「とらのあな」、DX事業の流通総額は前期比7%増の331億円【2023年度】
同人グッズの流通・販売を手がける虎の穴。2023年度に流通額・ユーザー数が成長した要因とは?
ユメノソラホールディングスのグループ会社で、漫画、アニメ、同人誌、キャラクターグッズなどの委託流通や店舗運営事業を行う虎の穴は、2023年度(2022年7月-2023年6月)のDX事業における流通総額が前期比7%増の331億円、サービス登録ユーザー数は同30%増の1485万人に達したと発表した。
オンライン注力で流通額アップ+ユーザー数増加
流通総額は、通信販売事業とクリエイター支援プラットフォーム「Fantia」を運営するファンティア事業を合算した数値。DX化を推進し、オンラインサービスに注力したことが好影響となり、流通総額、サービス登録ユーザー数ともに堅調に推移した。
2023年度は、通販・委託サービスの利便性向上を目的として、同人誌流通事業で主に以下の機能改善を行った。
- 商業商品レビュー機能の実装
- アイ・エイチサービスが手がける同人誌の配送、保管サービス「HakoBook」との連携による同人誌発送の手間の軽減
- 購入制限付きの限定販売サービス「シークレット販売NEO」のリリース
- 新刊の告知・予約開始日時設定機能の実装
- 「とらのあな通販」でサークル会員登録をした人が利用できる「サークルカードポイント」の、「とらコイン」(「とらのあな通販」「Fantia」で商品の購入時に利用できるチャージ式Webマネー)交換対応
店舗は、拠点再編として秋葉原店などを閉店した一方で、大型商業施設での出店店舗(インショップ店舗)を20店舗に拡大している。
ファンティア事業では、「メッセージ、コメント機能のアップデート」「ログイン機能の実装」「違法アップロード対策の取り組み」などの機能改善を進めた。
このほか、クリエイターの創作と発表の活動を支援するために、印刷会社との連携による「ゼロエン印刷」(虎の穴が同人誌の印刷代を立て替える支払いサービス)を中心とした出版支援などを実施している。
「物流拠点移転」「通販システム高速化」を起点に事業強化を加速
虎の穴は、DX推進と事業のグローバル化を通じて、クリエイターの活動機会やエンドユーザーのファン拡大を図っている。その一環として、推進している物流拠点の移転とDX化による通販システムの高速化を皮切りに、主に下記の計画を進める予定。
- 物流拠点の移転(2023年秋)およびDX化による配送と荷受けの早期化
- 「ファンティア」登録カテゴリの拡大と新しいクリエイティブ活動支援サービスの強化
- ファンティア株式会社の単独事業会社化による事業成長スピードの向上
- 同人誌販売とクリエイター支援事業双方での海外需要の獲得およびアジア圏マーケットの開拓強化
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