オイシックス、宅配事業の流通総額400億円突破に向け5つの施策を計画

M&Aにより中期計画で掲げた流通総額目標を1年前倒しで達成する見通し。

渡部 和章

2017年5月15日 11:30

有機野菜などのECを手掛けるオイシックスは今期(2018年3月期)、宅配事業の流通総額を400億円以上に引き上げる。前期比1.5倍以上の水準。

主力事業の「Oisix.com」の商品開発強化、生産設備の増強を進めるほか、2017年3月に連結子会社化した「大地を守る会」が業績拡大に寄与する。中期計画で掲げた流通総額400億円を1年前倒しで達成する見通し。

2017年3月期の流通総額は254億円。内訳は「Oisix.com」が約210億円、食品の移動販売を手がける「とくし丸」が約36億円、その他が約10億円。

2018年3月期は5つの施策によって流通総額を大幅に増やす。

オイシックスの流通額推移および見込み

オイシックスの流通総額推移(画像は編集部が決算資料からキャプチャ)

1. 事業ポートフォリオの強化

3月31日に食品宅配大手の「大地を守る会」を連結子会社化。2018年3月期は同社の流通総額(2016年3月期の売上高は約135億円)が上乗せされる。

買収により、手薄だった高品質の食材を求める40~60代の消費者に客層が拡大。商品の相互供給による客単価向上など相乗効果も見込む。2社は今秋をめどに経営統合する予定。

2. 新商品開発を加速

レシピ付き献立キット「Kit Oisix」のメニューを強化する。手軽に旬の食材を楽しめるセットや麺料理のマンネリを防ぐ麺セット、 料理が苦手な人向けのセットなどを開発・提供していく。

3. 生産設備の増強

Kitサービスのさらなるニーズ拡大を見据え、製造工場を新設する。生産能力は従来比2.5倍に拡大する予定。大地を守る会の製造拠点も統合し、供給の安定と生産効率の向上を図る。

4. リアル店舗を活用したブランド強化

「Shop in Shop」の既存19店舗をリニューアルし、採算性を精査して3店舗を閉鎖。今後はオムニチャネルの施策も実施し、さらなる成長をめざす。また、初の駅ナカショップとして埼玉・エキュート大宮に「OisixMarket」を4月7日に出店した。

5. ローソンとの取り組み

ローソンで「Kit Oisix」や大地野菜を販売することや、移動販売事業での提携、物流インフラや配送網の相互利用などについて幅広く協議する。

オイシックスの2017年3月期における売上高は230億1600万円。今期の売上高計画は前期比65.1%増の380億円に見込んでいる。

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