カインズが東急ハンズを買収、2社の強みを生かし「DIYを日本の文化として生活に根付かせる」

東急ハンズの2021年3月期業績は、売上高が前期比34.7%減、営業損益は44億7300万円(前期は1億8100万円の営業利益)、71億3600万円の当期純損失(同13億3400万円の営業損失)と悪化していた

瀧川 正実

2021年12月23日 10:00

カインズは12月22日、東急ハンズを完全子会社化すると発表した。東急ハンズの発行済み全株式を、2022年3月31付で親会社の東急不動産ホールディングスから買い取る。

カインズは、オリジナル商品の開発やデジタル基盤の活用などにおいて東急ハンズとのシナジーが期待できると判断。両社がめざしている「新たなDIY文化の創造」を実現できるとして、東急ハンズをパートナーとしてカインズグループに迎える。

小売業界を取り巻く環境は大きく変化しており、国内市場は少子高齢化や消費行動変容などを背景に飽和状態が常態化。EC化の進行、競合他社の台頭など、東急ハンズを取り巻く環境は厳しさを増していた。

そんな状況下に新型コロナウィルス感染症拡大が直撃。2021年3月期業績は、売上高が前期比34.7%減、営業損益は44億7300万円(前期は1億8100万円の営業利益)、71億3600万円の当期純損失(同13億3400万円の営業損失)。連結純資産は2020年3月期の107億5200万円から、2021年3月期は36億4600万円まで目減りした。

東急不動産HDは、グループでの再建は困難と判断。ファイナンシャルアドバイザーを選定して広く入札手続きを実施し、複数候補者からの提案を受け検討を重ねた結果、カインズへの売却を決めた。

東急不動産HDは、PB商品やDXの分野で最先端を走るカインズのリソースとノウハウを活用することで、最大限のシナジー創出を追求できると説明。消費者への提供価値の最大化とサステナブルな成長を実現できると判断したという。

カインズと東急ハンズは、「DIYが一過性のトレンドではなく、広く日本の文化として私たちの生活に根付いていくことをめざし、2社が持つ強みを組み合わせることで、お客さまに新たな価値を提供していきたいと考えている」としている。

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