ライブ配信をきっかけに「商品を購入した」「購入を検討した」視聴者は3割超。視聴プラットフォームは「YouTube」が最多の85%
PRIZMAが実施した「ライブ配信を活用したリアルタイムマーケティングに関する調査」によると、配信中に紹介された商品やサービスについて、3割以上が「購入した」または「購入を検討した」と回答した。
企業のマーケティング・PR担当者、ライブ配信を視聴したことのある10~60歳代の一般視聴者509人を対象に調査を実施した。
85.3%が「YouTube」でライブ視聴
ライブ配信を視聴するプラットフォームについて聞いたところ、最も多かったのは「YouTube」で85.3%、続いて「Instagram」が38.5%、「TikTok」が28.2%だった。
PRIZMAは「『YouTube』は主戦場としての地位を築いていることが明確となった一方、『Instagram』や『TikTok』といったSNS型プラットフォームも一定の利用率を持ち、特に若年層を中心に“日常に溶け込んだ視聴体験”が普及している様子がうかがえる」と指摘している。

4割以上が「音楽・ライブ」を頻繁に視聴
よく視聴するライブ配信のジャンルは、「音楽・ライブ」が40.5%で最も多く、続いて「雑談・Vlog」が32.1%、「ゲーム実況」が26.2%だった。
「食品・グルメ」は16.3%、「美容・コスメ紹介」は14.7%、「アパレル・ファッション」は11.5%となっており、販促性の高いジャンルは相対的に低い割合にとどまっている。
PRIZMAは「購買誘導を目的としたライブ配信が必ずしも“視聴習慣の中心”にはなっていないことを示しており、販促系配信は“特定の関心層に届ける工夫”が重要。まずは“エンタメとして楽しめる設計”を起点に、その中で商品を自然に取り込むスタイルが求められているのかもしれない」と考察している。

「商品を購入した」「購入を検討した」視聴者は3割超
ライブ配信中に紹介された商品やサービスの購入経験について聞いたところ、「はい」が15.9%、「購入を検討したことがある」が17.1%、「いいえ」が67.1%だった。PRIZMAは「一定割合の視聴者が“気になって購入・検討”している点は注目すべきであり、工夫次第ではリアルタイム販促の効果を引き上げる余地もある」と指摘している。

EC・小売では67%が「ライブ配信施策を実施したことがある」
業種別に、これまでにライブ配信を活用したプロモーション施策の有無について企業担当者に聞いたところ、「EC・小売」が67.5%、「エンタメ・メディア」が68.3%、「旅行・観光」が66.7%だった。PRIZMAは「これらの業界では、商材やサービスの“見せやすさ”“体験の訴求しやすさ”といった特性が、ライブ配信と相性良く作用していると考えられる」と指摘している。
また、「美容・健康・フィットネス」は60.9%、「教育・オンライン講座」は57.1%で、これらの業界でも6割前後が実施済みと回答している。
ライブ配信の目的、EC・小売では34%が「認知拡大」
ライブ配信において重視した、または重視したいKPI・目的についても業種別に聞いたところ、「EC・小売」では「商品・サービスの認知拡大」34.2%、視聴者からのコメントや「いいね」などの「エンゲージメント」が25.8%、「購買促進」が19.6%、「ブランドイメージ向上」が12.9%となった。

調査概要
- 調査期間:2025年5月20日~21日
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:企業のマーケティング・PR担当者/ライブ配信を視聴したことがある10~60歳代までの男女509人
- モニター提供元:PRIZMAリサーチ