新型コロナ対策でECなど強化、三越伊勢丹が取り組む3つのデジタル施策
三越伊勢丹ホールディングスは5月11日、新型コロナウイルスの感染拡大で消費行動が変化していることを受け、EC事業の強化を含む新たな中期経営計画を公表した。
オンライン売上高の計画を上方修正したほか、チャットでスタイリストに相談できるサービスや、スマホで来店予約を行えるサービスなどを導入する。2020年6月にはWebサイトのリニューアルとアプリのリリースを予定している。
2019~2021年度の3か年計画(中期経営計画)に次の3つのデジタル施策を追加した。
1.EC事業の強化
EC事業単体の売上拡大を図る。オンラインから実店舗に顧客を誘導する取り組みに加え、購入までオンラインで完結する仕組みをこれまで以上に強化するとしている。
2020年6月にWebサイトをリニューアルし、三越伊勢丹に関する商品やイベントの情報を一元化する。マイページ機能などを備えたアプリの提供も開始する予定。オンライン上の品ぞろえも拡充する。
2.ワン・トゥ・ワン・サービスの拡充
顧客が外出することなく販売員とコンタクトを取れるように、スマートフォンを使ってチャットでスタイリストに相談できるサービスなど、デジタル上でワン・トゥ・ワンの接客を行う取り組みを強化する。
3.デジタルを活用した安心安全の提供
顧客の店内での滞在時間を減らしたり、店頭での混雑を避けたりするために、スマホを使って来店予約や事前決済、電票の電子化、混雑情報の確認などを行えるようにする。
オンライン売上高は当初計画の250億円から上方修正
2020年度(2021年3月期)におけるオンライン売上高の計画は、当初は250億円に設定していたが、新たなデジタル施策を追加したことを踏まえて計画を上方修正する方針。中期経営計画の修正内容は2020年11月に公表する予定。
なお、新型コロナウイルスによる影響を見通すことが難しいとして、2021年3月期の業績予想は5月11日時点では未定としている。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて店舗の休業や営業時間の短縮を行った影響で、売上高は急減している。2020年4月の月次売上高は前年同月比21.9%にとどまった。5月11日時点で、一部の食品とEC事業のみが営業しているという。