通販・ECビジネスの課題は「既存の顧客の満足度の向上」が上昇、「新規客の獲得や集客方法」が下降傾向
通販・ECシステム構築・支援を手がけるエルテックスは9月4日、「通信販売事業関与者の実態調査2020」の第2弾公表した。
「悩み事・困りごと」で最も重要なものについて
通販事業全般(ECを含む)の仕事について、過去から現在での「悩み事・困りごと」で最も重要なもの1つを選ぶ単一回答では、「新規客の獲得や集客方法」がここ5年のトレンドで下降傾向に。2020年は微減だが「既存の顧客の満足度の向上」が上昇傾向となっている。
通販・ECで商品を買う消費行動が浸透しており、良質な顧客体験(CX、カスタマーエクスペリエンス)の提供が課題になってきていることが推測される。
複数回答では「広告メディアの使い方や広告投下の配分」が前年比7.3ポイント増とスコアが上昇。過去の調査からも年々スコアが増えてきており2016年の約1.5倍となっている。
「新型コロナウイルスなどの感染対策」は複数回答では15.7%。単一回答で2.0%だった。これら数値を見る限り、通販・EC業界ではビジネス上のインパクトは小さいと考えられる。
「通信販売事業の課題」について
「通信販売事業の課題」の複数回答では「事故が起きない安全なシステム強化」のスコアが、前年比で11.7ポイント増の2桁増。年商別のグラフでは、年商100億円以上の企業の過半数以上(53.6%)がこの項目を選択している。
前年比でスコアが上昇した項目は「よく売れる商品の開発」が8.3ポイント増、「売り上げの拡大」が5.3ポイント増。
「事故が起きない安全なシステム」の項目では、年商によって回答の数値が大きく異なった。年商100億円以上の事業者では53.6%、1億~10億円未満では35.7%と17.9ポイントも差が開いている。
「新型コロナウイルスなどの感染症対策」は、複数回答では全体で31.7%が課題と捉えているものの、約3分の2は課題としていないという結果だった。