加藤 公一 レオ 2018/2/21 7:00

こんにちは、売れるネット広告社の代表取締役社長 加藤公一レオです。この連載ではeコマース業界で活躍する女性にフォーカスし、ネット通販(EC)に携わる経営者や担当者とさまざまなテーマについて対談していきます。

2回目となる今回は、情報・バラエティ番組「ヒルナンデス!」で紹介された「メタボメ茶」など、お客さまの健康とキレイのためにこだわり抜いた商品を販売するティーライフ株式会社で、顧客開拓課の課長を務める鳥居麻理さんと対談します。

加藤公一レオ(以下加藤):本日はお越しいただきありがとうございます。よろしくお願いします!

鳥居麻理(以下鳥居):こちらこそ、ありがとうございます。よろしくお願いします!

今回の“e-女”

ティーライフ株式会社 鳥居麻理さん
1987年、静岡県生まれ。静岡文化芸術大学文化政策学部卒業後、ティーライフ株式会社に入社。入社以来Web漬けでリスティング、アフィリエイト、純広告などで新規顧客開拓を行い、初回注文から1年を通したCRMを担当。「1人でも多くの方に商品を愛用していただきたい!」という思いで、ティーライフとまだご縁をいただいていない方にどうしたら知ってもらえるか、好きになってもらえるかをひたすら考えている。2016年ダイエットアドバイザーの資格取得。2017年8月に顧客開拓部顧客開拓課課長に就任。

いかにお客様との関係性を築くかがネット通販の担当者としての腕の見せどころ

加藤:ネットショップ業界に入ったきっかけを教えてください。

鳥居:最初はネットショップ業界へ就職するとは思っていませんでした。私が働く上で重要だと感じていることは“誰と働くか”という点でした。就職活動中にティーライフの会社見学に行き「なんて温かい会社なんだ」と感銘を受け入社を決めました。ネットショップでお客さまとの接点を増やしていく社員のみなさんと一緒に働きたいと思ったんです。入社時は総務希望だったのですが、配属先は顧客開拓部門でとても驚きました(笑)。

顧客開拓部は希望部署ではなかったので不安でしたが、「通信販売の会社に入ったからには新規開拓が会社のエンジンだ!」という社長の言葉に感化され、今ではお客さまとティーライフの出会いを演出できる仕事にやりがいを感じています。

加藤:通販会社は、新規開拓をする部署が最も人気な部署なんですよね。そこに抜擢された鳥居さんは素晴らしいと思いますよ。入社して8年間、ずっと同じ部署なんですか?

鳥居:入社してから8年間、ずっとネット通販の新規開拓を担当しています。あとは、CRMも担当しているので、新規のお客さまを1年間サポートしています。メンバーは総勢7人です。少数精鋭でバリバリやった方がうまく連携も取れますし、チームワークがとても良いと感じています。

加藤: ネット通販部門に関しては、私の経験則上、少数精鋭の方が圧倒的に成績が良い傾向にあります。人数が増えすぎたチームはうまく機能しないと思っています。なぜかというと、広告・マーケティングの運用は1人か2人の責任者が、「すべての責任を取る」という自覚を持ってすべてを把握していないと難しいからです。

人が増えれば増えるほど連携は取りづらくなりますし、間違いなく効率が落ちます。1人ひとりがクライアントの目標を「自分事」として執着し、責任者として自覚を持って行動し続けるようにした方が、良い成果を導くことができます

鳥居:確かにそうですね。お互いに「あの人がやってくれるだろう」と頼りがちになってしまいますし、重要な判断も複数人いると意見がまとまらないケースが発生してしまいます。そうなるとどうしても動きは鈍くなるので、機会損失やトラブルが生じてしまうと思います。

ティーライフ株式会社 鳥居麻理さん

加藤:鳥居さんが新規開拓に携わってきた中で感じる仕事の面白さ、難しさは何ですか?

鳥居:面白いのはお客さまの年齢、性別、嗜好を分析して企画を考えられることです。さらにお客さまの声を参考に試行錯誤を繰り返す一連の流れが面白いです。

加藤:仮説を立てて施策を打って、多くのお客さまが喜んでいただける答えを導き出せたときはとても嬉しいですよね。ただ、そこで重要なのはそこで満足せずに絶えずPDCR(Plan Do Check Replan)を回し続けて最適化を図り続けることだと思います。

鳥居:レオさんのおっしゃる通り、この業界にいれば常に突き当たる壁だと思いますが、答えはないんですよね。成果が芳しくない時はこれで合っているのだろうかと不安になりますし。常にお客さまが満足いただけるように工夫し続けることが大切だと感じています。この仕事の難しさは、答えがないということです。また、お客さまを取り巻く環境が変化すれば求められことも変わっていくので、それを常にキャッチアップしていかないと取り残されてしまいます

時には、お客さまに当社を知っていただき、関係性構築の時間を長くいただけないこともあり、すぐに別の商品に目移りされてしまうことがあります。そんな中で。いかにお客さまとの関係性を築いていけるかが、ネット通販の担当者としての腕の見せどころだと思っています。

ティーライフ株式会社 鳥居麻理さん

「商品券セール」や「富士山頂からの暑中見舞い」で定期顧客の心をつかむ

加藤:ティーライフさんとは長いお付き合いになりますが、本当に愛社精神が強く社風もとても明るく前向きで、個人的に大好きな通販会社さんなんです。 御社の面白い取り組みや画期的な制度などあれば、教えてください。

鳥居:いくつかありますが、まず「商品券セール」という制度があります。これは、ご家庭で持て余している商品券や切手、未使用のハガキで当社商品を購入できる制度です。「お客さまが持っていて困っているものって何だろう?」ということを社内で考えたことがきっかけで始まりました。お客さまから使い道のない商品券や古い切手やハガキを送っていただいて、その分を商品購入額から割引できるようにしたんです。中には、段ボール1個分の年賀ハガキや大量の切手をいただくこともあります。

加藤:面白い! 確かに私の家にもタンスの肥やしになっている商品券がたくさんあります。私も商品券セール利用します! 他には何かありますか?

鳥居:優良顧客限定で「富士山頂からの暑中見舞い」をお送りしています。社長を含めた暑中見舞いメンバーで大量のお便りを持って富士山頂をめざします。富士山の頂上から送るお便りはとっても素敵なんです。お客さまからとても好評で、弊社の恒例行事になっています。私たちの会社は静岡県にあるので、そのアピールにもなっています。

富士山頂郵便局
富士宮口頂上にある富士山頂郵便局(開局するのは夏期のみ)。富士山と局舎をデザインしたオリジナルの消印が押される

鳥居:本当はすべてのお客さまにお送りしたいのですが、量が多くて富士山頂郵便局の方にご迷惑をかけてしまうので、いつもご利用いただいている優良顧客の方に限定してお送りしています。マーケティングという点では、お金も時間もかかる施策ですが、お客さまの喜びの声がとにかくすごいんです。

加藤:素晴らしいですね。今の日本のネット通販は、「また買ってくれる」と安易に考えているのか、定期顧客に引き上がったお客さまに対して何もしません。新規顧客の獲得にばかり気を取られ、定期顧客のフォローがおろそかになっているとLTV(顧客生涯価値)は上がりません。御社の取り組みは、定期顧客の心をつかむ最高のおもてなしだと思います。

主力は「ダイエットプーアール茶」と「メタボメ茶」。化粧品の新ブランドも展開

加藤:日本一のお茶どころと言えば静岡ですが、御社の商品について教えてください。

鳥居:当社の主力商品の中でも核となるのは「ダイエットプーアール茶」と「メタボメ茶」です。ダイエット茶として有名なプーアール茶を特別な蒸気殺菌技術によって美味しく飲みやすくしました。香ばしい黒豆をはじめ、プーアール茶やウーロン茶、杜仲茶(トチュウ)をブレンドした健康茶として人気です。健康とキレイを意識していただくために、飲みやすく続けやすいお茶をめざしています。

加藤:社内でもとても好評でみんな飲んでいますよ! 私も愛飲しています。みるみるとすっきり健康的な体になっていった社員もいましたね。美味しいお茶がダイエット効果もあるなんて本当にいい商品だと思います。 最近は、新しい商品を発売されたというニュースも聞きました。

鳥居:化粧品を出すことになりました。「teatea」という商品です。お客さまの声から開発したスキンケア商品で、お茶エキスを豊富に含んでいます。お茶から生まれたスキンケア商品なので、毎日飲むお茶のように自然と生活の一部に溶け込む化粧品をめざした新ブランドです。

加藤:そうなんですね。化粧品は中小企業にとってものすごく可能性がある世界だと思っています。なぜかというと、健康食品は効果が表れるまで時間がかかって即効性がないですよね。なので、面白く話題性のある商品を開発したところで、大手から類似商品を販売されてしまえば、たちまち市場を奪われてしまいます。

対して化粧品は効果が分かりやすいですし、お茶の名産・静岡県にある御社のように、強みを生かして差別化することができますし、健康のためのお茶、キレイになるためのお茶としてのブランドイメージがすでにあれば、他の化粧品メーカーさんは太刀打ちできないでしょう。

売れるネット広告社の代表取締役社長 加藤公一レオ氏

ユーザー環境が変化する中、お客さまに寄り添った親身なサービスをどう提供するかが課題

加藤:ここ数年だけでもEC市場、消費者は大きく変化したと思います。実際にネット通販の担当者として感じた変化について教えてください。 

鳥居:私が入社した8年前は、今とは違い広告へのネガイメージが少なかったので、「こうすれば買っていただけるだろう」という仮説が上手くはまっていました。しかし今は「広告は嫌い」「見たくない」「スキップする」という状況に変化しています。なのでお客様にとって、いかに有益な情報や商品をお届けできるかというところを意識しています

また、ここ数年のスマートフォンの普及により、顧客年齢層が高いティーライフでもスマートフォンの利用端末比率がPCを上回り、より見やすく、簡単に買い物ができるサイトが求められています

ティーライフはお客さまに寄り添った親身なサービスを売りにしている会社なので、AI(人工知能)などが日々進化している中、ティーライフらしい対面販売型の通信販売をどのように提供していけるか模索しています。

加藤:今のネットショップ業界について、どのように感じていますか?

鳥居:業界の動向の変容がすごく激しいと感じています。Googleのアルゴリズム変動もしかり、モバイルファーストインデックスなど、とにかく動きが早いですね。ただ、ユーザーを操作しているという気持ちではなく、何よりもお客さまの声を第一に考え、人間臭いところをもっと重要視していかないといけないと感じています。

加藤:確かに私もそう思います。世の中、デジタルだからこそアナログにすべきだと思っています。だから、意外と手書きのお手紙が効果的なんですよね。伝えたい思いをアナログに伝えていく。富士山から暑中見舞いをお送りするということもそうですが、伝えたい思いをどうやって伝えるかということはとても重要ですね。

鳥居:実はお客さまから手書きのお手紙をいただくことが多く、本当にありがたく思っています。そういった思いは必ず1人ひとりに思いを込めて対応しています。「お客さまのためになりたい」という思いを精一杯伝えています。

加藤:素晴らしい。最後にズバリ、今後チャレンジしたいことを教えてください。

鳥居:新規開拓をずっとやってきたからこそのお客さま目線を大切にして、商品開発に携わりたいです。お客さまの声をダイレクトに反映させて市場とギャップのない商品作りがしたいです。

加藤:お客さまの声を商品に反映させるということは新規開拓をしていた鳥居さんだからこそできることですし、通販会社に勤める醍醐味でもありますよね! 本日は鳥居さんらしいお客様を思いやる回答をいただけてとても素敵な対談になりました。ありがとうございました!

売れるネット広告社の代表取締役社長 加藤公一レオ氏、ティーライフ株式会社 鳥居麻理さん

対談を終えて

本日は、“e-女”鳥居さんと対談しました。彼女が新卒入社から8年間、ネット通販一筋で追求してきた「お客さまのためになりたい」という思いは、ネット通販担当者の鏡だと思います。なぜなら、ネット通販は、お客さまに合った商品を提供し常に思いやる相思相愛の関係性を築く必要があるからです。今後も鳥居さんに目が離せません。


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