加藤 公一 レオ 2018/1/15 8:00

こんにちは、売れるネット広告社の代表取締役社長 加藤公一レオです。本企画では“eコマース業界で活躍する女性”にフォーカスし、ネット通販(EC)に携わる経営者や担当者とさまざまなテーマについて対談していきます。女性ならではの「視点」「マーケティング」「働き方」などを引き出し、ネット通販に携わる経営者や担当者に“気付き”を提供していきたいと思います。

1回目は、大ヒット商品「めっちゃぜいたくフルーツ青汁」など体に良い成分にこだわり抜いた商品を販売するpacrel の代表取締役社長 塩澤美和さんと対談。塩澤さんは、売れるネット広告社が提供している、通販のネット広告の費用対効果を最大化するASPサービス「売れるネット広告つくーる」のクライアントでもあります。私が塩澤さんを選んだ理由は、女性企業家として、起業してから今までの成長ドラマ、日頃抱えている課題、今後のネット通販の未来について語り合いたいと思ったからです。

ダイレクトマーケ業界に向いているのは「細かい作業をきっちりできる人」「堅実に物事を進めていける人」

加藤公一レオ(以下加藤):栄えある第1回は、ぜひ塩澤さんにお願いしたくお誘いしました。

塩澤美和(以下塩澤):こちらこそ、ありがとうございます。光栄です!

第1回の“e-女”プロフィール

塩澤美和氏
塩澤美和さん
株式会社pacrel 代表取締役社長
山梨県南アルプス市生まれ。「中途半端ならやらない方がまし」という両親の教えから、何事ものめり込む性格に。学生時代はダンスに熱中し、数々の大会で賞を受賞。新卒で入社した会社では、新入社員研修中に数々のレコード記録を塗り替えた。料理教室や栄養学の講師、カラーセラピストとしての側面も。通販未経験にも関わらず通販会社を立ち上げ、大ヒット商品「めっちゃぜいたくフルーツ青汁」を生み出す。

加藤:「めっちゃぜいたくフルーツ青汁」はとても有名になりましたよね。

塩澤:まだまだです! もっと「めっちゃぜいたくフルーツ青汁」の認知を広めていきたいですね。起業して1年半が経ち、社員は20名になりました。今までは男性社員ばかりだったのですが、最近は女性社員も増えてきました。

加藤:起業1年半で20名ですか!? 私の場合、売れるネット広告社を起業して1年半頃はまだ4人くらいでしたよ。女性社員も増えてきたんですね。実は、九州のネット通販担当者って女性の方が多いんですよ。

塩澤:九州ですと、美容・健康食品を扱う企業さんが多いですよね。女性向けの商品が多いと、女性社員の存在は必要ということですか?

加藤:そうです。ダイレクトマーケティングの世界では、「細かい作業をきっちりできる人」「堅実に物事を進めていける人」が求められます。だから、女性社員の資質というのは非常に高く必要な存在だと言いえます。当社も今は、女性社員が大活躍しています。ところで、塩澤さんが起業したきっかけを教えていただけませんか?

塩澤:きっかけは、実は御社にあるんですよ! 新卒で入社した会社で出会った外部講師が、売れるネット広告社で勤務した経験がある方で……その方にダイレクトマーケティングの世界にチャレンジしてみないかとお誘いをいただいたんです。そこから私の起業ドラマが始まりました。誘っていただけた理由は、当時歴代1位の成績をあげていた私の仕事に対する姿勢を認めてくださったのだとか。

ネット通販の知識はゼロの状態から、立ち上げ、商品開発、ランディングページの作成などに全力で取り組んできました。今までやってこれたのは、支えてくれた方々のおかげです。そして今は、起業のきっかけにもなった売れるネット広告社の「売れるネット広告つくーる」を導入して、売上拡大という目標に向かって精進しています。

会社が大きくなるにつれて感じた企業理念の重要性

売れるネット広告社 加藤公一レオ社長
加藤公一レオ社長

加藤:何もわからないところから、商品を開発、ネット通販の立ち上げを行い、今は青汁商材のトップを争う大成長を遂げるなんてとてもドラマチックですね。売れるネット広告社の企業理念は、「“最強の売れるノウハウ”を用いて関わるすべての企業を100%成功に導くことで世界中にたくさんのドラマを創る」。塩澤さんの成功ドラマに携われたような気がします。ところで、pacrelさんではどのような企業理念を掲げているのですか?

塩澤:実は最近作ったんです! 企業理念なんて最初は嫌で、朝礼で唱和をしている会社なんてかっこ悪いと思っていました。ですが、会社が大きくなるにつれて、社員全員が同じ方向を向いていくためには企業理念は必要だと痛感しました。pacrelの企業理念は「お客さまにとっての本物を追求した商品を作る。」。この業界に入るまで、食事の栄養指導の講師をやっていたんですけど、そこで得た経験をもとにつくった理念です。

栄養指導をしていた私の視点だと、世の中に出回っている商品は体に良い成分はそんなに入っていないと思うんです。そこで私は、自身の栄養指導の講師という知見を生かし、本物を追及した商品、いわゆる、体に良い成分をふんだんに用いた商品を提供したいと思ったんです。

加藤:とても重要なことですよね。イチからスタートして試行錯誤する中で「お客さまにとっての本物を追求した商品を作る。」という理念を掲げられたということですね。お客さまのことを考えて本物の商品を提供していくこと、これはネットショップの努めだと私は思います。ズバリ、pacrelさんの本物を追求した商品は何ですか!?

塩澤:「ぜいたくレッドスムージー」です。商品開発の観点で他社さんと一番違うのは、1包で1日分のビタミンが取れるということころですね。最近は野菜そのものの栄養が減り、1日分のビタミンをしっかり取れているという人が少ないという事実を知り、開発に取り組みました。ビタミンもただ取っているだけでは意味がないので、それを吸収するために腸を整える乳酸菌や食物繊維を配合しています。

「ぜいたくレッドスムージー」
「ぜいたくレッドスムージー」のランディングページ

加藤:サイトを拝見しました。とてもいいランディングページですよね! 見せ方のポイントとして、統一感があり、とても見やすいです。「A/Bテスト」はどれくらいの頻度で実施しますか?

塩澤:2週間に1度です。主にボタンやファーストビューにフォーカスして「A/Bテスト」を実施しています。過去に実施した大改修で、自分たちは絶対に負けると思っていたクリエイティブの方が効果は高かったことがありました。「A/Bテスト」ははっきりと結果が出るので、クリエイティブでは固定概念を持ってはいけないと痛感しました。

売れるネット広告社 加藤社長と、pacrel塩澤美和社長
対談の様子

加藤:起業から1年半、EC業界にどのような変化や思いを感じてきましたか?

塩澤:とても商品が増えましたよね。広告もたくさん増え、最近は規制も強化され始めています。こうしたこともあり、商品や広告が増えたことによって、お客さまは迷うことが多くなっていると感じているんです。このままだと多くの商品が淘汰されていくのではないでしょうか

加藤:確かに増えましたね。塩澤さんのおっしゃる通り。だからこそ、本物の商品を追求している塩澤さんが掲げる企業理念は時代などにマッチしていますよね。多くの商品が溢れているEC業界で生き残っていくのは、本物を追及した商品のはずです。

塩澤:企業理念を掲げる時からの思いなのですが、私は「商品よりも“感動”を届けたい」と考えています。お客さまは購入した商品を使用することで「自らを変えたい」と思っているはずなんです。だからこそ、私はその思いを実現する“感動”を届けたいです。変わっていく理想像を描きながら、商品を楽しんでいただきたいんです。もちろん、理想像に近づくためには、継続的に正しい知識を提供していく必要があると思っています。

加藤お客さまに買ってよかったと思わせることがネット通販の使命ですよね。みんながハッピーになってくれるような商品・サービスを提供し続けなくてはいけません。

ECの役割は、お客さまに正しい知識を提供する“教育業”

売れるネット広告社 加藤社長と、pacrel塩澤美和社長

加藤:ネット通販の面白さ、難しさを感じるところは?

塩澤:ネット通販の面白さは、やることが無限にあることですね。前職は営業だったのですが、やることは限られていました。一方、ネット通販を始めてからというもの、パッケージや同梱物の変更、「A/Bテスト」の実施、広告配信など、売上を伸ばそうと思ったらこなすべきタスクはいくらでもあります。それも、それらのアクションの効果測定を行い改善していく――このプロセスがとても面白かったです。

何でもやれる面白さがあるからこそ、成果が上がらない時は難しさを感じます。何をどう工夫すれば良い結果を出すことができるのかと……。面白さの反面、難しさもあるという感じです。「売れるネット広告つくーる」の導入も成果を出すためでした。導入後、新規獲得は従前比で約10倍もアップ。売上も10倍増です。すごく成果が上がりました。思わず売上数値の桁を見直してしまいました(笑)。

売れるネット広告社 加藤社長

塩澤:ネット通販の取り組みを通じて、食事や美容の知識など生活に関わるすべての知識を提供する学びの場の提供も行いたいと思うようになったことも1つの学びでした。なぜかというと、お客さまに正しい知識を吸収してもらうこと、それを継続していただくことが大事だと思うんです。

加藤:正しいと思います。私はネット通販の大きな役割として、“教育業”があると思っています本当に伸びているネット通販はお客さまに正しい知識を提供し続けている、つまり“教育”を徹底しているんです。これは売り切り型の店頭販売ではできないことです。ネット通販は同梱物やフォローメールを用いたコミュニケーションができるのが最大の強み。これをしっかりと生かしていかないといけません。

塩澤:確かに。当社では同梱物にはたくさんの情報を詰め込んでいます。「なぜ、ビタミンを摂取しなければならないのか?」「なぜフルーツ青汁なのか?」など、お客さまが納得して継続購入していただけるような情報提供を心がけています。こうすることで、お客さま自身がどのように変わっていけるのかということを意識させることができます。

加藤:極論、お客さまと直接お会いして情報を伝えることが重要です。そういう点では、学びの場の提供は塩澤さんにとってぴったりですよね。美容に関することも伝えていきたいとおっしゃっていましたが、今後は化粧品業界の進出も考えられたりしていますか?

塩澤:そうです! 現在、化粧品を開発中です。企業理念にも掲げている通り、お客さまにとっての本物を追求した商品を届けようと研究・開発を重ねているので、時間がかかっています……。

加藤:商品にかける思いはとても素晴らしいですよね。ただ1点、アドバイスさせてもらうと、美人社長である塩澤さんが前に出て宣伝してください! そうすれば売れると思います! 私が約束しますし、保証します!

塩澤:あ、ありがとうございます。検討します……(笑)

いずれ来る淘汰の時代、だからこそ価値の提供を

加藤:ズバリ、化粧品への進出はオススメします。中小企業にとって化粧品は健康食品より一般的に有利と言われています。健康食品は効果が表れるまで時間がかかり、即効性がないですよね。なので、お客さまの心理としては、信用とブランドの力がある大手ネット通販から購入した方が安心だと感じてしまいます。

対して化粧品は即効性がありますし、お客さまと化粧品の相性によって選ばれます。大手優位になることなく、商品力で選んでもらえる可能性が高いんです。後はマーケティングの仕組み上、定期誘導やクロスセルを積極的に実施できるので、ゲリラ戦略や商品力、マーケティング力で勝負できるところもメリットですよね。商品の力で道を切り開いていける化粧品をオススメします。

塩澤:確かに、化粧品は相性が大切ですよね。なので、ツーステップマーケティングが効果的だと考えています。肌に合うかどうかわからない化粧品はいきなり購入してもらうより、まずはモニター商品をお試ししてアップセルして訴求した方が良いですよね。

加藤:そうです、その通り。それを理解した上で、ビジネスモデルを構築していけば、売れる本物の化粧品をお客さまに提供できます。ランディングページでは、「確認画面でアップセル」(効率よく「アップセル/クロスセル」を行う売れるネット広告社が特許を出願中)の施策を実施したり、7日間のモニター体験からキャンセルがなければ定期コースを開始する仮予約施策をやってみるのもいいですね。

売れるネット広告社 加藤社長と、pacrel塩澤美和社長

塩澤:ただ、多くの商品に埋もれて、淘汰されていく時代はいずれ来ると思っています。新規獲得だけに目を向けるのではなく、LTV(ライフタイムバリュー)に着目する動きも求められると実感しています。

お客さまに正しい知識を提供すること。お客さまの目標を達成させるために自分たちの意思を持った商品を提供すること。そうすることで、自社のネット通販の価値を提供していきたいと考えています。

加藤:塩澤さんが語ってくださった理念や思いを伝えていくということは重要なことです。最後に、これからのEC業界で勝ち抜くために、どのような理想像を描いているのか教えてください。

塩澤:まずは、企業理念である「お客さまにとっての本物を追求した商品を作る。」ということを広めていき、意思のある会社にしていきたいですね。なので、EC業界にこだわろうとは思っていませんお客さまが求めることは、なんでも挑戦したいですね。また、自社だけにこだわらずいろんな企業を巻き込んで、助け合いながら業界全体を盛り上げていきたいです。

加藤:本日はありがとうございました!

●●加藤公一レオの一言●●

塩澤さんが打ち立てた「お客さまにとっての本物を追求した商品を作る。」という企業理念は、EC業界の核心を突くものだと思います。なぜなら、ネット通販は本物を追求した商品を届け、継続的に正しい情報を提供することで、今まで健康に対する意識が低かったり、間違った認識をしていたお客さまの生活を改善させる力があるからです。今後も大成長していくに違いありません。今後の動向に注目しましょう。我こそは! と思う“e-女”も募集しています。

売れるネット広告社 加藤社長と、pacrel塩澤美和社長

※1月15日14時45分に本文とタイトルの一部を修正しました。


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