三陽商会が雑貨ECのMONOCOと資本業務提携した理由
三陽商会は11月15日、EC事業などを手掛けるMONOCOと資本業務提携を締結すると発表した。MONOCOが持つノウハウを生かし、EC事業の売上拡大や、商品開発の強化などに取り組む。
第三者割当増資によりMONOCOの発行済み株式の16%を取得。取締役1人を派遣する。
MONOCOはEC事業やブランディング・PR事業、セールスプロモーション企画事業、ブランド企画販売事業などを手がけている。
ECサイトの取扱商品はインテリアや生活家電、アパレル、寝具、雑貨、伝統工芸品など幅広い。商品の特徴や使い方などを、写真と文章で記事形式で紹介。商品選定の基準について「MONOCOでは、バイヤーが実際に3週間以上使い、本当に満足した商品だけを取り扱っています」とECサイトで案内している。
資本業務提携による4つの相乗効果
三陽商会はMONOCOとの資本業務提携による相乗効果として、次の4点を上げている。
① 三陽ブランド/商材のMONOCOでの展開
- 三陽商会の展開ブランド・商品をピックアップし、価値訴求型コンテンツとしMONOCOでの展開を通して、新たな顧客層の開拓を図る
② コンテンツ作成ノウハウの共有
- MONOCOの保有する価値コンテンツ作成・発信のノウハウを三陽のモールビジネス(BUYER'S COLLECTION)に導入
③ 三陽商会店舗への送客スキームの構築
- MONOCO展開ブランド・商品をリアル店舗で展開。EC上で興味・関心を持ったユーザーを店頭に送客し、リアル店舗での購入につなげる
④ オリジナル共同商品の開発
- MONOCOのユーザーインサイト・情報発信力と当社のモノづくりをかけ合わせた商品開発を実施
- 予約販売(クラウドファンディング型)を活用し、在庫・値引きリスクの最小化を図る
中期計画でEC事業強化の方針
三陽商会は中期計画でEC事業の拡大を掲げた。EC売上高を2016年の42億円から、2019年に80億円に拡大する計画。EC専用商材の仕入れ枠の拡充や公式オンラインショップ「SANYO iStore」の機能拡充などに取り組む方針を示している。
2018年9月には、「SANYO iStore」で生活雑貨の取り扱いを開始。「SANYO iStore」の中に、仕入れ商品を販売する「BUYER'S COLLECTION(バイヤーズコレクション)」を開設した。三陽商会のバイヤーが品質やデザイン性にこだわって商品を選定しているという。
2017年12月期のEC売上高は前期比20%増の50億円。自社ECが37億円、外部のECモールが13億円だった。