鳥栖 剛[執筆] 8/8 8:30

業績立て直しを急ぐ千趣会は2月に2025年12月期から2027年12月期までの3年間を対象とした再生計画を公表。2026年12月期の営業黒字転換、2027年12月期には売上高500億円、16億円の営業黒字を計画している。2025年1-6月期(中間期)の取り組みをまとめた。

黒字転換をめざす千趣会の再生計画。2025年中間期の現状と進捗状況は?
千趣会の再生計画(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

再生計画では「通販事業の抜本改革」「通信販売アセットを活用したビジネスの拡大」「新たな収益源の開発」を掲げ、再生に向けた施策を進めている。

通販事業の抜本改革

「ターゲットの明確化」「商品力の向上(商品×マーケティングの最適化)」「世代別顧客に対応した細やかなMDの構築」を実行。ターゲットを明確にして「世代別」に事業ドメインを再編した。

1ブランド・マルチターゲットで展開してきた「ベルメゾン」を、世代別に3つの事業ドメインに再編した。「With Family(子育て世代)」「Around 50(団塊ジュニア世代)」「Grand Generation(シニア世代)」に分類し、それぞれの世代に特化した商品開発、マーケティングを展開。最新トレンドを捉えた新商品の投入、新鮮で共感性の高い売り場作りを進める。

マーケティングに基づき各世代の顧客に適切な商品を適切な売場で提案できるよう体制を構築。コアターゲットごとの事業戦略とMD施策を策定、実行を開始した。2025年7-9月期(第3四半期)以降は、コアターゲットごとの事業戦略に応じた商品展開やマーケティングの本格実施、ベルメゾンネットの再編やカタログのリニューアル、ラインナップの見直しなどを実施するという。

黒字転換をめざす千趣会の再生計画。2025年中間期の現状と進捗状況は?

通信販売アセットを活用したビジネスの拡大

販売ポテンシャルを最大化するため、ECモール・リアル店舗を2024年12月期以上に注力。また、保険・株主優待・広告・法人受託などのBtoBを強化することで収益基盤の多角化を進めている。なお、リアル店舗、BtoBの法人受託は堅調に推移しているという。

2027年度にECモール出店店舗の売り上げは2024年度比5割超、リアル店舗も同2割超、法人事業の通販支援事業は2027年度に同5%増、保健事業は同2割増をめざす。第3四半期以降はECモールでのギフト対応など新たなサービスの実装、BtoBの保険セミナーの展開強化、卸の販路拡大などに注力していくとしている。

新たな収益源の開発

子育て支援事業、エシカル推進事業、海外展開の可能性を検討。子育て支援事業ではインクルーシブ(障がいを持つ方など向け)に着目し、商品を開発できる可能性の検証に向けた方針を作成したという。

エシカル推進事業では不要な衣料品の宅配買取サービス「kimawari_fashion」を第3四半期中に終了。これに代わる事業プランの再検討を実施している。海外販路の拡大戦略も引き続き検討するとしている。

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