[2018年]中国・米国向け越境EC市場は2兆3583億円&世界のEC市場まとめ
経済産業省が5月16日に発表した電子商取引に関する市場調査によると、2018年の中国・米国向け越境EC市場は前年比17.3%増の2兆3583億円だった(推計値)。
内訳は米国向け越境ECが同15.6%増となる8238億円、中国向けが同18.2%増の1兆5345億円。
消費国としての米国の越境BtoC-EC(日本・中国からの購入)の総市場規模は1兆3921億円。このうち、日本経由の市場規模は8238億円、中国経由の市場規模は5683億円。
消費国としての中国の越境BtoC-EC(日本・米国からの購入)の総市場規模3兆2623億円で、日本の越境EC市場規模の11倍強。このうち、日本経由の市場規模は1兆5345億円、米国経由の市場規模は1兆7278億円だった。
各国間の越境EC市場規模の推計結果は、次に示す図表の通り。
越境ECのポテンシャル
2018年の日本、米国、中国間における越境EC市場規模をベースに、2022年までの推移を想定した越境EC市場規模のポテンシャルを推計している。
ポテンシャル算出の論拠は、2018年の越境EC市場推計と同様に2018年の市場規模に各種調査機関、文献および越境ECを行っているEC事業者のヒアリングを行って得た市場成長率を乗じて算出している。
越境ECの取引額は、法規制や為替の変動に大きく影響を受けるため、あくまでも参考数値として活用を勧めている。なお、多くの国内EC事業者から「2020年開催の東京オリンピックによりインバウンドも増え、2020年度以降、日本企業の越境ECの売上高も大きくなると期待している」との声が聞かれたが、不確定要素のため、推計ではその分の期待的観測分を加味していない。
世界のEC市場規模は313兆円、越境EC市場は2017年で5300億米ドル
世界のEC市場規模は313兆円、このうち、アジア太平洋地域は190兆円で61%を占めている。中国がEC市場に占める割合は52%となっており、18%を占める米国の3倍近い数値となっている。
世界の小売市場に占めるEC市場規模は約12%だった。
世界の越境EC市場は2017年で5300億米ドルと推計されており、今後も20%超のペースで拡大を続け、2020年には9940億米ドルに達すると見込まれている。
地域別では、アジア太平洋地域が2180億米ドルで、世界全体に占める割合は41%。2020年には4760億米ドルと2倍以上の規模に成長し、世界全体に占める割合は48%にまで高まると推計している。