ユナイテッドアローズ(UA)は1月29日、連結子会社であるコーエンの全株式を、「マックハウス」を展開するジーイエット(旧社名:マックハウス)に譲渡する契約を締結したと発表した。譲渡価額は2億円で、株式譲渡日は3月2日を予定している。
コーエンはUAグループの連結子会社から外れ、2026年3月期中に正式な譲渡が完了する見通し。UAは2025年11月に、株式譲渡に関する基本合意書の締結を発表していた。
コーエンの2025年1月期の業績は、売上高が前期比9.0%増の104億2300万円。営業損失は3億6000万円(前期は3億3700万円の損失)、経常損失は3億7600万円(同3億3800万円の損失)、当期純損失は6億6800万円(同4億2200万円の損失)。総資産は28億3400万円、純資産はマイナス38億1000万円と債務超過に陥っている。
UAは2008年5月にコーエンを設立。カジュアルウェアを中心としたブランドとして、準都市部や郊外型ショッピングセンターを軸に展開してきた。近年は消費構造の変化が想定以上に速く進み、単独での経営努力だけでは十分な収益改善に至らなかったという。ブランドの再定義や商品政策・マーチャンダイジングの見直し、DXを活用した業務効率化などの改革を進めてきたものの、持続的な成長には、より広範な経営資源と専門的な知見を持つパートナーとの連携が不可欠と判断した。
UAは、コーエンのブランドポテンシャルを最大限に生かすため最適なパートナーの選定を進めた結果、全国規模でカジュアル衣料事業を展開し、近年はアパレルやウェルネス分野で積極的にM&Aやブランド再編を進めるジーイエット、同社の業務提携先であるジーエフホールディングスと協議を重ね、今回の合意に至った。
ジーイエットは1990年にカジュアル衣料小売事業を開始し、全国チェーン展開を行ってきた旧マックハウスが、2025年9月に社名変更し、新たな成長ステージへ移行した企業。既存のアパレル小売事業だけではなく、デジタル、AI、投資事業を融合した新たな事業モデルへの転換を進めている。
ジーエフホールディングスは、アパレル、物流、小売、EC、デジタル領域を横断的に展開し、国内外に100拠点超のネットワークを持つ総合事業体。サプライチェーン最適化や在庫マネジメント、ブランド再生支援に関する豊富な知見と実行力を有し、ジーイエットとの連携によりコーエンの事業再構築を推進できる体制が整っていると、UAは説明している。
UAは、これらの経営資源とノウハウを活用することで、コーエンのブランド競争力強化と持続的成長が見込めると判断。今回の譲渡は、UAが掲げる「選択と集中」方針に基づく前向きな経営判断であり、コーエンに新たな成長機会を提供するとともに、グループ全体の資本効率とブランドポートフォリオの最適化を進める狙いだとしている。
なお、今回の譲渡にあたり、UAはコーエンに対する約57億円の債権放棄を前提としている。ただし、連結決算では相殺消去されるため、連結業績への影響はないとしている。株式譲渡が業績に与える影響については現在精査中で、確定次第公表する予定。