ニッセンHDがジュエリー子会社2社を売却、「選択と集中」進める
ニッセンホールディングスは4月28日、ジュエリー事業を手掛ける100%子会社2社を売却した。業績の立て直しを図るため、事業の選択と集中を進める。
売却した子会社は、ブライダルジェリーなどを全国11店舗で販売しているトレセンテと、ダイヤモンドの輸入やジュエリーの製造販売を手掛けるオリエンタルダイヤモンドの2社。
トレセンテの全株式をアパレルECの夢展望に売却。オリエンタルダイヤモンド株は、事業再構築支援や動産担保融資などを行うゴードン・ブラザーズ・ジャパンに売却した。
夢展望はトレセンテとのシナジー見込む
夢展望はWeb広告やECサイト運営のノウハウを活用し、トレセンテの集客構造を改善して顧客数の増大と売上向上を図る。夢展望グループの会員顧客約160万人の中には未婚者の割合が高いことから、顧客基盤を生かしてトレセンテとのシナジーも見込めるとしている。
トレセンテの2017年2月期における売上高は、前期比2.7%増の12億8100万円。少なくとも直近3期は最終赤字を計上しており、2017年2月期末時点で債務超過。夢展望によるトレセンテ株式の取得価額は1円で、アドバイザリー費用は約1900万円だった。
オリエンタルダイヤの売却先はゴードン・ブラザーズ
ゴードン・ブラザーズ・ジャパンは宝飾品事業のノウハウをオリエンタルダイヤモンドに注入し、中長期的な視点でオリエンタルダイヤモンドの企業価値の向上を図る。
国内におけるブライダルジェリーの営業協力や在庫買取、動産担保融資などのファイナンス支援の知見を生かす。グローバルネットワークを活用し、海外への事業展開もサポートする。
ニッセンHDの業績、今期は大幅改善の見通し
セブン&アイ・ホールディングスの2017年2月期連結決算によると、ニッセンHDの事業である通信販売事業は、営業収益が1392億2600万円(前年同期比12.3%減)、営業損失は150億円9700万円だった(決算期を12月20日から2月末に変更したことにより、14か月決算となる)。
セブン&アイは今期(2018年2月期)から事業セグメントを変更し、赤ちゃん本舗やロフトなどを含む専門店事業を新設。通信販売事業は、専門店事業にセグメントされる。
専門店事業の今期営業損失は17億円を予想。新セグメントで2017年2月期業績を見てみると、専門店事業の営業損失は112億円となる。ニッセンHDの赤字が足を引っ張っている状況だが、今期は大幅に改善される見通しを示している。
ニッセンHDは従来の総合カタログ媒体を見直し、ネット誘導を目的とした新たな紙媒体活用モデルへのシフトを推進。4月6日には新規事業としてファッションECモール「Alinoma (アリノマ)」をグランドオープンしている。