産直通販サイト「食べチョク」を運営するビビッドガーデンは、原油価格の高騰が一次産業に与える影響について登録生産者を対象に緊急アンケートを実施した。3月19日に公表した調査結果によると、現時点で生産活動への影響を実感している生産者は66.7%。長期化した場合には81.3%が経営への悪影響を懸念していることがわかった。
中東情勢の緊迫化を背景に、世界的なエネルギー供給への不安が高まっている。特に、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡をめぐる緊張の高まりは、日本のエネルギー調達へ与える影響が大きい。燃料や資材、物流コストに依存する一次産業では、コスト上昇が現場に直結する一方、その実態や影響は十分に可視化されていない。こうした背景からビビッドガーデンは調査を実施した。
燃料費が直撃、資材・肥料にも波及
現時点で生産活動への影響を感じている生産者は66.7%で、うち21.3%が「大きく影響が出ている」と回答した。
影響が出ている項目は、「燃料費(軽油・ガソリンなど)」が89.5%と突出して高い。次いで「光熱費(暖房費・電気代など)」が24.7%、「肥料価格」が24.3%。農業機械や漁船など燃料依存度の高い現場では、コスト増の影響がより大きい構図が浮き彫りとなった。
また、今後影響が見込まれる項目として、「梱包資材(段ボール、フィルムなど)の価格上昇」が73.0%、「肥料価格」が66.3%、「ハウス・農業資材」が59.6%と続いた。「消費者の節約志向による販売不安」も51.7%に上り、コスト増と需要減の同時進行が懸念されている。
値上げ検討が最多も、対応に踏み出せない層も
長期化した場合の影響について、「影響が出そう」が81.3%。そのうち「大きく影響が出そう」が41.9%となった。
現時点での対応策は「値上げの検討」が39.7%で最多。一方で「現時点では見直しなし」も33.0%に上り、対応に踏み切れていない生産者も一定数存在する。そのほか、「収益改善」が27.7%、「施肥量の見直し」が18.0%、「設備や機械の稼働抑制」が15.7%だった。
長期化で「値上げ」は67%、生産縮小の懸念も
長期化した場合の対応として、「値上げ」が67.0%で最多。「設備投資の延期」(21.3%)、「人員計画の見直し」(18.4%)が続いた。さらに、「生産量の縮小」(10.5%)や「作付け・養殖規模の見直し」(10.5%)といった回答もあり、生産活動の縮小や廃業リスクにつながる可能性も示唆された。
価格転嫁には慎重姿勢、最大の懸念は「注文減」
価格転嫁については、「未定・わからない」が42.3%で最多。「これから転嫁予定」が38.6%、「すでに転嫁(一部含む)」が12.4%と続いた。
値上げ幅は「1〜10%程度」が47.6%、「11〜20%」が21.7%だった。
一方、値上げ後の懸念としては「注文数の減少」が74.2%と突出して高く、「値上げへの理解が得られにくい」(38.6%)、「高単価商品の販売減」(34.5%)が続いた。
現場からは「負担が生産者に集中している」との声
調査では、「燃油だけでなく資材全般が上昇し、コスト全体が押し上げられている」「価格転嫁が難しく、負担が生産者に集中している」といった声も寄せられた。
調査概要
- 調査対象:食べチョクに登録する全国の生産者
- 調査期間:2026年3月16日〜3月18日
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 回答数:267人
