イーコマース事業協会の新理事長に吉村正裕氏、「有益な情報が集まる場を作る」
一般社団法人イーコマース事業協会(EBS)は4月14日、任期満了に伴う役員人事を実施し、業務執行理事副理事長だった吉村正裕氏が理事長に就任した。任期は2年。
ネットショップ開設支援、運営支援(ネットショップの家庭教師)、Webコンサルティングなどを手がけるハイフィット、清酒製品の製造・販売を手がける吉村酒造の社長。独立行政法人中小企業基盤整備機構販路開拓支援アドバイザーなども務める。
新理事長のあいさつ要旨
4月14日に開いた「イーコマース事業協会16周年記念イベント」で登壇した吉村氏は、次のようにあいさつした。
一般社団法人イーコマース事業協会は、今から16年前の2002年「西日本名店会」という名称で20店舗のEC店舗によって設立されました。設立から16年が経った今、会員数は233事業者になり、毎月行われる定例会・情報交換会も通算159回を数え、毎回、120名以上の会員さんが参加しています。
「イーコマース」という販売形態ができて約20年。イーコマース(EC)を取り巻く環境は、刻一刻と変化しています。「ネットショップを出せば売れる」という時代はとっくに過ぎ去り、昨今は、テクニックやノウハウを知っただけで「売れる」という時代でもなくなりました。
海外の巨大ECプラットフォームが席巻し、人工知能も進化、将来的にはECという形態そのものを変化させるでしょう。
そんな状況で私がEBSの理事長に就任し、諸先輩から「これからのイーコマース事業協会の舵取りは大変だね」といったお言葉を頂戴しました。私が第8代理事長としてできる事は何だろう? と考えました。
私事ですが、私は現在は講演やセミナー講師などを生業にしておりますが、同時に今年で創業167年を数える京都の酒造会社の6代目でもあります。
老舗というのは、その長い歴史の中で「会社の存亡を左右する危機に何回か遭遇する」と言いますが、ちょうど私が社長に就任した時代にも、それは訪れました。今から17年前。私が28歳の時のことです。その際、危機を乗り越える糧になったのが「存在意義・理念」を示した「家訓」でした。
それらは組織が「進む道」に迷った時、岐路に立たされた時、立ち戻れる原点であり、変わりゆく時代の波を突破する鍵になったからです。
一般社団法人イーコマース事業協会は、「変化の速いイーコマースの潮流」が解る場であり、「イーコマースの経験・知識・情報・人」が集まる場であり、これこそが、私たちイーコマース事業協会の存在意義であると確信をしております。これは、創設以来、16年間、脈々と流れてきた基本理念であります。
一般社団法人イーコマース事業協会は「互いに自立しながら、会に参加し、互いに認め合い、互いの価値に触れながら、切磋琢磨しあいながら、情報を相互で受発信していく」。そういった場であると考えます。
私は、理事長としてこの存在意義を1つのベクトルにし、4つの委員会の活動に落とし込んでいこうと思っています。場合によっては綱領として明文化することも検討すべきではないかと思っています。
また、任期2年間で産官学連携を図っていきながら、一般社団法人イーコマース事業協会の会員事業者に有益な情報が集まる仕組み作りにも取り組んでいきたいと考えています。