アスクルの「新しい働き方」改革。テレワーク中心の勤務形態へ移行、オフィスには完全個室などを新設
アスクルは「新しい働き方」の実現に向け、東京本社を全面リニューアルした。2020年6月からWith・Afterコロナ時代に向けて準備を進め、完全個室や吸音パネル搭載ブースなどを新設。勤務形態も従来は月4回を上限としていたテレワークの制限を撤廃し、テレワークを中心とした働き方に移行した。
業務に応じて自由に選択できるブースを新設
従来の固定席を廃止し、フリーアドレス制を導入。コールセンターなどユーザー対応業務以外のエリアはゾーン別にフリーアドレス制へと移行した。
業務に集中したい時に使用できる「個人集中ブース(籠もれるスペース)」、社内外とオンラインミーティング時に使用できる完全個室の「テレカンポッド」、半個室で吸音パネルを搭載した「テレカンブース」、防疫対策を施した「ディスカッションスペース」などさまざまなブースを新設した。
オフィス位置情報アプリで「密」を回避
テレワーク推進とフリーアドレス制導入に伴い、リアルなコミュニケーションを促進するデジタルツールとして、オフィス位置情報アプリ「Beacapp Here(ビーキャップヒア)」を導入した。
アスクルが貸与するスマートフォンを保持する従業員が対象。アプリをインストールしていれば、オフィス内に設置しているビーコン端末から発信されるBluetoothをスマートフォンが検知、従業員の位置情報をアプリ内のオフィスマップで可視化する。
出社している従業員のリアルなコミュニケーション促進と、オフィスの「密」状況の回避やオフィス有効利用促進ツールとして役立っているという。
緑溢れるエントランス
リニューアルにあたり、エントランスのコンセプトを「豊かな自然溢れる地球の尊さを感じ、人の生命力が溢れる空間に」に刷新。そら植物園代表でプラントハンターの西畠清順氏が監修し、室内環境でも長く生き抜く原種の植物をエントランスに植えた。
2020年12月に策定したアスクルのパーパス(存在意義)である「仕事場とくらしと地球の明日に『うれしい』を届け続ける。」を体現。来訪者や従業員がエントランスを通る度に「うれしい」を届けられる場所をめざしたという。
テレワーク制限やコアタイムを撤廃
2020年2月17日から、従来は月4回を上限としていたテレワークの制限を撤廃、テレワークを中心とした働き方に移行した。2020年6月に実施した社内アンケートでは、新しい働き方に対し約8割が週3日以上のテレワークをベースとした働き方を希望した。また、生産性については約75%が「オフィスと同等」もしくは「上がった」と回答したという。
こうした状況を受け、2021年1月21日から「出社は月最大6日以下」を継続、コアタイム撤廃など「働き方基本指針」を刷新した。
「働き方基本方針」刷新に伴う変更事項
- フレックスタイム勤務のコアタイム撤廃
- 新しい働き方手当として、月額6000円を支給(年2回の賞与月にまとめて支給)
- 通勤手当は1か月の通勤費支給を停止し、出社回数に応じた実費支給に変更
リアルとオンライン、シームレスに集える仕事場に
アスクルは2020年6月にオフィスリニューアルに向けた「未来ベースプロジェクト」を発足、新しいオフィスのコンセプトに「ASKUL CROSSING」を掲げた。リニューアルに際し、アスクルは次のようにコメントしている。
多様な働き方をする多様な人材が、情報を分かち合い刺激を受けながら働ける場所として、従業員同士のエンゲージメントを高め、一体感を感じられる「会うことの価値が感じられる新しい仕事場」をめざした。