メタバースECなどバーチャルショップ認知度は3割。認知しているユーザーの約半数は利用経験
NTTデータ経営研究所は、20~40代の国内の生活者を対象に「バーチャルショップに関する意識調査」を実施し、その結果を発表した。バーチャルショップは、3Dスキャン・モデリングやVR・ARなどを活用したWeb上の仮想店舗で、アバターを用いて店舗回遊や商品購入をするサービスの総称、と今調査では定義している。
バーチャルショップの認知度・利用率
「知っている」と回答したのは27.4%、「知らない」は72.6%。
ただ、バーチャルショップを認知しているユーザーの44.2%がバーチャルショップを「利用したことがある」と回答している。内訳は「利用し、商品を購入した」が28.4%、「商品の購入をしたことはないが、サービスを利用したことがある」が15.8%。
SNSやメディアなどで情報収集、情報発信行っている頻度別にバーチャルショップの認知度を聞いたところ果、情報収集・情報発信とも「1日に1回以上行っている人」の認知度は64.4%。情報収集・情報発信の「どちらか一方が1日に1回未満の層」の認知度は30.7%。情報収集・情報発信の「どちらも1日に1回未満の層」の認知度は6.7%だった。
バーチャルショップの男女別認知度を見ると、男性は20代43.2%、30代29.9%、40代35.2%。ただ、女性は30~40代で2割程度(30代23.8%、40代23.6%)にとどまっているほか、20代女性は16.7%と全年代で最も低い。
認知層に実施した利用状況調査では、20代女性は購入まで至っている割合が52.9%で、他の性別、世代と比較しても確率が高い。男性は、20代が50%、30代が57.5%、40代が48.2%と、どの世代も約半数まで利用している。
バーチャルショップ利用者の利用頻度は、モール型(仮想空間内に出店された複数の店舗)が69.0%、他メタバースサービス出店型(メタバースサービスに出店した店舗)が77.4%で、約7割のユーザーが月に1回以上利用している。
バーチャルショップで購入・購入を検討した商品
「食品・飲料・生活用品」「衣類・ファッション・装飾品」の購入が多い。
バーチャルショップの分類別で見ると、イベント型バーチャルショップ(仮想空間内で開催されているバーチャルイベント)では「家具・インテリア・家電」が33.3%。他メタバースサービス出店型バーチャルショップでは、「衣類・ファッション・装飾品」の他に「ビューティ・コスメ・ヘルスケア」「スポーツ・楽器等の趣味雑貨」の割合が高い。
バーチャルショップの利用意向とその理由
どのサービスも利用未経験者の7割以上(モール型74.3%、イベント型72.6%、他メタバースサービス出店型74.5%)が、「利用してみたいとは思わない」という結果に。
理由は「通常のECサービスで十分」「サービスの使い方や利用しているイメージが沸かない」などがトップとなっている。
一方、利用経験者においては、モール型が94.4%、イベント型が95.1%、他メタバースサービス出店型が90.3%。9割以上が「引き続きサービスを利用したい」と回答している。その理由は「VR、ARなどによって商品のイメージが沸きやすい」が上位にあがっている。
また、「多数の商品が陳列されており、ショールーミングを楽しめる」こともメリットのようだ。一方、「商品・サービスが気に入ったため」と回答したユーザーは2割弱にとどまっており、ユーザーは商品・サービスよりもバーチャルショップを利用する体験を求めているようだ。
バーチャルショップの改善点としては、「オンライン接客品質の改善」と回答したユーザーが最多。いかにメタバースへの没世界観を高められるような感情的価値の訴求や、ライフスタイルの提案等を行うことができるかが重要だと考えられる。