イーコマース事業協会新体制、“ふんどし王子”シーピースの岡村篤氏が理事長就任。9代目が語る協会の方針
一般社団法人社団法人イーコマース事業協会は4月11日に開いた通常総会で、9代目となる理事長に合同会社アウトワールド社長の岡村篤氏が就任したと発表した。
岡村氏は、下着(ふんどし)専門のECサイト「シーピース」を運営。「暮らしに寄り添う安らぎを」をコンセプトに、「ふんどし」を製造販売する。
理事長の任期は2年。前理事長の吉村正裕氏は会長に就いた。岡村氏の理事長所信を以下に要約して紹介する。
新たな局面を迎えたEC業界について
1年の延期となりましたが日本では2021年にオリンピック、また、2025年には大阪万博が開かれます。正に国際社会の中で先導者として影響力を発揮していかなければならないこの日本において、我々のEC業界もまた、新たな局面を迎えていると言っても過言ではありません。
大きな流れで見ますと、政府は大手オンラインモールやアプリストアなどを規制する「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案」を閣議決定しました。今国会での成立を目指しておりますが、すでに業界ではさまざまな問題が噴出しており、その渦中にて右往左往している方が少なくありません。
今後もこのような流れが続くと予測されますが、冷静に状況を把握し、本当に自社が大事にしなければならない事を見極め、実行する決断力が必要とされています。
また、新たな技術革新の波も忘れてはなりません。この春から商用化される予定の「5G」の通信速度は、現在の通信規格である「4G」の約100倍とも言われており、これまでとは比べ物にならないほど大容量のデータ通信も可能になると期待されています。
2019年のEBSの定例会でも動画コンテンツの講演が多数あり、多くの事業者が関心高く、受講されておりました。まだ実行に落とし込めていない事業者が多数かと思われますが、ECへの動画活用が一気に加速することなども予想されます。
このような時代の中で、大切なものは正確な情報、専門性の高い知識、またそれらを踏まえた経験であり、それらが集まる場こそが重要と考えます。
リスペクト&チャレンジ
イーコマース事業協会は現在、会員は210社を超え、実施した定例会は175回を数えます。9代目理事長として諸先輩方へ深く感謝を申し上げると共に、その責任を自覚し、新たな目標に向かって邁進していく所存です。
イーコマース事業協会は塾や異業種交流会の類ではありません。理念に共感したショップ会員、サポート会員が等しく参集し、自らをもって行動を起こし、自社の発展に寄与する場づくり、相互扶助の精神の元に運営されております。
受動的に待機しているだけでは、この時代の荒波を乗り切るための成長を得る事は困難です。常に感謝と挑戦の心をもって取り組んでいかねばなりません。
組織を進化させる
会員の皆さまのご協力の元、委員会制度で運営しております。2019年度までは定例会委員会、勉強会委員会、広報委員会、オリエンテーション委員会を中心に運営を行っておりました。
今期よりオリエンテーション委員会を解体し、新たに交流委員会を設置します。会のオリエンテーション自体は事務局に移管し、交流委員会にて更なるコミュニケーションを図れるよう取り組んでいく所存です。
さらに、定例会の内容・講師選定におきまして、今までは定例会委員会を中心に選定を行ってまいりましたが、今期より全会員からテーマや講師希望を汲み取れるよう、各委員会においても協議を行って頂き、1人ひとりの意見や多様なニーズに対応できるよう、運営を行ってまいります。
また、今年度より長期計画室を設置します。今後ますます発展するEC業界において、EBSがどのように未来へのかじ取りを行うべきか、長期ビジョンを持って運営できるよう、協議を進めてまいります。
認知拡大の徹底
業界全体で見渡すと、まだまだEBSの認知度は高くはありません。今後はますますEBSの活動を外部へ発信していけるよう努めてまいります。正確な認知拡大はEBSの理念と意義を理解した仲間が増え、会全体の活性化に繋がり、既存会員にもメリットが高いものだと確信しております。
一般的にこの様な団体の広報費用については賛否がありますが、2019年度、吉村前理事長は率先して、これまでの広報活動に加え、新たに有料広告に使用を推進されました。その結果、確実な反響があり、新たな仲間を迎えることが叶いました。今年度においては規模を拡大し、さらなる認知拡大に努めてまいります。
最後になりますが、ここ数年に渡り災害や感染症の流行など人知を超えた試練が降りかかっております。そのような時代の中で私がEBSの団結力に感銘を受けたことがありました。2018年の大阪府北部地震での事です。
EBSの会員でも多くの事業所が被害に遭われました。各自のSNSなどで報告されていたことから、会員の被害状況の確認も踏まえ、緊急でアンケートをお願いしたところ、短期間で本当に多くの会員に回答いただきました。
その誇りを胸に、EC業界の健全な発展とイーコマース事業協会の更なる進化の為に、理事役員をはじめとした会員全員で力を合わせ邁進してまいりますのでご支援・ご協力を賜りますよう宜しくお願い致します。