オンワードのEC売上は333億円で30%増、EC化率は13%に上昇【2020年2月期】
オンワードホールディングスの2020年2月期におけるEC売上高は、前期比30.6%増の333億800万円だった。
主力子会社のオンワード樫山のEC売上高が10%以上伸びたほか、他のグループ企業の国内EC売上高は2倍以上に増加。連結売上高に占めるECの割合(EC化率)は、前の期と比べて2.8ポイント増の13.4%に上昇している。
オンワードグループはアパレルECサイト「ONWARD CROSSET(オンワードクローゼット)」のほか、食品の「オンワードマルシェ」、バレエ用品の「チャコットオンラインショップ」、雑貨の「マザーガーデン」、ペット用品の「ペットパラダイス」などを展開している。
オンワードホールディングスのEC売上高のうち約94%を国内事業が占めた。国内EC売上高は同31.4%増の313億4300万円。
オンワード樫山単体のEC売上高は同11.4%増の215億3000万円で、国内EC事業の約7割を占めている。オンワード樫山を除く「国内関連事業」のEC売上高は同117.6%増の98億1400万円だった。
海外のEC売上高は同18.7%増の19億6500万円。
オンワードメンバーズ会員は同18.3%増の313万人。顧客接点を強化したことで前年を上回る伸び率だったという。オンワード公式アプリのダウンロード数は43万5000件。
グループの連結売上高は2482億円、当期純損失521億円
オンワードホールディングスの2020年2月期の連結売上高は前期比3.2%増の2482億3300万円。
主力のアパレル関連事業の売上高は、実店舗での販売が苦戦したことで同4.3%減の2052億6500万円。アパレル事業は国内と海外がどちらも減収減益だった。
ライフスタイル関連事業の売上高は、ギフトカタログ事業を手掛ける大和を連結子会社化したこともあり同64.7%増の429億6800万となった。
アパレル事業の低迷で連結決算における営業損失が30億6100万円、経常損失は38億3500万円だった。
当期は不採算事業からの撤退や不採算店舗の廃止などに伴い減損損失約277億円を計上したほか、希望退職者を募ったことによる特別退職金約36億円が発生した。また、繰延税金資産を取り崩したことによる法人税等調整額135億4700万円を計上したことなどから、当期純損失は521億3500万円だった。
2020年2月期決算を公表した4月10日時点では、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を見通すことが難しいとして2021年2月期の業績予想を公表していない。商業施設の営業時間短縮や営業休止、国内インバウンド需要の低迷、外出自粛による消費マインドの低下などに伴う消費需要の落ち込みが回復するには一定の期間が必要だと予測している。