検索はスマホでも予約はPC。64,000円未満ならスマホで決済【アジア9か国 旅行商品ユーザー調査】
Criteoは7月20日、アジア太平洋地域において、旅行商品をオンラインで検索または予約する1,900人の消費者を対象に行った調査結果を発表。旅行商品に関するユーザー行動の傾向や、国ごとの違いがわかる調査となった。
調査によると、2016年に海外旅行を楽しんだ日本人は2,330万人、国内旅行は2億9,920万人だが、年平均成長率は海外旅行が0.5%、国内旅行が0.8%と、市場としてはすでに成熟期の傾向が見られる。
しかし、オンラインによる旅行売上は成長しており、年平均成長率がオンライン売上では12.5%。特にモバイル売上は29%と急増している。
アジアの多くの国における旅行需要は、国内旅行が大半を占めているが、シンガポールではほぼすべてが海外旅行。
一般家庭のスマートフォン所有率は、2020年には80%に達する見通しで(2016年は71.2%)、日本では2020年までに、オンライン旅行予約10件のうち4件がモバイルによる旅行売上になると予測している。
アジア太平洋地域全体では、モバイルによる旅行売上は、2017年にオンライン売上の半分に達しており、特に中国では2020年までにオンライン予約の約4分の3に達するとみられる。
スマートフォンでの検索時にブラウザを利用するか、アプリを利用するかという質問に対しては、オーストラリアはブラウザ比率が高く、韓国や中国はアプリ比率が高いという結果だった。
また、旅行者のほぼ5人に1人が、「デジタル広告に興味を持ち、影響を受けている」と回答した。
旅行に関する意思決定に、最も大きな影響を与えるのは家族と友人知人で、36%が「家族や友人知人の口コミの影響を受ける」と回答した。
また、日本人にとって、旅行商品を購入する際の最も大きな要因は「コストパフォーマンス」。56%が「価格と予算の比較結果に影響を受ける」と回答した。
検索時に最もよく利用するのはスマートフォンだが、予約はデスクトップから行うのが一般的。
スマートフォンでの予約が好まれない理由は「やりやすいから」。
日本人旅行者のほぼ5人に4人は、1件あたり63,999円以下の旅行であれば スマートフォンで予約・決済する。
調査では旅行業界に大きな変化をもたらす年代を「ミレニアル世代」としている。ミレニアル世代とは1980年代初頭から90年代末に生まれ、現在20歳から36歳。幼少期よりデジタルやインターネットに接しており、海外旅行を含め、年に5回ほど旅行を楽しんでいる。
調査では旅行市場をとらえるためのポイントとして、下記の点をあげている。
・ワンストップ型の旅行アプリを提供する
その場でアクティビティを予約できるなど、アプリの機能が多彩であればあるほど、アプリからより多くの 利益を生み出すことができきる。さらに、容易で安全な決済システムがあれば、カートに追加する 段階でユーザを逃がすリスクも減少する。
・デバイスではなく、ユーザーに焦点を当てる
重要なのは、複数のデバイスとプラットフォームにまたがった、シームレスなユーザ体験の提供。
・ミレニアル世代(およびその他の世代)を考慮に入れる
旅行市場を牽引するのはミレニアル世代だが、X世代やベビーブーマーもミレニアル世代の動きに追随する傾向がある。これらの新しいモバイルトラベラーに訴求できるようなマーケティング戦略を策定することが重要。
調査概要
調査国はオーストラリア、中国、インド、インドネシア、日本、シンガポール、韓国、台湾、ベトナムの9か国。調査期間は2017年2月15日〜2月18日。1,900人の消費者を対象に調査を行った。