新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ

「去年と同じ」で大丈夫なわけがない。 季節も購買行動も変わる時代、ネットショップ運営の「当たり前」をアップデートしよう【ネッ担まとめ】

ネットショップ担当者が読んでおくべき2026年7月15日~8月16日のニュース

酒匂 雄二[執筆]

8:00

この記事が公開される頃にはお盆休みも明けて、暦の上では秋のはずですが、秋を微塵も感じない暑さが続いていますね。季節の常識が変わり、市場を取り巻く状況も先が読めないなかで、「これまで通り」は衰退でしかないと思います。先日も「SNS運用を今までと変えていないのに来店が減った」という相談を受けたのですが、ユーザーの行動に応じてアルゴリズムも変わるのに、今までと同じで良いわけがないですよね。取り巻く環境の変化を見ながら「当たり前」もアップデートしていきたいところです。

成功体験にとらわれず、変化する顧客行動に合わせて施策を考える

酷暑が続く夏に「五季」戦略で夏物5か月展開する三陽商会の商品戦略。ウィメンズ「半袖ジャケット」9倍、「メンズ日傘」220%に増産 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/n/2026/07/16/16411

三陽商会は、気候変動による夏の長期化・高温化に対応するため、2024年に導入した独自の「五季」商品展開カレンダーに基づき、2026年夏商戦を展開

三陽商会は「四季」から「五季」に変化させ、ウィメンズでは「半袖ジャケット」、メンズでは「日傘」を増産。

「今年の夏は暑いですね」ではなく「夏そのものが暑く・長くなった」と考えるのは、もはや常識かも。長らく、春・夏・秋・冬と、そこにあるギフト需要というカレンダーでEC運営をしてきた人も多いでしょう。

9月もしかしたら10月でも半袖を着て日傘を差しているのに、「○○の秋特集」と言われてもピンとこないかもしれません。しかし、夏物は早く展開していく必要がありそうです。「買いたい」と思うタイミングを見定め施策していく俊敏性は、ますます求められていきそうですね。

EC事業者さんと話をしていると「そんなモノがそんなに売れるんですか?」と驚く話も少なくありません。高単価なもの、ニッチなもの、「イマドキだなぁ」と思うモノさまざまありますが、そうした事業者さんは「○○で△△だから、こういう世代・性別に○○がウケているのではないか」と仮説を立てて実行・検証をしっかり行っている印象です。

時代が変わっても「風が吹けば桶屋が儲かる」とはよく言ったものだと、何度感じてきたかはわかりません。

お客さんへのアンケートや仮説を、AIを活用してレポートにまとめたり、次の施策のヒントにしたりするのも良いと思います。

変わっているのは気候や季節だけでなく、お客さんが商品を知る場所も変化しています。従来の検索だけでなく、SNS、「ChatGPT」などの生成AIへと広がっていて、それらのロジックも日進月歩しています。「今まで通り」「去年はこうだった」という先入観、成功体験をクリアにして、お店の年間スケジュールを一度練り直してみるのも良いかもしれませんね。

要チェック記事

SEO関連

検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に | ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/article/2607/27/1260727076/

警視庁サイバーセキュリティ対策課のポストから、多数のメディアでも報じられた詐欺手口の1つ。

企業などのサイト内検索に「○○は詐欺ではない」といった文言を入力し、生成された検索結果ページのリンクを外部サイトに設置。

サイト内検索を悪用した手口は数年前から度々話題になっていましたが、サイト運営者、SEO従事者の皆さんは、これを機に本格的に対応するのが良いかと思います。

Should you block your Search result pages?(サイト内検索結果ページをブロックするべきでしょうか?) | Google Search Central YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=cfIQ_ksB61U

タイムリーにGoogle社員が、SEOにおいてサイト内検索結果が懸念される理由を解説しています。スパムではありませんが、理論上、無限にページ生成が可能な事象を防いでおいて損はないですね。

SEOで勝つタイトル付けの法則とは? グーグルから評価され、流入数を増やす5つの条件 | Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/e/2026/08/04/52906

SEOに「勝つ」という言葉をセットにするのはあまり好みではないのですが、「勝つ=生き残る、選ばれる」として。年間数百本のタイトルを設計してきた人から学べることは多いので、取り上げました。

プラットフォーム プロパティのグローバル展開と、加えてソーシャルと動画のパフォーマンスに関する新しいガイドも公開 | Google Search Central Blog
https://developers.google.com/search/blog/2026/07/platform-properties-social-video-guide?hl=ja

Instagram、TikTok、X、YouTubeがGoogleでどのようにパフォーマンスを発揮しているか、Search Consoleで確認できる機能が全ユーザーに提供開始。7月初めに発表された時、「神アプデ」の声も多かったですね。

私も早速使ってみましたが、予想外のクエリで自分のSNSが表示されているのは面白いです。ぜひ皆さんもSNSアカウントを連携して、集客やSEOに生かしてみてはいかがでしょうか。

マーケティング関連

「AI生成コンテンツ、実は嫌いではない」 だが「客の半分が去る」本当の理由 | @IT
https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/2608/12/news040.html

AIっぽさを感じるのは「調べればわかる内容しか書いていない」が最多で、人間っぽさを感じるのは「調べただけでは得られない中身がある」が最多。やはり、独自性が重要であることは間違いなさそうです。

一方「人間らしさ」を感じると、ほとんどの人が「信頼度が向上する」のに対し、「AI製」だと感じても信頼や好感が下がるのは1割程度、それでも半分が去る理由に「なるほど」となりました。回答者の母数は少ないですが、運営方針、コンテンツ作りのヒントにはなりそうですね。

ヤシノミ洗剤は「看板商品に傷が付いた状態」からいかに復活したのか?戦略とプロセスを聞く|Markezine
https://markezine.jp/article/detail/77229

2004年に環境問題を巡る誤解が生じ、炎上状態になるも、同年から毎年右肩上がりの売上成長を実現したサラヤ。「逃げる」「変える」「向き合う」という3つの選択肢からサラヤが選んだのは?

騒動の後、社内の人に話を聞く機会がありましたが、サラヤのブランドの立て直しにとても学べる点があり、ピックアップしました。

マリオット のホテル客室がショールーム化 家具やリネンを販売する新EC戦略|DIGIDAY
https://digiday.jp/modern-retail/why-marriott-is-turning-hotel-rooms-into-showrooms/

買う前に体験してみることは大事。

私のクライアントでも、ホテルやレストランに商品を使ってもらっているお店がいくつかあります。良い品質、使い心地を体験すると、お客さんに「これはどこのもの?」「どこで買えますか?」と聞かれることはよくありますね。

今週の名言

SNS時代の読解力、言葉の濁流から自ら選択 文脈を想像して歩み寄る技術を | 産経新聞
https://www.sankei.com/article/20260814-KJTXDKFO7NJUXLAZATTDWQMX6I/?outputType=theme_nie

「現代人はSNSを通じて昔よりも大量の活字に触れていますが、その細切れのテキストは『スナック菓子』のようなもの。いくら消費しても、読解力の向上にはつながりません」

「現代人の1日に受け取る情報量は、江戸時代の1年分に相当する」と言われていますが、SNSやAIによるコンテンツの氾濫で、加速度的に増えているように感じます。一方で作者、投稿主の意図や文脈を上手く読み取れないトラブルから「レスバトル」に発展したり、切り取り報道につながったりすることもしばしば。

そんな現代人に、明治大教授・文芸評論家の伊藤氏貴さんが「古典を読もう」と提唱しています。

時代背景や文化が異なる古い時代や外国などの作品は、見知らぬ言葉に立ち止まり、調べながら読むこと自体が深い読解の訓練になる。

大正、昭和初期の文学作品を読むと、今は観ることのできない情景やなくなってしまったモノ、使われない言葉などに多く出会います。そうした「見知らぬ言葉」をひも解きながら読み進めることは、いいトレーニングになりそうです。

「自分の好きなもの、共感できるもの以外を知ることは、生きていく上で役に立つし、だから社会が成り立っているんです」

フィルターバブルやエコーチェンバーといった言葉をよく聞くようになった今、文字を読む、市況などの流れを俯瞰して読み解ける「読む」能力は、今後ますます重宝されるのではないでしょうか。

夏季休暇で英気を養った人も多いと思います。「今までで通り」を「これからは」に切り替えて、「いろいろなモノゴトを読む」を始める良いタイミングではないでしょうか。AIの対策も気候変動による市場や顧客心理の変化も、「備えあれば憂い」なしかもしれませんね。

それではまた次回! 酒匂(さこっち)の「ネッ担ニュースまとめ」をよろしくお願いいたします。


「新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ」は以下の専門家が連載しています。

ECMJ 石田氏石田氏

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

UdemyでECマーケティング動画を配信中です。こちらもあわせてご覧下さい。

ユウキノイン 酒匂氏酒匂氏

ユウキノインは寄り添い伴走しながら中小企業・ECサイトのSEOからコンテンツマーケティング、プレスリリースやクラウドファンディングなど集客・販促・広報をお手伝いする会社です。詳しくはユウキノインのホームページをご覧ください。

Designequation 中林氏中林氏

Designequationは何かに特化したサポートではなく、モール・ベンダー選定や広告・CSなど各企業に合わせたカスタマイズ型の運用サポートを行っています。

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