鳥栖 剛[執筆] 9:00

コンタクトセンター向けCXソリューションを開発・提供するモビルスは9月9日、「LINE公式アカウント」を友だち追加している男女655人を対象に実施した「消費者のLINE公式アカウントの利用実態調査2025」の結果を発表した。

それによると、60代以上のLINEの利用率が過去5年で10%増加し約7割に達した。また、20代ではチャットによる問い合わせやID連携を活用した手続き利用が進んでおり、LINEは「情報を受け取る」だけでなく「操作を完結できるツール」としての側面が高まっている。

普段利用しているSNS

最も利用されているSNSは「LINE」(67.9%)で、「X」(45.1%)、「Instagram」(40.7%)、「TikTok」(22.3%)が続いた。「LINE」は特に60代以上での利用が進んでおり、2020年から5年間で57.9%から69.0%へと約10ポイント増加。アクティブシニア層での利用が拡大している。

20・30代では「LINE」の利用率がやや低下傾向にある一方で、「X」「Instagram」、特に「TikTok」の利用が大きく伸びた。2020年と比較すると、20代では「TikTok」が16.9%から37.6%へ、30代では9.3%から27.3%へと拡大し、若年層を中心に急速に広がっている。

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割
最も利用されているSNSは「LINE」で67.9%

友だち追加をしているLINE公式アカウントの業種

最多はショッピング(58.6%)、次いで飲食(50.5%)だった。ショッピングについて年代別に見ると、20代では43.3%と全体平均より低い。一方で、30代から60代以上ではいずれも6割前後に達しており、特に中高年層での利用が目立つ。

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割
最多はショッピングで58.6%

LINE公式アカウントを友だち追加した後の行動

最多は「クーポンやキャンペーン情報を利用」(52.4%)。続いて「メッセージを読んだ」で、60代以上が56.1%と最も高い。20代(44.4%)、30代(42.0%)、40代(42.0%)は全体平均を下回り、年代によって利用傾向に差が見られた。

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割
最多は「クーポンやキャンペーン情報を利用」が52.4%

LINEによる問い合わせ

「チャット(テキスト)でオペレーターに質問や問い合わせをした」は、20代で24.8%、30代で21.4%だった。「チャットボット(自動応答)に質問や問い合わせをした」では、20代で25.6%、30代で26.0%と4人に1人以上が活用しており、「ID連携をして会員情報の変更など本人確認を伴う手続きをした」は20代で21.8%、30代で26.7%だった。

若年層は、クーポン取得やメッセージ閲覧といった使い方だけではなく、問い合わせ手続きといった能動的な活用も積極的であることがわかった。

LINE公式アカウント上でオペレーター(有人チャット)やチャットボットに質問や問い合わせをした経験のある回答者に対して、便利かどうかを聞いたところ、有人チャットでは95%が「便利」と回答。チャットボットに関しても94%が「便利」と答えた。

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割
9割が有人チャット・チャットボットを便利と回答

「LINE公式アカウント」上で、チャットを通じて質問や相談ができたら利用したいか聞いたところ、57%が利用したいと回答。年代別で見ると、20代は75.2%、30代は70.2%と特に高く、若年層を中心にLINE公式アカウント上での問い合わせニーズが高い。

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割
約6割がLINE上でチャットや相談・質問をしたいと回答

LINE公式アカウントのブロック経験

ブロック経験者の割合は70%。年代別に見ると、最多は20代で85.0%、30代は74.8%と若年層で高い傾向がある。

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割
LINE公式アカウントのブロック経験ありが7割

ブロックした理由は、「情報配信の頻度が多すぎるから」(26.5%)が最多、次いで「アカウント整理のため」(25.2%)だった。 年代別傾向では、60代以上は「情報配信の頻度が多すぎるから」が30.9%と最も高く、高齢層ほど「適切な配信頻度」への期待が大きい。20代では「問い合わせできないから」(8.0%)、40代では「キャンペーンやLINEスタンプ配信期間が終了したから」(20.7%)、50代では「有益な情報は来ないから」(23.3%)といった理由があがっている。

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割
ブロックした理由は「情報配信の頻度が多すぎるから」が最多

ブロックせずに使い続けたいと思う条件を聞いたところ、6割以上が「ある」と回答。調査結果を分析するとポイントは主に3つで、「継続的なクーポン配布やキャンペーン」「情報配信の適切さ」「実用性・利便性」だった。モビルスは「LINE公式アカウントに求められていることは、一方的な情報発信ではなく、自分にとって価値のある情報が、ちょうどよいタイミングと頻度で届くことだと考えられる」とした。

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割
LINE公式アカウントをブロックせずに使い続けたいと思う条件

直近1年間で友だち追加したLINE公式アカウントの業種

最多はショッピング(36.2%)、次いで飲食(33.0%)、サービス(32.3%)だった。20代が他の年代よりも多く追加していたのはサービス(32.3%)、職業紹介(23.3%)、インフラサービス(18.8%)。20代は利便性や情報収集手段としてLINE公式アカウントを積極的に活用している。

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割
直近1年間で友だち追加したLINE公式アカウントの業種はショッピングが最多

LINE公式アカウントを友だち追加した目的

「LINEスタンプ・クーポンが欲しかったから」が最多で約5割(49.8%)。特に40代では60.0%と他の年代に比べて高い。一方、20代では、「商品やサービスについてオペレーターにチャットで質問するため」が19.3%、「商品やサービスについてLINEでの電話をするため」が19.3%と、全体平均(11.2%、11.8%)を上回った。

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割
LINE公式アカウントを友だち追加した目的は、「LINEスタンプ・クーポンが欲しかったから」が最多

企業やお店などとのコミュニケーション手段として、LINE公式アカウントは便利だと思うか聞いたところ、8割(80.2%)が「便利」と回答。年代別では20代(83.5%)、30代(82.4%)、60代以上(80.3%)と、8割以上に達した。

【LINE公式アカウント調査】60代以上のLINEの利用率が約7割。20~30代は低下傾向、「TikTok」が大きく拡大。友だち追加した業種は「ショッピング」が最多で6割
8割がLINE公式アカウントは便利と回答

調査概要

  • 調査名:消費者のLINE公式アカウントの利用実態調査2025
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2025年6月5~11日
  • 調査対象:全国の20~60歳以上の男女655人
  • 調査方法:Fastask(ジャストシステム提供)でインターネットアンケート調査を実施
  • 有効回答数:655サンプル
  • 調査企画:CX-Branding Tech. Lab(モビルス)
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