住商、アパレルウェブのシンガポール子会社に出資、アセアン向けファッションECモールの運営へ

近くECサイトを立ち上げ、今秋には日本企業が出店できる機能を追加、アセアン向けにファッションを販売するモールとして展開

瀧川 正実

2014年6月27日 8:17

住友商事がアジアのEC市場で攻勢をかけている。6月26日、アパレル企業向けマーケティング支援のアパレルウェブのシンガポール子会社「AWCG PTE. LTD.」に出資したと発表、近くECサイトを立ち上げる。同子会社は現地で実店舗を運営しており、そこで販売する商品をECサイトで展開。今秋にはアパレル販売の日本企業が出店できるモール機能を追加し、幅広い商品を日本から直接アセアン地域の消費者に届けるようにする。住友商事はすでに中国、インドネシアなどでECを展開しており、将来的にはアジア地域で1000億円規模のEC売上高を目指している。

「AWCG PTE. LTD.」は日本ブランドの海外進出サポートを行う海外子会社としてアパレルウェブが2011年8月に設立。シンガポールでアパレルを実店舗「JRunway」を展開、累計客数は5万人を超える。

住友商事は今回の出資で、「AWCG PTE. LTD.」の47.4%の株式を保有する第2位株主になる。アパレルウェブの保有率は50.0%。

出資を機に近く、ECサイト「Shop.JRunway(ショップドットジェイランウェイ)」を立ち上げる。「JRunway」で販売する商品を展開するECサイトとしてスタート。今秋にはアパレル販売企業が出店できる機能を追加し、アセアン地域にアパレルを販売するモールとして展開する。

「AWCG PTE. LTD.」はシンガポールの郵便事業会社であるシンガポールポスト社と業務提携を締結しており、アセアン地域への配送は同社が担当。モールに出店する日本のアパレル企業は、商品を国内の指定倉庫に納品するだけで、アセアン全域への販売が可能になる。

「AWCG PTE. LTD.」は実店舗と無店舗事業のシナジーを生かし、5年後には売上高150億円まで拡大させる。

住友商事はアセアン地域での小売り事業を中長期戦略の1つに掲げている。タイではテレビ通販最大手ジュピターショップチャンネルとテレビショッピング事業を展開。インドネシア、マレーシア、ベトナム、中国では子会社などを通じてEC事業をすでに手掛けている。消費が拡大するアジア地域の需要を取り込むむことで、アジアにおけるEC関連の売上高を1000億円まで引き上げる。 

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