紀伊國屋書店がアジア地域でのECを本格化、年内に6か国で店舗連動型のネット通販を開始

ソフトウエア会社と昨年立ち上げた合弁会社を通じ、8月にシンガポールでECサイトを開設。年内中にマレーシア、タイなどでもECサイトを運営する

瀧川 正実

2014年6月4日 19:39

紀伊國屋書店は8月から、アジア地域でのECを本格化する。ソフトウエア会社と昨年4月に設立した合弁会社を通じ、8月にシンガポールでECサイトを開設。年内中にマレーシア、タイ、台湾、オーストラリア、UAEでもECサイトを運営する。紀伊國屋書店がアジア・オセアニア・中東地域で展開する海外店舗と連携。店頭在庫の活用や店舗イベントとネットを連携したO2O(オーツ―オー)施策も展開する。

アジア地域でのECは、ソフトウエア開発事業のインフォシティと昨年4月に設立した合弁会社、アジアンベイシスが手掛ける。5月12日に官民出資の投資ファンドである産業革新機構とアジアンベイシスの間で出資契約を締結。産業革新機構はアジアンベイシスに6億円を出資する。

アジアンベイシスの資本金・資本準備金は、紀伊國屋書店の出資も含めて9億1000万円。今後事業の継続的な拡大を実現するため、今後3年をめどに産業革新機構が最大9億円、紀伊國屋書店が2億円の追加出資を行う予定。

年内に開設予定のシンガポール、マレーシア、タイ、台湾、オーストラリア、UAEの各現地言語対応のECサイトでは、紀伊國屋書店がアジア地域で展開する26店舗の実店舗と連携。O2O施策にも取り組み、先行する店舗ビジネスとの相乗効果を図る。

各ECサイトでは書籍のほか、日本の優れた文化・生活関連商品、アーティストグッズなど、いわゆるクールジャパンと呼ばれる商材を取り扱う。将来的には電子書籍の販売も行う方針。日本や海外現地企業の参画を募り、商品ジャンルや取り扱い点数の拡大を目指す。 

紀伊國屋書店は1996年に開設したインターネット書店「BookWeb」は海外向けにも運営。シンガポールの「BookWeb SINGAPORE」など数か国で展開している。 

アジアでのECはアジアンベイシスが中心に手掛け、産業革新機構は出資や経営面でサポート。紀伊國屋書店は出資のほか、商標やノウハウなどを提供。インフォシティは出資、ネットを中心としたサービス構築に関するサポートを手掛ける。

この記事をシェアしてほしいタヌ!

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る

企画広告も役立つ情報バッチリ! Sponsored

「サムソナイト」「グレゴリー」のEC改善事例。CVR改善+購入完了率が最大45%増の成果をあげたアプローチとは 11月12日 7:00 スマホゲーム「モンスト」ファンがお得にアイテムを購入できる「モンストWebショップ」はなぜ「Amazon Pay」を選んだのか。導入効果+UI/UX向上に向けた取り組みを聞いた 10月30日 7:00 アンドエスティが「3Dセキュア2.0」の超効率的運用に成功したワケ。オーソリ承認率大幅改善、売上アップにつながった不正対策アプローチとは? 10月28日 7:00 EC業界で市場価値を最大化する――「全体を見渡せる人材」になるためのキャリア設計 10月27日 7:00 転売ヤーが引き起こすEC市場の混乱に立ち向かう! Shopifyパートナー・フラッグシップが提案する最新対策 9月29日 8:00 14か月で累計売上30億円超え。 韓国のネイルブランド「ohora」の急成長を支えたEC戦略とは 9月22日 8:00 生成AI検索が変える消費者の購買行動。UGC活用でサイト流入を最大化する 9月10日 8:00 ほしい商品が見つからないイライラを解消し、CVRを向上! 検索機能強化と顧客満足度アップを実現するBtoB-ECサイト改善のポイントとは? 9月9日 7:00 B向けEC担当者必見。BtoBビジネスを成功に導くサイト内検索の最適化戦略 9月3日 8:00 クリック率3倍、セッション数2.3倍を実現したECサイトの取り組みとは? リアル店舗のような“ワクワク感”を再現するPLAZAの事例 9月2日 7:00