「Yahoo!ショッピング」が「Apple Pay」を導入へ、50万店超で利用可能に
ヤフーが2017年秋、「Yahoo!ショッピング」に米アップルの電子決済サービス「Apple Pay(アップルペイ)」を導入することがわかった。
「Yahoo!ショッピング」iOS版アプリにて、「Apple Pay」を使って決済できるようにする。出店者の利用スタート時期は10月末の予定だが、「スケジュールは変更となる可能性がある」(広報)。
「Yahoo!ショッピング」の出店者数は2017年3月時点で51万店超。「Apple Pay」を導入しているECサービスは、ショッピングアプリ「BASE」や「minne」など一部にとどまっている。大手ECモールの導入で、「Apple Pay」で買い物をするユーザーが急速に広がる可能性もある。
「Apple Pay」を利用できるのは、プロフェッショナル出店やライト出店含め全ての店舗を予定している。
決済手数料は3.24%。クレジットカード決済と同等の手数料で提供する。
店舗側のリピート施策として重要なメールアドレスの取得について、「店舗側は他の決済と同様、リピート対策できる仕組みを採用し、メールアドレスもユーザー購入に合わせて取得可能」(同)。
「Apple Pay」を導入する理由についてヤフーは、「お客さまにより便利にYahoo!ショッピングをご利用いただくため」と説明している。
「Apple Pay」とは?
iOS端末内にインストールしたアプリケーションやSafariのWebサイト上での買い物時に、あらかじめ登録しておいたクレジットカード情報や配送先情報を活用して決済する支払い方法。
たとえば、「Apple Pay」に対応したショッピングアプリでは、あらかじめ「Apple Pay」に登録したカード情報や住所などを活用してネット通販をすることが可能。個人情報などを入力することなく、「Touch ID」による指紋認証で買い物を完了することができる(iPhoneやiPadの場合)。
「Apple Pay」に必要な情報を登録していない場合、初めて利用する時に、iPhoneやiPad上で請求先、送付先、連絡先といった必要情報を入力すれば、それ以降の利用時は情報入力の手間を省くことができる。
「Apple Pay」は、EC企業側にクレジットカード情報を通知しない仕組みを採用。アップルもカード情報を保有しないため、ECサイトなどから漏えいするといったリスクはない。
ユーザーの端末にはカード情報から生成した各デバイス固有のアカウント番号を発行し、暗号化した状態でデバイス内のセキュアエレメント(セキュリティチップ)でカード情報を保管。
カード番号とは異なる識別番号でひも付けるため、安全性を担保しているという。
App内やSafariのWeb上で支払いをする時は、注文手続きの一環として購入者本人が共有してもよいと認めた情報だけが加盟店側に送信されます。たとえば、購入者の氏名、メールアドレス、請求先住所、送付先住所などの情報です。
EC関係者からは、買い物時の個人情報入力の手間を省きながら、安心・安全性を担保した“新しい買い物体験”を提供できるといった声があがっている。
米アップルによると、自社ECサイトなどへ「Apple Pay」を提供している日本の決済サービスは現在6社(8月9日時点)。
- GMOペイメントゲートウェイ
- BASEの「PAY.JP」
- ソフトバンク・ペイメント・サービス
- ソニーペイメントサービス
- Stripe
- ベリトランス
日本でのiOS端末の所有率は?
MMD研究所が2016年10月に発表した「2016年10月携帯端末購入に関する定点調査」(15歳~69歳の男女6549人が調査対象)によると、iOSの所有率は68.3%、Androidの所有率は26.9%だった。