森野 誠之 2021/11/30 8:00
ネッ担まとめ

通常は景品表示法の対象にならない消費者の投稿も、事業者からの明確な指示があればその対象になります。そもそも景品表示法に抵触するような表現をすること自体がおかしいのですが、インフルエンサーマーケティングを実施している企業はおさえておきましょう。

消費者の投稿でも指示していれば景表法の対象に

Instagramでの豊胸表示投稿に景表法違反、指示を出したEC会社に措置命令 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/9280

まとめると、

  • 消費者庁は健康食品販売会社のアシスト、その通販業務を担うアクガレージに対し、健康食品「ジュエルアップ」「モテアンジュ」の表示について、それぞれ景品表示法違反(優良誤認)があったとして措置命令を行った
  • 消費者自身のSNS投稿は景品表示法の「表示」に該当しない
  • 今回はInstagram内のアカウントを保有する者に対し、表示を指示したと認定して「表示」に該当するとした

ここでまず、押さえておきたいのは、消費者自身のSNS投稿は景表法の規制対象とする「表示」に該当しないということ。景表法が規制対象としているのは、「顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行う広告その他の表示」(景表法第2条第4項)だからです。

なぜ今回、消費者庁さんは景表法の対象にしたのか。それは、2社がInstagramのアカウント保有者に対して具体的に指示をしていたと認定したため。

商品供給事業者がインフルエンサーやアフィリエイターなどに商品PRを依頼して投稿・掲載してもらう場合、景表法はその行為ではなく、投稿・掲載内容の「表示」を規制対象とします。そのため今回の事案は景表法の処罰対象となったのです。
ネッ担メルマガより

今回の措置命令については、なぜ対象になったのかを知っておかないといけないですね。消費者の投稿だから問題ないと思っていても、具体的に内容を指示していれば規制対象になるということです。

また消費者庁によると「当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、両社は、当該期間内に当該資料を提出しなかった」そうです。似たような広告はたくさん見かけますが「みんながやっているから」は通用しません。法令を遵守した広告を出稿しましょう。

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若いユーザーが本業で使うことが増えたBASE

「BASE」がオーナーズ調査2021を発表 ショップオーナーがネットショップ運営で最も重視することは、3年連続で「ブランドコンセプト・世界観の表現」が1位!利用割合の多い都道府県TOP3は東京、沖縄、大阪!3年以内に急上昇したのは佐賀と群馬! | BASE, Inc.
https://binc.jp/press-room/news/press-release/pr_20211124

「BASE」がオーナーズ調査2020を実施 9割以上が「4名以下」の少人数で運営 -好きなことを小さく始めて将来の可能性を広げる時代に- | BASE, Inc.
https://binc.jp/press-room/news/press-release/pr_20201127

まとめると、

  • BASEが「オーナーズ調査2021」を発表。昨年と比較して変化が大きかったのは「ショップオーナーの年代」「ネットショップ運営でもっとも重視していること」「本業での利用」
  • 開設割合は1位が「東京都」、2位「沖縄県」、3位「大阪府」
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グラフ:BASEオーナーの年代
BASEオーナーの年代
https://binc.jp/press-room/news/press-release/pr_20211124
より編集部でキャプチャ

今年もBASEのオーナーズ調査の結果が発表されました。昨年も同様の調査がされていたので比較したところ、上の図にあるように20代のオーナ比率が14.6%から28.5%とほぼ倍増しました。本業でネットショップを運営しているオーナーの比率も48.9%から56.2%となり、コロナ禍でとりあえずネットショップを立ち上げた人が多かった昨年から、本気度の上がった20201年となっていますね。

ちょっと気になるのは回答数。2020年は4,132ショップだったのに対し、2021年は2,787ショップ。これによって偏りが出ている可能性もあります。

安易に価格を下げるのではなく価値を上げる努力を

値上げは悪じゃない 価格のシグナル効果を踏まえて適正価格を定め、企業・ブランドの価値を高めよう | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/10260

まとめると、

  • 値上げは躊躇するものだが、商品やサービスそのものの価格を上げると、長い目で見れば売り手だけでなくお客様にもメリットがある
  • 適正価格で販売することで、企業・ブランドとしてもより良いサービスを提供する余裕が生まれる
  • 安売りを繰り返す店よりも、しっかりと価値を伝えながら適正価格で商品を販売する店のほうが信頼される

何度もお伝えしていますが、商品・サービスが売れるのは商品の価値が価格と同等、もしくはそれ以上だとお客様に感じていただけたときです。つまり、価格を上げるということは「商品・サービスの価値を上げる努力」と「それを正しくお客様に伝える努力」の双方に着手する決断を下すこととも言えます。

「安くないと買ってもらえない」と思うことも多いですし、安くすると買ってくれる人が増えたという実感がある人も多いはずです。しかし、引用文にあるように価格以外の価値を向上させる努力をしているのでしょうか? この努力なくして商売は続きませんので、価格を下げるのは最終手段と考えて価値を上げることに注力しましょう。

この意識を持つことでもっとユーザーのことを知ろうとしますし、ネットショップをもっと良くしようという気持ちも出てくるはずです。

EC全般

これからの中小ECは「小さな客層・小さな市場」を目指そう! | ECコンサル坂本のブログ「ECバカ一代」
https://www.commerce-design.net/blog/archives/5009

小さな市場なら価値をわかってくれる人も多いはず。BASEで売れている人はこんな人たちです。

ECサイトの表示に不備があると契約が無効になることも。特定商取引法の改正内容とは?【EC関連法の解説】 | futureshop
https://www.future-shop.jp/magazine/law-commentary

定期販売、サブスクでありがちな「解約条件に関する不実の告知を禁止」には注意。

アマゾンの「Amazonブラックフライデー」は11/26から。昨年比7倍の中小企業が参加 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/9271

アマゾン従業員、世界各地でブラックフライデーのストライキを計画 | CNET Japan
https://japan.cnet.com/article/35179929/

もうAmazonの買い物で失敗しない!? 粗悪品・悪質ストアを避ける小技3選(篠原修司) | Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/shinoharashuji/20211123-00268951

Amazonには相変わらず光と影が付きまといますね。ここで買うかどうかは自分しだい。

COMMERCE DAY 2021 イベントレポート Shopify開発者 | Shopify
https://www.shopify.jp/blog/shopify-commerce-day-2021-report

動画が載っていますのでShopify開発者の人は見ておきましょう。

スマホで試着ができるサービス「Zoff Virtual Counter」を導入開始。Zoffスタッフ約720名が17万枚の顔画像データを評価して生まれたオリジナルAIを採用! | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/11254

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https://marketeer.jp/tsuruya/

これができるのもユーザーの声をずっと見ているからですよね。自分たちの立ち位置がどのあたりにあるのかは常に把握しておきましょう。

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