落とすと下準備は完璧。
接着剤を塗り込む
セットになってるポリ板を靴底と平行に貼り、接着剤を押し込んでヘラでならします。ポリ板をぎゅーっと密着させるのがコツだそうです。1日乾燥させてポリ板を外せば完成です。
楠さんからメッセージ
かなり上手にできました!「この商品はホームセンターよりネットで売れる隠れた商品なんです。だから、こういう場所で草の根活動をして、商品を広めていきたいです」と、楠さん。

「え、何これ簡単。人にやってあげたら絶対喜ばれるし、特技にしたらモテますね!」と熱くなる私に、楠さんから“靴底女子”の称号をいただきました♡

店内にも工夫がいっぱい!

「商売としてはネットの方が楽だけど、違う価値を提供するのがリアルな店。店に来てもらえれば “あ、こんな商品もあるんだ” って気付きもある」

山田さんの言うとおり、私も欲しかったチョークボードスプレーを発見して買ってしまいました。このチョークボードスプレーは、ここでは何十本も売れているのにネットではほとんど売れていないそうです。知らないものは検索できないのでネットでは出会えない。でも、リアルなお店なら出会えるんですね。

店内の様子。巨大な六角レンチも
きれいに並べられたたくさんの商品に、物欲とDIY欲が刺激されまくりです。
雑貨屋さんのような一角も
ネットでは40代男性のお客さんが中心でしたが、最近では女性比率が高くなってきて、特に30代女性でDIYに興味を持つ人が増えてきたなと山田さんは感じているそうです。お客さんを意識して、こんなおしゃれな雑貨屋さんのような一角も。
商品をさわってみて!のポップ
電動ドライバーや金づちなど、お試し用の商品がたくさん置いてあります。これも普通のDIYショップではあまり見られないですよね。
電動ドライバー
電動ドライバーの使い方を教えてもらいました。重すぎると使いこなせないのでお試しは必須です。
スタッフのみなさんと
スタッフのみなさんと。社員の平均年齢は29歳、役職もないフラットな社風だそうです。アメリカンネームが飛び交う楽しいお店でした。

山田さんに今後の計画をお伺いしました。

「あくまでEコマースを伸ばすためのリアル店舗なので、DIYから外れる気はまったくありません。いまDIYが流行みたいに言われてますけど、僕らは創業から78年DIYをやってる。それをブームじゃなくて文化として日本に根付かせたい。そのために、教える場所を提供すること、面白さを伝えていくことを続けていきたいです」

◇◇◇

私は普段、チョークアーティストとして看板制作の仕事もしているのですが、ボードをペンキで塗るところから、仕上がりの加工まですべてが手作り。手間はかかるけれど“世界でひとつしかないもの”を生み出す面白さにすっかり魅了されて作業をしています。

先日、よく行く木材屋さんで会ったお兄さんが「棚が欲しいけど、売ってるものってみんな同じに見えてつまらない。だから自分で作るんですよ」と言っていて、2人でデザインの話で盛り上がりました。同じように「欲しいものがない!」と感じている人、多いんじゃないかなぁと思います。

「ないものは作ればいい。壊れたら直せばいい」先人たちはそうやって工夫して生きてきたはずなのに、いつの間にかお金を出せばなんでも手に入ってしまい、モノの価値が麻痺するほどに便利な世の中になってしまいました。その反面、食べるもの、使うもの、見るもの、何を選択して日々を過ごすべきかを試されているように感じます。

「リアル店舗では普段気付いていないことに気付いてもらえる」という山田さんの言葉がとても印象的でした。

情報と便利さにあふれた社会の中で、何に気付き何をセレクトしていくか。DIYの可能性を越えて、生き方のヒントまでがこのお店には詰まっているかのようでした。

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はぴさや

2007年よりWeb媒体を中心としたメディア番組やCMでモデル、レポーターとして活動を始める。

2011年以降、地元福島で起きた震災をきっかけに“東北の今”を伝えるメッセンジャーとして、国内外で行われたイベントに多数参加。

現在はフリーランスとしてメディアへの原稿執筆や企画・デザインを行う他、地方創生を目的としたドローンの活用や魅力を発信している。

好きなものは、旅と茶道と美味しいごはん

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