通販新聞 2016/3/24 8:00

前年比で50%増の成長率を続けていく」。ヤフーが運営する仮想モール「ヤフーショッピング」は今年も“攻め”の戦略を展開していく。3月3日に都内で開催した「ヤフーショッピング」の優良店を表彰する「ヤフーショッピングベストストアアワード2015」の表彰式にヤフーの仮想モール事業を統括する小澤隆生ショッピングカンパニー長が登壇し、「ヤフーショッピング」の現状と今後を説明した。

小澤氏「150%成長を維持し続けたい」

小澤氏は現状の「ヤフーショッピング」について「お客様にとって『ヤフーショッピング』を使う意味を作ることを今期は一生懸命、進めてきた。出店数は38万店、取扱商品数は1.9億点と日本最大規模の仮想モールとなった。たくさんの商品がお得に買えるようにするため、『いい買物の日』などの大型セールやポイント増量施策を行い、それをテレビCMで告知する手法を初めて行った。また、(有料会員制度の)ヤフープレミアム会員へポイント5倍付与など利用促進策で、(会員の)購入率が従来の2倍以上となるなどで、ジャンルで言えば(前年同月比で取扱高の伸びが)『スマホ、タブレット、パソコン』が約270%、『テレビ、オーディオ、カメラ』が約190%の成長と大きく伸びた。こうした型番商品はどこで購入しても同じで、ポイント還元率の高いところで購入しようとする傾向が高く、ポイント効果が顕著に出ている。また、貯まったポイントの使い道として『食品、ドリンク、お酒』が売れ、同ジャンルの成長率も170%となっているなど好循環が生まれている。また、『DIY、工具、文具』も180%と高い成長で、月商1億円を超える店舗も昨年よりも倍増した」とし、その結果、「『ヤフーショッピング』(と子会社のアスクルの通販サイト『LOHACO』の取扱高合計)の(10~12月の)流通総額は前年同期比48%増と大きく伸びてきた」と現状を説明した。

ヤフー検索の結果からYahoo!ショッピングへの誘導を強化する。小澤氏が2016年の構想を語る
「ヤフーショッピング」の現状と今後を説明する小澤隆生氏

一定の成果が出てきたことで、現状の戦略を踏襲しつつ、さらなる攻めに打って出ていく。

まず3月25日から7日間に渡って大型セール「すごい!年度末セール」を実施する。昨年、成功したポイント増量を軸に、テレビCM告知を組み合わせる手法で展開する模様。また、6月には昨年は実施していない新たな大型セール「Yahoo!JAPAN20周年感謝祭」を行う計画。現状、日程は確定していないが5~7日程度、行う計画だ。昨年からスタートした11月の大型セール「いい買物の日」は今年も同時期に開催する予定でこれらを合わせて大型セールを年間で5回程度、行っていくとする。

また、「早ければ来期早々(今年4月)にもテストを開始し、結果を見ながら下期から本格化する」(小澤氏)というヤフーのウェブ検索「Yahoo!検索」を活用して「ヤフーショッピング」に利用者を誘導する新たな試みを実施する。詳細は不明だが検索結果画面の上部に売れ筋ランキングなど各ジャンルの商品情報を検索キーワードに応じて掲載するようにし、モールへの新しい導線などを設ける模様。

さらに早ければ来上期(4~9月)中にも出店者向けに販促支援ツールの提供を始める。昨年末に子会社のバリューコマースが買収したデジミホのCRM支援ツール「アールエイト」をベースにウェブ接客の機能など付加。顧客属性に合わせて割引クーポンの付与など購買意欲を高める施策を「これまでは手作業だったが事前の設定通りに自動的に行えるようになる」(小澤氏)とし、出店者の販促を支援する。

このほか、購買意欲が高く、現状、「ヤフーショッピング」での購入シェアの56%を占めるという「ヤフープレミアム会員」へのポイント5倍付与などの昨年からの利用促進策を引き続き強化する一方、特定層への利用促進策を“横展開”。グループのソフトバンクの携帯電話契約者や「Tポイント会員」などにポイント増量策などの利便性を付加し、利用促進。優良顧客化していく狙い。

販促施策の一方で出店者数の急増で問題化する不良店対策にも本腰を入れる退店基準の強化や評価の低い店舗の商品の検索順位を大きく下げるなど、不良店へのペナルティを強めていく考え。「不良店が全体の足を引っ張り、クオリティを落とす。厳正なルールを設けて、安心できるショッピングモールにしたい」(同)という。

今期第3四半期(10~12月)の「ヤフーショッピング」と「LOHACO」の合計取扱高は前年同期比48%増と高伸したが、第4四半期(1~3月)も同程度の伸びとなる見込みで、来期も「150%成長を維持し続けたい」(小澤氏)とする。

なお、「ヤフーショッピング ベストストアアワード 2015」の総合グランプリは上新電機の「Joshin web」が受賞。今回から創設した「Yahoo!ショッピング」でその年1年間の成長率などを勘案して選出した「Yahoo!ショッピング大賞」はクローバーの「家電と住設のイークローバー」が受賞した。

「通販新聞」掲載のオリジナル版はこちら:
ヤフーショッピング、今年も"攻め"に 大型セールや検索誘導強化で成長持続へ(2016/03/10)

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