【AIチャットボットの導入・運用実態】「顧客満足度が向上した」は6割超。多くが業務工数の大幅削減を実感
PRIZMAが実施したAIチャットボットの導入実態と顧客満足度に関する調査によると、6割以上の企業がAIチャットボットの導入後、顧客満足度が「向上した」と感じていることがわかった。また、業務工数が3割以上削減されたと実感している割合は計76.6%だった。
調査対象は企業のカスタマーサポート担当者、AIチャットボットのオペレーター、企業の経営層501人で、調査期間は2025年4月3日~4日。
カスタマーサポート業務の課題1位は人手不足
現在のカスタマーサポート業務において感じている課題を聞いたところ、最も多かったのは「対応件数の増加による人手不足」で45.7%。続いて「24時間対応が求められる」が39.5%、「対応に時間を取られ、重要な業務に集中できない」が36.1%、「オペレーターの負担が大きく、離職率が高い」が28.9%だった。

37%がAIチャットボットを導入
カスタマーサポート業務におけるAIチャットボット導入の有無を聞いたところ、「現在導入を検討中」が最多で42.3%。「導入済み」が37.5%、「導入の予定なし」が20.2%で続いた。

6割超の企業が顧客満足度アップを実感
AIチャットボットを導入済みと回答した人に顧客満足度の変化を聞いたところ、顧客満足度が「向上した」が46.3%、「大幅に向上した」が17.6%。ポジティブな変化を感じている企業が6割を超えており、AIによる対応が顧客体験の改善に一定の成果をもたらしていることがわかった。
「変わらない」は29.8%、「低下した」は4.8%、「大幅に低下した」は1.6%だった。

3割~8割近くの工数削減を実感
AIチャットボットを「導入済み」と回答した人に、AIチャットボットの導入で業務工数がどの程度削減されたか聞いたところ、最も多かったのは「30〜49%削減」で33.5%。「50〜79%削減」が30.3%で、3割~8割近くの工数削減を実感する企業が多いことがわかった。3割以上削減したと回答した企業は合計で76.6%となっている。
PRIZMAは「業務の一部をAIに任せることで、担当者がより付加価値の高い業務に注力できる環境が整いつつある」と考察している。

導入の理由は「業務効率向上」「人件費削減」
AIチャットボットを「導入済み」「現在導入を検討中」と回答した人に、導入を検討したきっかけを聞いたところ、最多が「業務効率を向上させたい」で57.3%、続いて「人件費を削減したい」が48.0%、「顧客満足度を向上させたい」が35.0%、「DX推進の一環として」が30.8%だった。

AIが担う対応は「よくある質問」「トラブル対応」
AIチャットボットを「導入済み」と回答した人に、AIチャットボットが最も多く対応している問い合わせの種類を聞いたところ、最も多かったのは営業時間・料金・サービス内容などの「よくある質問」で53.2%、続いて「商品・サービスのトラブル対応」が48.4%、「購入や契約に関する案内」が39.9%だった。パターン化しやすい問い合わせを中心に、AIが顧客対応の一部を担っている実態がうかがえる。

AIチャットボット未実装層では半数近くが1~2年以内の導入を検討
AIチャットボットの「導入を検討中」または「導入の予定なし」と回答した人に、今後の導入意向について聞いたところ、「導入の予定はない」が33.2%だった一方、「1~2年以内に導入を考えている」が最多の48.6%、「すぐに導入を検討したい」が18.2%だった。

課題は導入コスト/運用コストの高さ
AIチャットボットの導入を検討中と回答した人に、AIチャットボットの導入や運用で直面・懸念している課題について聞いたところ、最も多かったのは「初期導入コストの高さ」で43.6%、続いて「維持・運用コストの継続的な負担」が38.0%、「精度が低く、誤った回答をするリスクがある」が37.0%だった。

導入時に最も重視する要素は「回答精度・学習機能」
AIチャットボットの導入を検討中と回答した人に、AIチャットボット導入を決める際に重視する要素について聞いたところ、「回答精度・学習機能(自然な受け答えができるか)」が最多の39.0%、続いて「運用コスト(維持費用がかからない)」が37.0%、「初期導入コスト(導入費用の安さ)」が33.0%だった。

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