宮本和弥[執筆] 8/7 9:00

楽天グループが開いた「Rakuten Optimism 2025」の1日目(7月30日)に実施された「楽天市場 戦略共有会」。楽天グループは、「楽天市場」の2025年下半期の成長戦略で、「マーケティング改革」「売り場改革」「物流改革」「店舗コミュニケーションの強化」の4つの柱を掲げ、新たなサービスの展開や機能実装を進める方針を明らかにした。

楽天経済圏との連携強化

これまで楽天カード中心だった共同マーケティングを楽天モバイルにも拡大。たとえば、楽天モバイル契約者に対しては「楽天スーパーSALE」への24時間先行アクセスを提供するなど、グループ間のクロスプロモーションをさらに強化する。

買い物体験のAI化

ユーザーの趣味嗜好に応じた商品を提示する「パーソナライズドフィード」を10月に導入予定。9月にはチャット形式で商品を提案する「Rakuten AI」も実装する。

贈り先の年代やカテゴリを入力するだけで商品候補を提示するギフト提案AIも実装し、検索を介さずに商品を購入するUI(ユーザーインターフェース)への移行を進める。

定期購入機能の拡充

3月に大幅リニューアルされた定期購入機能は流通額が1.5倍、新規申込数が5.2倍と成長。今後はSPU以外のポイントキャンペーン対象化(7月)、初回配送の短縮(9月)、カゴ機能の追加(2026年下期)などを通じて、使いやすい仕組みを整備していく。

AIによる店舗運営支援の強化

RMS内で稼働する「AIアシスタント」が7月にβ版から正式版へ移行する。レビュー返信文を自動生成する新機能も実装し、出店者の負担軽減をめざすとしている。

また、サポートチャットもAIチャットに統合、操作性と応答精度を向上させる。アクセス解析および売上分析ツール「R‑Karte」のAI解説も、要望の多かった「商品軸」のデータを追加、深掘り分析ができるようになる。

「ターゲティングディスプレイ広告」のクリエイティブレギュレーションに準拠した広告バナーのAI自動生成について機能拡充も予定している。

物流改革の加速

2025年12月には「置き配」が全店舗で利用できるようになる。2026年上期には、夜間注文でも翌日配送できる体制の構築を予定。利便性の高い配送サービスが整う見込み。

ギフト機能の進化

2026年上期には、相手の住所を知らなくてもギフトを贈れる「ソーシャルギフト」機能を開始予定。既存のギフト機能については、検索性の向上や出店者側のオペレーション軽減を目的とした改善を下期に予定している。

経営支援の取り組みも開始

事業承継を支援する新プログラム「事業承継アシスト」を提供するほか、店舗向けにブランド設計や品質向上に関する学習講座も9月から開講する予定。

「楽天市場」の2025年下半期の取り組みについて、EC店舗の支援を手がけるあるコンサルタントは次のようにコメントしている。

◇◇◇

「楽天市場」は、AI・物流・モバイル連携を通じて「使いやすさ」と「売りやすさ」の両立を図りながら、出店者とユーザー双方にとって利便性の高いECプラットフォームの構築を進めている。2025年下期から2026年にかけて、より高度化されたサービス展開が期待される。

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