これで最終回!「ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ」の10年を振り返ります【ネッ担まとめ】
10年にわたって毎週お届けしてきた「ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ」。今回が最終回ですので、10年間のニュースを年ごとに振り返ってみました。2014年と2015年は年間まとめの形式が決まっていなかったので、短いコメントで振り返り。2016年~2023年は年間まとめの月ごとの見出しを表にして振り返ります。こうしてみるといろいろなことがありましたね。
2014年:フリマアプリが躍進
誰もが知っているようで知らない「2015年に売るための方法」【5分でわかる先週のネットショップ関連ニュースまとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/1071
2014年のトレンドとして「フリマアプリの勃興と躍進」「物流革命」「ECサイトのコンテンツ化」「Amazonの攻勢」「ビッグデータ活用」が挙げられ、2015年の展望として「EC店舗数増加による弊害」「運営の自動化」「キュレーション型EC」が挙げられています。
私もここに書かれている通りだと思いますが、2014年では決済関連も大きく動いた年でしたね。後払いの利用者が急増し、NP後払いの累計利用者数が5,000万人を突破しました。2015年も手軽な決済手段が低い手数料で使えるようになってくるはずなので、面倒がらずにどんどん導入したいですね。
2015年:ECでもリアル接点が重要
2015年のネットショップ業界は何があった? 厳選34記事で振り返り【ネッ担まとめ】【5分でわかる先週のネットショップ関連ニュースまとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/2442
2015年にお伝えした本連載48本から、重要トピック34記事をピックアップしました。今年は「リアル接点」「越境EC」「配送」「プレミアム会員」「打倒Amazon」あたりがキーワードでした。来年もこの流れがベースとなりつつ新しいことも出てきそうですので、いつでも対応できる体制を整えておきたいですね。
「リアル接点」に関しては、楽天やBASEがリアルイベントを開催して成功していたので、その流れが続くでしょうという意味。今では、コロナが終息して再び注目というか、やらないといけないことになりましたが、それとはまったく違うものでした。「越境EC」は定期的に話題になるいつものパターン。「配送」は再配達の時間が年間9万人の労働力になったという国交省のデータが公開されました。今や2024年問題で配送はECだけにとどまらない問題になっています。
2016年:楽天が品質問題に取り組み始める
2016年のEC業界は何があった? ネットニュースで振り返るこの1年 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/3789
2016年からは月ごとに目立った記事を取り上げて12か月を振り返っています。「楽天」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」「法関連・統計」「配送」「越境EC・海外」「Shopify」「その他」の8つのジャンルに分けてみました。
Amazonがどんどん売っていて、「Eコマース革命」の「Yahoo!ショッピング」も勢いがあって、楽天は二重価格やレビュー問題で失った信頼を取り戻している時期でした。楽天のこの流れは今も続いていて、一貫した方針で成長を続けています。強引に見える部分もありますが、ここまで継続できたのはさすが。
「PUDO」、チャットボットが話題になったのがこの時期。つい最近だと思ったら8年も経っておりました。「Google Home」はどこに行ってしまったんでしょうかね……。
2017年:「eコマース革命」第二章と「ZOZOSUIT」
2017年のEC業界は何があった? ニュースで振り返るこの1年【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5027
ヤフーの「eコマース革命」が第二章で“お得革命”を始めるとの発表がありました。第一章は売り手の革命で、第二章が買い手の革命という流れです。この頃の「Yahoo!ショッピング」はAmazonと楽天に迫ろうとして勢いがありましたね。
「Amazonフレッシュ」が開始しています。“Amazon○○”ってこの頃はよく聞きましたよね。11月には「ZOZOSUIT」の発表が。「着てみた」とか「着ながら踊ってみた」という投稿がSNSに溢れました。皆さん覚えていますか?
2018年:未来のコンビニと言われた「Amazon Go」
EC業界2018年の振り返りと2019年に起きそうなことまとめ【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/6097
2018年は話題が豊富です。「Amazon Go」「MFI(Mobile First Index)」「LINE Pay」に「PayPay祭り」での悪質な利用。「Amazon Go」の発表は衝撃で小売業者の皆さんがアメリカに行っては店舗を見てきていたのが思い出されます。今となっては縮小されて話題にもならず……。「MFI」は検索の順位に影響を与えたので対応に追われた人たちも多かったと思います。自社ECではリニューアルもたくさんありましたね。“○○Pay”はまだまだ出始めで、拡大施策がメインの時期でした。
アフィリエイト広告で広告主の責任が問われたのもこの年。最終的には規制が入ることとなりましたね。
2019年:楽天3980円配送とヤフーのZOZO買収
2019年のEC業界振り返り & 2020年に起こりそうなことまとめ【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/7127
2019年は楽天とヤフーで大きな話題がありました。楽天は全店舗統一の送料無料ラインを3980円に決定し、ヤフーはZOZOを買収してLINEと経営統合。送料無料ラインに関しては、結果的にわかりやすくなったと思えますので、間違いではなかった感じです。ZOZOに関しては1月に1億円バラマキ企画を発表したり、ZOZO離れという言葉が出たりしていて、この先にどうなるかと思っていたタイミングでの発表。孫さんの「月に行きたいなら行かせてやればいいじゃないか!!」という言葉が思い出されますね。
「7Pay」が始まるもトラブル連発で使い物にならずに数か月でサービス終了。ここがうまくいっていればもう少し大きな経済圏もできたでしょうし、ECも視野に入ってくることもあったでしょうから、大きなつまづきでした。
2020年:新型コロナウイルスの流行で世の中が激変
2020年のEC業界振り返り & 2021年に起こりそうなことまとめ【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/8319
2020年はこの10年で最も大きな変化があった年。新型コロナウイルス感染症が流行して、今まで経験したことのない生活になりました。世の中が激変して対応に追われる日々だった人も多いはずですし、仕事内容がガラッと変わってしまった人も多いと思います。表を見てもわかるようにモールや法関連などの動きもほとんどなく、コロナ対応の記事ばかりでした。
BASEさんなどでEC関連サービス利用者が急増しましたし、オンライン会議やウェビナーも当たり前になりました。ネット利用という観点ではユーザーが激増してリテラシーが上がった年でもありましたね。
リアルが強かった2020年以前、ネットばかりになった2020年~2021年、ネットとリアルが融合してきた2022年~2023年、リアル強化に戻りつつある2024年と、同じように見える世の中でも中身はまったく異なっています。この流れを踏まえつつ将来を考えていかないといけないですね。
2021年:過去のものになった「Clubhouse」と伸び続ける「Shopify」
2021年のEC業界振り返り & 2022年に起こりそうなことまとめ【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/9397
まだまだ新型コロナの影響が残っている2021年。皆さんはもう忘れているかもしれない「Clubhouse」が話題になった年でもあります。外に出られない時期だったので誰かと話したい人が多かったのでしょうか。
もう1つの話題は「Shopify」。簡単にECサイトを構築できて大量のトラフィックもさばけるということで今も人気。流行りに乗って「Shopify」を導入して失敗した事例も多かったですね。
「プラットフォーム透明化法」「Instagramの投稿で措置命令」などネット関連の規制も増えてきた2021年でした。
2022年:物価高、インフレが始まって日本は「安い国」に
2022年のEC業界振り返り&2023年に起きそうなこと【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10512
原材料高によって企業の利益に影響が出てきた2022年。この流れで海外では物価も金利も上がって賃金も上昇しました。それに取り残されている日本は「安い国」と思われています。たった2年ほどの間にこれほどの差がついてしまいますので、スピード感をもって事業に取り組んでいきたいですね。
それ以外では「SHEIN(シーイン)」が話題になりました。とにかく安い、どこを見てもお得バナー、「ちょっと怪しい」という感はあったものの、前述の物価高の影響で利用者が増えました。その「SHEIN」も今や「Temu(ティームー)」に取って代わられる状況。くどいようですが世の中の流れは速いですね。
「Yahoo!ショッピング」の「優良配送」もインパクトがありました。これに対応できないと、とにかく売れないので「Yahoo!ショッピング」を諦めるというか放置する人も増えましたね。「Googleアナリティクス」はユニバーサルアナリティクスが終了して「GA4」に。「GA4」はとにかくわからない&面倒なので、こちらも諦める人が続出。
2023年:生成AIが急速に浸透
2023年のEC業界振り返り&2024年に起きそうなこと【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/11777
2023年は「ChatGPT」に代表される生成AIが話題になった年でした。自然な会話ができるAIで無茶なことを言っても対応してくれますし、ちょっとしたプログラミングもしてくれれば、レビューへのコメントなども考えてくれます。関連サービスも出てきていますし、競争も激化しているのでまだまだ変化が激しそうですね。このまとめを読むとわかるように、すぐに手を出すなら徹底的に研究してから、そうでない場合は安定してきたころに始めるくらいでちょうどいいかなと思います。
ZHDとヤフーLINEが合併して「Yahoo!ショッピング」で売れない時期が続きました。個人情報の漏えいなどもあり、なかなか攻勢に転じることができないのがもどかしいですね。
物流の2024年問題も話題になった年でもありました。
ざっと振り返ってみるとコロナ前は3大モールの動きが活発で競争も激しい時代。コロナ後は国内だけではなく、世界の動きが影響するようになってきたと言えます。インバウンド需要も回復し、観光地などでは外国語を話せる日本人も増えていますよね。
もはや世界とのつながりは避けられませんので、本当に狭いエリアやジャンルで日本人を相手にするのか、世界を見据えて動いていくのかの二択になっていますので、どちらの方向で行くのかを決めておかないといけないでしょう。
この記事が皆さんの参考になることを願って、最後のまとめとしたいと思います。
10年間読んでいただきありがとうございました!
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eコマースコンバージョンラボさんの記事を引用して振り返っていました。今では「フリマアプリ」は当たり前の存在になっていて、「二次流通」という言葉も定着しています。「ECサイトのコンテンツ化」は当たり前というかやらないといけないレベルに。「ビッグデータ活用」は10年経ってもうまくいった事例が少ないのですが、表に出てきていないだけかもしれないですね。決済に関しては“○○Pay”のない時代で、こうなるとは誰も予想していませんでした。