花屋から断食道場へ。酵素ドリンクで消費者と社員の幸せを追求するエリカ健康道場
売れるネット広告社の代表取締役社長CEOの加藤公一レオがEC業界で活躍する女性にフォーカスし、ネット通販(EC)に携わる経営者や担当者とさまざまなテーマについて対談する企画。13回目は、「楽天市場」のショップ・オブ・ザ・イヤーの「定期購入・頒布会賞」を受賞したこともある酵素ドリンク「優光泉」の通販を手がけるエリカ健康道場の森永 伶さんの登場です。
今回の“e-女”
酵素の力に注目し、花屋から断食道場へ
加藤公一レオ(以下 加藤):まずは自己紹介をお願いします。
森永 伶:(以下 森永)佐賀出身で、大学では心理カウンセリングを学んでいました。新卒でエリカ健康道場に入社して4年目になります。入社後1年ほどはカスタマーサービスを担当していました。現在はPR部署の一員として、モールの立ち上げや管理、商品の開発や広告運用など、販促関連の業務に携わっています。
加藤:心理カウンセリングが通販事業で役立った場面はありますか?
森永:電話やイベントなどでお客さまとお話しするときに、お客さまに寄り添うことによって、相談や悩みを話しやすい空気を作ることができたのではないかと思っています。
加藤:エリカ健康道場の企業理念を教えてください。
森永:企業理念は、「honesty・healthy・happy ~幸せの創造~」です。「誠実で謙虚に感謝の心を忘れずに、関わるお客さま、関連企業、自社の真の豊かさを追求する」という意味で、「弊社の商品やサービスに出会って下さった、お客さまや関係者全ての人が幸せに」という想いが込められています。
加藤:すばらしい理念ですね。
森永:創業の経緯もユニークなんです。当社の歴史は、現在の代表である北島の父が「エリカ園芸」という花屋を経営していたところから始まります。「もっと花にも環境にも優しい肥料がほしい」と考え、肥料についての研究を始めたところ、「発酵の力」に出会い、魅了されたそうです。さらに研究を続けるなかで、北島の父は人にとっての「酵素」や「断食」の重要性に気づき、昭和63年に断食道場の営業と「優光泉」の販売を開始しました。
加藤:花屋から断食道場とは、すごい業態転換ですね。しかも、昭和63年に断食道場を始めたというのは先見の明ですね。
森永:はい。現在当社の代表を務める北島は二代目で、曇った表情で実家の断食道場にやってきたお客さまが「ありがとう」と笑顔で帰って行かれるのを見て、「自分も人を笑顔にする仕事がしたい!」と跡を継ぐことを決意したそうです。
加藤:素敵なエピソードですね。最近はとにかく「D2Cをやろう! 何か商品を作ろう!」と商売ありきで事業を始める会社が多いですが、御社は商品にストーリーがありますよね。そのストーリーはランディングページやホームページ、インタビューなどでどんどん伝えていくべきだと思います。
断食道場でも使用中の原液100%酵素ドリンク
加藤:御社の主力商品について教えてください。
森永:「優光泉」という酵素ドリンクです。60種類の野菜、果物、穀物、海藻類などが原料で、保存料や着色料、香料を一切使用していない身体に優しい商品です。100%国産原料で、うち90%は地元九州産の材料を使っています。
また、当社は約30年以上前から実店舗の断食道場を運営しておりますので、通販も含めると10万人を超える方々にファスティングに取り組んでいただき、断食の指導もさせていただきました。現在も優光泉を使ったファスティングプランをご提供している断食道場を運営しています。
加藤:実は私も大量に購入していて、おかげさまで年明けから5kg痩せました(笑)。自然の甘みってすごいですよね。
森永:いつもご愛飲いただきありがとうございます! 人工甘味料やハチミツを使わずに作っているのが自慢です!
加藤:改めて、世のなかにはいろいろな酵素ドリンクがありますが、「優光泉」ならではの売りや魅力はありますか?
森永:やはり、実際の断食道場で約30年間使われている商品という安心感と実績ですかね。それが商品開発に生かされていますし、コールセンターやメールでの情報提供を通して、お客さまの断食のサポートもできると自負しています。
優光泉史上最強の新商品「優光泉濃縮和漢発酵ペースト」
森永:また、9月1日より「優光泉濃縮和漢発酵ペースト」という新商品を発売いたしました。創業以来約30年間、累計150万本を超える優光泉をお届けしてきましたが、「ビンは重たいので扱いにくい」という声や「もっと手軽に持ち運びたい」というお声を数多くいただいておりましたので、お客さまのニーズにお応えするべく研究開発を重ねた結果完成したのが「優光泉濃縮和漢発酵ペースト」です。
もちろん、ただ単に手軽なだけではなく中身も「さらに良いものを」というこだわりで開発したので、時間はかかりましたがバージョンアップしたより良いものが完成しました。おかげさまで販売開始から約1週間で目標の10倍となる約1000個を売り上げることができました。
18種類の和漢と108種類の野菜・果物、ハトムギ・発芽玄米をそれぞれ別に発酵させ、最後にその3つを混合・安定化発酵するという新たな製法で作り上げています。そのすべての工程には、8年3か月もの発酵期間がかかっているんです!
ちなみに原材料は、すべて佐賀県産です。当社のスタッフに実家で和漢を栽培している者がいるので、女性に優しい18種類もの佐賀県産和漢を原材料として使用することができました。普段の生活にプラスしてお飲みいただくこともおすすめですし、16時間断食のサポートとしてもお使いいただけます。
社員が健康でないとお客さまに健康を提供することはできない
加藤:御社ならではの面白い取り組みや画期的な制度はありますか?
森永:コロナ前はリアルイベントを積極的に開催していて、期間限定での百貨店への出店や、ヨガの愛好家が集まるイベントへの出展など行ってきました。そのような場で「優光泉を飲んでいます」「おかげで健康的な毎日が送れています」といったお声をいただくと、「この仕事をやっていてよかった!」と思いますね。
社内での取り組みとしては、朝礼の後に皆でラジオ体操をやっています。健康促進の一環ですが、コミュニケーションも生まれますし、朝から体を動かすことで仕事へのモチベーションも上がります。
加藤:高度成長期の日本企業は、大企業も含めて朝ラジオ体操をやっていたらしいですね。
森永:朝からラジオ体操をすると、「頑張ろう!」という気持ちになりますね。初心を思い出しますし、団結力も生まれます。
加藤:御社は社内に「優光泉」のカフェもありますよね。
森永:はい。弊社は「健康オフィス」を意識してつくっていて、気分転換用の足つぼコーナーやぶら下がり棒がありますし、バランスボールに乗って仕事をしている社員もいます。社員が健康でないと、お客さまに健康を提供することはできないと思っています。
本質的な理論に基づいた商品はロングセラーになる
加藤:森永さんが感じる、この仕事の面白さと難しさはどんなところにありますか?
森永:ECでは姿の見えないお客さまに対して商品を販売するので、それが面白いところであり、難しいところだなと感じます。お客さまがどんな気持ちで商品を買いに来るのかを想像してページを作らないと、潜在的に優光泉を必要としているお客さまに商品を届けすることができないですし、売れない商品になってしまいます。
なので、買い物にいったときは、売れている商品のキャッチコピーを意識して見てみたり、自身がネットショッピングを利用する際は「どういうページだったら自分が欲しくなるか?」と考えたりして、日々研究しています。
加藤:どんなページだったらその商品を欲しくなりますか?
森永:やはり、共感ができる部分が多かったり、その商品を使っているお客さまの声がたくさん載っていたりすると安心できるので、「買う」という行動につながると思います。
加藤:特に御社の商品は、ある意味効果が数値化できますからね。
森永:薬機法の関係で広告には掲載できませんが、お客さまの口コミで「〇kg痩せた」というコメントを見ると、私たち売り手としては嬉しいですね。
加藤:私は、「優光泉」は本質的な商品だと思っています。長年この業界にいますが、世のなかには「飲むだけで痩せる」などとうたっている怪しい健康食品がたくさんありますよね。でも、御社は「消費カロリーが摂取カロリーを上回れば痩せる」というダイエットのシンプルな理論に基づいて、食事を「優光泉」に置き換えることを提案しています。置き換えダイエットをちゃんとやれば結果が出るのは当たり前で、その点で「優光泉」は本質的です。一次的なブームに乗ったものではなく、本質的な理論に基づいた商品はロングセラーになりますよね。
当社は福岡が本社ですが、御社は佐賀で、どちらも地方が拠点です。地方にいながらにして、北海道から沖縄まで、日本全国のお客さまとつながれるというのも、ECの面白さですよね。
森永:佐賀にいながら、いろんな都道府県のお客さまが当社の商品を購入してくださっていると考えると、楽しいですし面白いです。佐賀にいてもネットがあれば、本当に欲しいと思ってくださっている北海道のお客さまにもお届けできるって素敵ですよね。
加藤:たとえばレストランなどは商圏が限られますが、ECは日本全国、ひいては世界各国、にまで商圏を広げていけるのが醍醐味ですね。
森永:そうですね。当社のメイン商品「優光泉」はビンなので、重たいビンをお客さまが店舗から家まで持って帰るという負担も解消できていると思っています。
コロナ禍で健康意識の高まりが顕著に
加藤:御社はECビジネスを始めて2年ほどになりますが、この2年間で感じている業界の変化などはありますか?
森永:「健康」を意識しているお客さまがすごく増えていると感じています。特にコロナ禍での外出自粛やリモートワークの普及もあって、運動不足を感じている方が増えているので、「健康を意識しないと」「自分は食べすぎかもしれない」と考えるようになった方が多いように思います。
加藤:本当にその通りで、最近、当社のクライアントのなかでも好調なのが置き換えダイエットです。特にここ1年伸びていますね。コロナ禍の影響はありましたか?
森永:健康やダイエットへの意識が高まっているので、新たに当社の商品を購入してくださるお客さまも多いです。ただ、リアルイベントができなくなり、お客さまと直接お話できる機会や対面で当社の商品を紹介する機会が少なくなってしまいました。
加藤:Zoomでイベントをやったらどうですか? 当社のクライアントでも、頻繁にZoomセミナーやイベントを開いている会社もありますよ。
森永:Zoomなどを使えばそれこそ、佐賀にいながら全国の方とお話ができるようになるので、当社でも検討したいです。
加藤:単品通販・D2Cというのは、商品を提供することだけが仕事ではないと思っています。商品だけでなく、同梱ツールやメール、LINE、Zoomイベントなどさまざまな手段やツールを通して、情報価値を提供することが重要なんです。
御社の場合、「本当の健康って何だろう?」「何が正しい減量なんだろう?」といったことがお客さまにとって価値ある情報になります。ドラッグストアで買える商品と違って、単品通販・D2Cは、初回申し込みをきっかけに、半永久的にお客さまとコミュニケーションを取っていけることが強みであり価値であると思っています。
森永:当社はそのあたりをもっと強化していく必要があると感じます。
加藤:商品自体が素晴らしいですし、長年健康道場をやってきているので、御社なら本質的な価値のある情報が提供できると思いますよ。
ツーステップマーケティングは「気づき」を与えられる
加藤:ツーステップマーケティングをやってみてどうでしたか?
森永:過去にツーステップマーケティングをやったこともやるすべもなかったので、ランディングページ特化型のクラウドサービス「売れるネット広告つくーる」で実際に行ってみて、「このやり方っていいんだな」と実感しました。
加藤:D2C業界ではワンステップマーケティングが主流ですが、ワンステップの場合はニーズが顕在化していて、自ら「ファスティングしたい」と情報収集をしている人しか買わない可能性が高いです。
一方、ツーステップはお客さまに「気づき」を与えられるところに特徴があって、「ファスティングなんて聞いたことがない」という人にも「1度試してみようかな」と思わせることができるマーケティング手法です。潜在層のニーズを強引に顕在化することができますし、ワンステップに比べ圧倒的に多くの見込客が集まります。
新商品は広告よりもまずはPR
加藤:何か課題に感じていることはありますか?
森永:「優光泉濃縮和漢発酵ペースト」の発売に伴い、いままでの優光泉とは形も原材料も違う商品をどのようにお客さまにアプローチしていくかが課題だと感じています。
加藤:商品にもよりますが、新商品はメディアが取り上げてくれる可能性があります。広告と違ってメディアが自主的に取り上げてくれるPRは無料なので、まずは広告ではなくPRに力を入れるといいです。「食の大切さ」「世の中の間違ったダイエット」といったストーリー性を付加する必要はありますが、全国のテレビ局や雑誌社に、お手紙や商品サンプルとともにプレスリリースを送るんです。ダメもとで送ってみたら、どこかのテレビや雑誌が取り上げてくれるかもしれません。
世のなかの通販会社はそのあたりが意外と下手です。メディアが無料で紹介してくれるかもしれないのに、いきなりお金をかけて広告を打つのではもったいないです。新商品の発売時は特に広報をうまく使うのが大事です。
森永:これまで、テレビや雑誌でのPRという発想があまりなかったです。お金をかけない広告ってとっても素敵な響きですね!上手に活用してたくさんのお客さまへお届けできるように頑張ります。
対談を終えて
社名にとてもインパクトのある「エリカ健康道場」さま。酵素の力に着目し、花屋から断食道場に転向したというエピソードはとても興味深いものでした。
あらゆる会社があらゆる商品をネットで販売している昨今、商品自体の価値や魅力はもちろんのこと、お客さまの共感を得る「ストーリー」がますます重要になっています。
とても印象的なストーリーを持っている同社は、共感を得るストーリーの発信を強化していくことで、さらに多くのファンを獲得できるだろうと確信しました。
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