Amazon、米国「JAPAN STORE」の2023年上半期売れ筋商品トップ3を発表。「だし」「茶葉」「酒粕」など日本文化が人気
アマゾンジャパンが発表した、米国の「Amazon.com」で展開している「JAPAN STORE」(日本の販売事業者が商品を米国で販売するストア)の2023年上半期売れ筋商品は、出汁(だし)、茶葉、納豆パウダーといった和食文化を象徴する商品、酒粕エキスや桜酵母を配合した美容液などがラインアップされた。
売れ筋から見る日本文化への高い関心
「JAPAN STORE」は、Amazonと独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)による、日本企業の海外進出を支援するプログラムで、米国では2021年11月に開設した。食料品、キッチン用品、衣服、化粧品、PC関連機器など数千種類を販売している。
2023年1月~6月(上半期)の「JAPAN STORE」では、「Grocery(食品)」「Home(ホーム)」「Kitchen(キッチン)」「Beauty(ビューティー)」などのカテゴリーが販売個数の上位となった。
「JAPAN STORE」を利用している販売事業者が出品している日本製の商品で、販売個数が多いカテゴリー、およびその売れ筋商品は2023年1月1日から6月30日までの販売データに基づき算出。売れ筋商品は、ブランドオーナーによる出品商品の販売個数に基づいたランキング(2023年6月30日時点)。 |
Amazonによる海外販売支援の取り組みは?
日本の販売事業者の販路拡大を支援するために、海外販売に関してAmazonがこれまでに提供してきたサービスは次の通り。
- Amazonの商品在庫保管・配送代行サービス「フルフィルメント by Amazon(FBA)」を海外でも利用できる
- 2020年に専属チームによる日本語での海外販売支援サービスを開始。米国Amazon.comでの出品アカウントの作成や商品登録のサポートや、海外送金や海外輸送などに関する外部サービスを紹介
- 日本のマーケットプレイスで出品アカウントを作成・登録すれば、同じ出品アカウントで他の国のマーケットプレイスでも販売ができる機能「Global Registration(グローバル登録)」を提供
- 2022年3月から、日本を含む複数の国のマーケットプレイスで商品を一括登録できる機能を提供。出品商品の情報は自動翻訳機能により各国の言語に翻訳されAmazonのサイトに表示される
販売事業者は「FBA」などを活用することで、日本以外の21か国で展開しているAmazonのストアを通じて200超の国と地域の消費者に商品を販売することが可能。2021年には、4000社以上の日本の販売事業者が海外で4000万点以上の商品を展開し、販売個数は2020年と比較して2ケタ増となった。
アマゾンジャパンの露木一帆氏(セラーサービス事業本部 カテゴリー事業本部長)は、次のようにコメントしている。
「JAPAN STORE」が日本の中小企業販売事業者の新たな販売チャネルとして海外でのビジネス機会の拡大に貢献し、また同時に、米国のお客さまにとってAmazon.comが手軽に日本の商品を購入できる場所となっている。
日本国内での販売のみならず、その先にある海外販売も支援できるよう、今後も手続きの効率化やサービスの充実に取り組む。日本の商品の海外市場における販売機会の拡大を通して、日本の中小企業のさらなる発展に貢献していく。(アマゾンジャパン 露木氏)
グローバルのEC化率、2025年に24.5%
経済産業省の「2021年度電子商取引に関する市場調査」によると、世界のEコマース小売市場規模は4.92兆ドルで、今後も拡大が見込まれる。
また、小売市場におけるECの割合を示すEC化率は、2025年に24.5%にまで上昇すると予測されている。JETROの調査によると、海外ビジネスに関心が高い日本の中小企業で「国内外での販売でECを利用したことがある」のは35.5%。一方で「今後利用を拡大する」と回答した企業は41.1%となっている。
独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)の曽根一朗理事は、次のように話している。
ECを活用して海外にチャレンジする中堅・中小企業のすそ野を広げたいという思いで、「JAPAN STORE」を2021年に米国のAmazon.com、2022年に英国のAmazon.co.ukに設けた。多くの日本企業にデジタル技術を活用して、海外進出に挑戦してほしい。今後も「JAPAN STORE」を通じた企業支援を行っていく。