作業服・作業用品とアウトドアウェアのフランチャイズ小売店を全国に857店展開するワークマンは3月16日、「店舗在庫」による「店舗受け取り」を軸にした次世代Click&Collect型(オムニチャネル)の新ECサイトをオープンする。

ネット通販専業に対抗するための体制を築くという。新ECサイトの立ち上げに合わせて、2月末で「楽天市場」から退店する。

ワークマンが店舗受け取り通販を本格化する理由は、全売上高の5割を占めるPB製品ラインを強化するため。アウトドアウェアや作業服とともに、ネット大手に「定価」で負けないPBをそろえる。

作業服PBには10年間の供給保証を付けており、参入障壁を高める。EC大手の規模の経済による宅配コストの優位性には、宅配コストのかからない「店舗在庫の店舗受け取り」で対抗。受け取り拠点強化のため、都心や唯一の空白県である宮崎県にも出店する。

ワークマンは3月16日、「店舗在庫」による「店舗受け取り」を軸にした次世代Click&Collect型(オムニチャネル)の新サイトをオープンする
次世代Click&Collect型ECの仕組み

多額な投資を行って開発したネット通販の新システムの狙いと特徴は以下の通り。

  • 店舗受け取りで来店した顧客は高い確率で固定客化する
    店舗受け取り以外で、自発的に来店したプロ客の9割が月1回、一般客の7割が年2~4回購入する固定客になっている
  • ネット販売の注文の約7割は店舗に在庫がある
  • 店舗に在庫がある場合は最短3時間で店舗受け取りが可能
  • 店舗在庫がない製品は、本部から店舗へ毎日行くチャーター便に乗せる(追加コストなし)
  • 受け取り店舗のない地域へは直送するが、最短では「当日配送」が可能になる
  • 受け取り店舗で試着とサイズ変更が可能になる
  • 人気製品は新サイトで先行予約が可能になる
  • 店舗在庫を顧客に公開するため、お急ぎの場合は直接店舗に行って購入が可能
    加盟店への人気製品在庫の電話問い合わせが減少し、加盟店の負担を軽減できる

Click&Collectの受け取り拠点としては全国での店舗数がまだ不足している。今後は以下の措置を実施する。

  • 都心ターミナル駅周辺の商業施設への出店を検討
  • 空白県(宮崎県)と出店密度の低い県(鹿児島県・大分県、長崎県)の早期解消
  • 最近の年間新規出店は25店前後だったが、来期からは出店目標を年40店に引き上げる

2月末でネット通販の2割を占めてきた「楽天市場」経由での販売を停止する。「楽天市場」ではユーザーへの直送だけだったが、今後はClick&Collectにシフトするため「楽天市場」からの撤退を決めた。

ただ、「楽天市場」経由の販売の9割以上が自社PB製品だったため、大半の顧客は新たなネット販売サイトに移行すると見ている。

ワークマンは2月末でネット通販の2割を占めてきた「楽天市場」経由での販売を停止する
ワークマン楽天市場店のお知らせ(編集部が楽天店の画像をキャプチャ)

Click&Collect新サイトでの初年度売上目標は30億円。このうち、8割以上が店舗受け取りとなり、フランチャイズ加盟店の売り上げとなる。ネット販売は従来通りのペースで今後も毎年売上高を倍増していく予定。

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石居 岳

石居 岳(いしい・がく)

フリーライター、ジャーナリスト。

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