森野 誠之 2017/12/19 8:00

米Amazonが差額を負担して、マーケットプレイス商品の値引き販売を開始したようです。「マーケットプレイスでは自社が価格を決められる」という常識がくつがえされてしまいました。ユーザーは大助かりなのでここで買うでしょうけど、売る側は迷惑でしかない仕組みかも……。

もはや商品価格を自社で決められない時代

アマゾンが出品者の商品を割引販売する新プログラムの詳細と米国での反響は? | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/4983

まとめると、

  • 「Discount Provided by Amazon」という名前の新しい割引プログラムが米国でスタートした
  • マーケットプレイスで商品を販売する販売事業者の商品価格を引き下げて販売し、その差額はアマゾンが負担する
  • マーケットプレイスで扱う全アイテムではない。アマゾンのフルフィルメントサービスを利用して販売している商品には適用されている

ある商品をアマゾンでは100ドル、自社サイトでは105ドルで販売するとしましょう。もしアマゾンが販売価格を75ドルに下げたら、私が設定した価格よりも低く販売されるため、商品価値が下がってしまいます。定価で売り上げた収益を受け取れるかどうかなどは関係ありません。アマゾンは購入者にその商品にはもはや100ドルの価値がなくなったというイメージを植え付けてしまうのです。

これはかなり恐ろしいですよね。差額はAmazonが負担するとはいえ、商品の価値自体が下がってしまい、その価格でしか売れなくなる。つまりAmazonが価格の決定権を持ってしまうということですから。米国で始まったこととはいえ、日本で展開される可能性もありますので、米国で出店者がどのように対応しているかを気にしておきましょう。

不便なところには商売のネタが転がっています

【返品】オンデマンド返品代行サービス!消費・返品大国でも市場として成立するのか? | 激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ
http://blog.livedoor.jp/usretail/archives/52042389.html

まとめると、

  • 「リターンランナー」はオンデマンド返品代行サービス
  • 返品する品を持ってお店に行き、長い行列に並び、返品を行ってくれる。手数料は9.99ドル
  • オンラインストアへの返品代行も行っている

リターンランナーは、ダウンロードした専用アプリで返品する人と返品代行する人(ランナーと呼ぶ)をマッチさせる仕組みだ。返品する人は事前にアプリ経由でレシートを画像で送り、時間を決め(週7日の午前8時~午後6時)ランナーにピックアップしてもらう。

日本では呼べば宅配業者が来てくれますし、「返品送料無料」などのサービスもありますから、「リターンランナー」のようなサービスが導入される可能性は低そうですが、これをヒントに返品用の宅配ボックスが駅に置かれたら? そして、それをAmazonがやってきたら? と考えるとちょっと怖いです。

これを読まずにSEOを語ることなかれ!

検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイドを大幅に改訂しました | Google ウェブマスター向け公式ブログ
https://webmaster-ja.googleblog.com/2017/12/a-revamped-seo-starter-guide.html

検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド | Search Console ヘルプ
https://support.google.com/webmasters/answer/7451184?hl=ja

まとめると、

  • 「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」は、コンテンツを所有するか管理していて、Google検索を通じて収益化や宣伝を行いたい人が対象
  • Googleでサイトが自動的に掲載順位1位になるための秘訣を紹介するわけではない
  • 検索エンジン最適化は、検索エンジンがコンテンツを理解して提示するのを助けるためのもの

検索エンジン最適化(SEO)は、ウェブサイトの各部分に小さな変更を加える作業が多くなります。個々に見ると、これらの変更は段階的な改良のように思えますが、複数の最適化手法を併用することで、サイトのユーザー エクスペリエンスやオーガニック検索結果でのパフォーマンスに著しい影響を与える可能性があります。

かなりのボリュームがありますが、とても丁寧に書かれていますので必読といって良いでしょう。すぐには分からないことも多いですし、できることも少ないかもしれません。できることからやってみて、上手くいかなければまた読んで……と繰り返していきましょう。

EC全般

「CASH」対「メルカリNOW」 即時買取アプリ競争勃発 | 日経トレンディネット
http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/pickup/15/1003590/120701482/?rt=nocnt

“即時買取”サービス「メルカリNOW」開始1週間の数値を公開 | 株式会社メルカリ
https://about.mercari.com/press/news/article/20171208_now_1week/

12月5日に紹介した即時買取の続報です。ユーザーが多くなると買取金額も増えて……と事業者側にはきつい仕組みなので、どこまで続くかも気になります。

人手不足に切り札?宅配ロボットが「ゆうパック」配達―郵便局など実験 | インターネットコム
https://internetcom.jp/203896/carriro-delivery

人や車の少ない地方であれば上手くいきそうな気が。ロボットごと盗まれる可能性は考慮しているんでしょうか?

ヤフー 「ECを国内1位にする」、2020年代初頭までに、グループ全体で拡大へ | 通販新聞
https://www.tsuhanshimbun.com/archive/2017/12/ec-38.html

「全部ひっくるめて収益が成り立っていればよいはず。単体で赤字黒字と論ずるのは意味がない」。こう考えるとやれることがぐんと広がりますね。

スマートフォンでの決済に関する調査
https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1683.html

一度使ってしまうと便利でしかないのですが、そこまでのハードルが高いようですね。

「架空請求相次ぐ 被害にあわないために」(くらし☆解説) | NHK
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/286097.html

詐欺メールに書かれているURL、メールアドレス、電話番号を検索して事前にチェックを。

読者が選ぶ2017年10大ニュース 「宅配値上げ」が1位 | 通販新聞
https://www.tsuhanshimbun.com/archive/2017/12/post-3053.html

今年は何といってもこれでしたね。そして、来年も配送には悩まされそうです。

今週の名言

追いかけられる背中があるというのは安心感が違います。

駆け出しフリーランスWebデザイナーが持っててよかったスキル・勉強しておくべきだったこと | あさぎデザイン
https://asagi-design.com/blog/introduction/freelance2017.html

他社の事例や最適化の手法は背中を追いかけるためのものであって、真似すれば効果が出るというものではありません。背中を見ながら自分のものにしていきましょう。

筆者出版情報

「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める小さい会社のウェブマーケティング必勝法

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森野誠之 著
翔泳社 刊
発売日 2021年10月15日
価格 2,200円+税

この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!

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