新型コロナで需要増のオイシックス・ラ・大地は売上710億円で11%増、営業利益は6.7%増の約25億円【2020年3月期】
食品宅配大手のオイシックス・ラ・大地の2020年3月期における連結売上高は、前期比11.0%増の710億4000万円だった。営業利益は同6.7%増の24億6700万円。
ミールキットの需要拡大などでOisix事業の売り上げが伸びたほか、2020年3月以降は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛で宅配の需要が高まっているという。
新型コロナウイルスの影響で、国内宅配事業を中心に売上高が約9億円、利益は約2億5000万円の押し上げ効果があったとしている。
なお、前連結会計年度(2019年3月期)は「らでぃっしゅぼーや」を吸収合併した影響で、「らでぃっしゅぼーや」の13か月間(2018年3月~2019年3月)の損益を業績に計上。「らでぃっしゅぼーや」の2018年3月度の損益を除外して業績を比較すると、2020年3月期の売上高は前期比13.8%の増加、営業利益は同10.0%の増加となる。
「Oisix」は21%増収、「大地を守る会」と「らでぃっしゅぼーや」は減収減益
オイシックス・ラ・大地は主に「Oisix」「大地を守る会」「らでぃっしゅぼーや」の3つのブランドで食品宅配事業を展開している。
「Oisix」は増収増益
「Oisix」の売上高は前期比21.0%増の358億2900万円、セグメント利益は同19.0%増の48億100万円だった。
大規模なプロモーション施策や、解約率を低減するための施策を行なったことで、ミールキット「Kit Oisix」のコースを中心に定期宅配サービス「おいしっくすくらぶ」の会員数が増えたという。会員数は2020年3月末時点で前年比18.8%増の24万4740人となり、売上高の増加に寄与した。
「大地を守る会」は3.3%減収
「大地を守る会」の売上高は前期比3.3%減の105億4100万円、セグメント利益は同6.1%減の15億3900万円だった。
新規会員獲得において非効率なチャネル経由での集客を抑制した結果、会員数は2020年3月末時点で前年比7.5%減の3万7188人に減少した。定期会員の購買頻度と購買単価は上昇したが、売上高の減少に伴い固定費の比率が増加し、セグメント利益が減少したとしている。
「らでぃっしゅぼーや」は16.9%減収
「らでぃっしゅぼーや」の売上高は前期比16.9%減の149億8000万円、セグメント利益は同20.2%減の26億6700万円だった。
単価の低い赤字受注の削減に取り組んだ。新規会員の獲得を戦略的に抑制したこともあり、会員数は2020年3月末時点で前年比9.6%減の5万7393人に減少している。
宅配需要の拡大を受け2021年3月期は増収増益を計画
2021年3月期の連結業績は増収増益を見込んでいる。連結売上高の計画は2020年3月期と比べて約10%増の780億円、営業利益の計画は同約22%増の30億円。
「Oisix」ブランドを中心に宅配需要の拡大を見据え、神奈川県内にサテライトセンターを増設するなど物流キャパシティの拡充を図る。また、既存の契約生産者との取引量の拡大や、新規の契約生産者の開拓にも取り組むとしている。