ベガコーポレーションが約3億円の営業赤字から1年で黒字転換、増収増益を達成した4つのポイント
家具・インテリアのECサイト「LOWYA(ロウヤ)」を運営しているベガコーポレーションの2020年3月期決算は、売上高が前期比1.9%増の135億700万円、営業利益は1億1600万円だった。
自社ECサイトを中心に集客を強化して16期連続増収を達成した。配送コストの上昇や販売競争の激化が続くなか、販売価格の見直しや物流効率化などに取り組み利益率が改善。営業損益は前期(2019年3月期)の約3億円の赤字から黒字に転換した。
経常利益は1億4600万円(前期は2億5600万円の赤字)、当期純利益は4000万円(同2億4000万円の赤字)。
旗艦店(自社ECサイト) の売上比率が約32%に上昇
2020年3月期は旗艦店(自社ECサイト)の集客を強化した。
Web広告やSNSの運用、検索エンジン対策などを強化したことでECサイトのアクセスが増加。旗艦店のアクセス数の増減率(前年同月比)を四半期ごとに見ると、第1四半期から順に99.0%、127.4%、140.1%、178.6%と推移している。第4四半期(2020年1-3月)のアクセス数は731万UUだった。
ベガコーポレーションは旗艦店のほかに「楽天市場」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」といったECモールにも出店している。近年は価格競争が起こりやすいECモールから、自社ECサイトへと販売の軸をシフトすることで収益改善を図ってきた。
LOWYA事業(EC事業)の売上高に占める旗艦店の割合は、2020年3月期は32.7%で、前の期と比べて約9.6ポイント上昇した。
第4四半期(2020年1-3月)は旗艦店の売上比率が39.8%に達しており、販路別の売上高は旗艦店と「楽天市場」店がほぼ並んだ。
販売価格の見直しなどで原価率が43%に低下
商品の販売価格や商品構成を見直したことで原価率が低下した。
2020年3月期における原価率を四半期ごとに見ると、第1四半期から順に44.2%、43.9%、43.9%、43.1%。原価率はすべての四半期で前年同期を下回り、低下幅は2~3.3ポイントだった。
物流を効率化、配送費の上昇を抑制
2020年3月期は在庫の保管効率を見直したほか、在庫量の適正化や、在庫の適正配置による倉庫間輸送費の削減、発注基準の見直しによる入出庫にかかる外注費の削減などに取り組んだ。
2019年度に倉庫の増床を行なった影響で2020年3月期の倉庫家賃は増加したものの、オペレーションの改善によって倉庫作業費は2019年年3月期と比べて4800万円減ったという。
配送費率(売上高に対する荷造配送費の構成比率)は18%前後で高止まりしている。ただ、2019年4月から段階的に配送費が値上がりするなか、商品構成の見直しなどに取り組んだことで配送費の上昇を抑制できたとしている。
VRや画像検索機能で購入を促進
ECサイトの販売促進策の一環として、家具の配置イメージを3Dで確認できるWebコンテンツ「LOWYA360」を2019年8月に導入した。また、人工知能(AI)を搭載した画像検索機能「LOWYA見た目でサーチ」を10月に実装している。