EC売上100億円めざすライフコーポレーションのネットスーパー事業の戦略とは
ライフコーポレーションは自社やAmazonで展開しているEC事業の強化を進めている。
新型コロナウイルス感染症拡大により消費者の意識と社会が変化。その対応策の一環として、需要が高まるネットスーパーで構成するEC事業を強化し、消費者ニーズに対応する。
2020年2月期に30億円だったEC売上高を、2021年2月期には前期比66.7%増の50億円まで引き上げる。2022年2月期は100億円まで拡大する計画だ。
その一環して10月21日、「Amazon.co.jp」上にライフのストアをオープン。配送対象エリアの「Prime Now(プライムナウ)」会員は、これまでの「Prime Now」専用アプリに加え、「Amazon.co.jp」のWebサイトやAmazonショッピングアプリを使用して、商品を注文できるようになる。
ライフコーポレーションは2019年に「Prime Now」へ出店し、都内7区でネットスーパー事業を開始。ライフで取り扱っている生鮮食品や惣菜を注文から最短2時間で届けるサービスを対象エリアの「Amazonプライム」会員提供し、配送エリアを順次拡大している。
顧客から注文を受けた後、ライフ店内の専門スタッフが品質を厳しくチェックしながら商品を選択。Amazonの配送ネットワークを使って商品を届ける。配送時間は当日または翌日の12:00~22:00で、2時間単位の配達が定可能だ。
配送エリアは東京23区と4市(狛江市、調布市、三鷹市、武蔵野市)、大阪府大阪市16区(阿倍野区、生野区、北区、城東区、住吉区、大正区、中央区、鶴見区、天王寺区、浪速区、西区、西成区、東住吉区、東成区、福島区、港区)。
ライフの「ライフネットスーパー」は店舗から商品を出荷する店舗型ネットスーパー事業で、56店舗でサービス展開中(2020年9月末時点)。2020年3-8月期のEC売上高は前年同期比40%超増で推移しており、単月での黒字化を達成した。下期は既存店のキャパシティ拡大と10店舗の新規開設を計画している。
ネットスーパーに関する動向まとめ
ネットスーパーに関しては、セブン&アイ・ホールディングスが先行。2020年2月期におけるEC売上高は、セブン-イレブンの商品をネット経由で注文できる「セブンミール」が前期比16.8%減の232億9700万円、イトーヨーカドーの「ネットスーパー」が同6.9%減の397億3200万円。
ネットスーパー事業は「倉庫型」と言われるビジネスモデルもあり、ネットスーパー専用倉庫から商品を発送する形態。「倉庫型」は初期投資の負担が大きい先行投資型で、住友商事の子会社が運営するネットスーパー事業「サミットネット―パー」が2014年、サービス開始約5年でネットスーパー事業から撤退した。
直近ではイオンが8月、次世代ネットスーパーの運営を予定する子会社のイオンネクストを通じて、千葉市緑区誉田町に顧客フィルメントセンターの建設予定用地の取得に関する予約契約をエム・ケーと締結したと発表。倉庫型でネットスーパーを本格稼働する方針を示している。