不動産事業から化粧品事業へ。チャレンジを続けるクレソワン化粧品
売れるネット広告社の代表取締役社長CEOの加藤公一レオがEC業界で活躍する女性にフォーカスし、ネット通販(EC)に携わる経営者や担当者とさまざまなテーマについて対談する企画。12回目はクレ・コーポレーション クレソワン化粧品の大石南美(おおいし みなみ)さんの登場です。
今回の“e-女”
不動産事業から化粧品事業へのチャレンジ
加藤公一レオ(以下 加藤):まずは自己紹介をお願いします。
大石南美(以下 大石):もともとはエステサロンで働いていました。クレソワン化粧品は不動産事業が母体で、当初は不動産事業を営むクレ・コーポレーションに受付事務として入社しました。その後、クレソワン化粧品に移って6年半ほどになります。
加藤:不動産から化粧品というのは、転職に近いくらいの変化ですよね。どのようなきっかけで、不動産会社が化粧品事業を始められたんですか?
大石:クレ・コーポレーション代表の榑林は、不動産事業の傍らで行える事業をいろいろと模索していたようです。そのなかで化粧品事業に可能性を見出しました。「肌により良い化粧品を自分たちで作ろう」と考え、現クレソワン化粧品マネージャーの髙橋とクレソワン化粧品事業を2011年に立ち上げたんです。プロジェクト立ち上げから「もっと良い商品を、もっと多くの女性にお届けしたい」という気持ちで、8年の歳月をかけて酵素洗顔の「スノーパウダーウォッシュ」の販売をスタートしました。
加藤:ネット通販はどのような形で始められたんですか?
大石:最初は「楽天市場」への出店です。ネット広告は出さずに販売。今はモールへの出店は行っていません。
加藤:モール出店よりも、自社ドメインでランディングページを制作して売っていく方が良いです。モールは競合が多く、常に比較検討されるので値下げ競争になってしまいます。大変なわりに利益はあまり上がりません。
一方、自社ランディングページの場合、お客さまがそのランディングページを見ている瞬間は同じ画面で他社商品と比較検討されることはないので、独占の世界。だから、自社ランディングページの場合は、情報価値によってモールよりも高い値段で売ることができるんです。
徳原智美(以下 徳原):私たちも今後が楽しみです。
全国の農家を訪ね歩いて出会った希少原料を使用
加藤:御社の理念やビジョンについて教えてください。
大石:化粧品事業は、「エコを意識した環境に優しい商品作り」をモットーに、他には真似できないオンリーワンの商品作りをめざしています。「クレソワン」とは、フランス語で「お手入れの鍵」という意味で、“素肌力を引き出すこと”を大切にしています。「ベーシックなお手入れをシンプルに続けることで、キレイな肌を目指したい」という女性に向けて、“肌実感”にこだわった化粧品をお届けすることが私たちの役割だと考えています。
加藤:商品開発において、クレソワン化粧品ならではのこだわりや特徴はありますか?
大石:天然由来の成分や無添加にこだわった、肌と環境に優しい化粧品作りにこだわっています。たとえば、クレンジングジェルには「バラの女王」と呼ばれるダマスクローズの花油を配合。荒れやすい、ニキビができやすい、アトピーがあるなど、肌が弱い人にも使っていただける肌にやさしいクレンジングです。
加藤:クレンジングは単品通販の商材としては良いですよね。売れるネット広告社のクライアントの中で一番売れている商品はクレンジング。美容液は女性の3分の1しか使っていませんが、クレンジングは大人の女性はほとんど使っているので、市場が大きいです。
大石:ほかの商品も、植物成分はできる限りオーガニック原料を使用し、美容液やクリームにはオーガニックレインボーキウイから抽出した果実水とエキスを使っています。開発者が全国の農家を訪ね歩き、日本で1農家しか栽培していない希少なオーガニックレインボーキウイに出会えました。オーガニックレインボーキウイにはビタミンCやビタミンE、カロテノイドなど、美容成分がたっぷり含まれているんです。
加藤:「レインボーキウイ」なんて初めて聞きました。一番売れているのは何の商品ですか?
大石:一番売れているのは酵素洗顔の「スノーパウダーウォッシュ」です。クレンジングを使うのはほとんどが女性ですが、酵素洗顔は男女関係なく使っていただけます。インフォマーシャルも配信していて、反響は大きいです。インフォマーシャル経由のお客さまは年配の方が多いですね。
加藤:年配のお客さまの良さは、一度使うと長く使ってくれる方が多いことです。若い人はさまざまな情報に触れるので浮気します(笑)。年配でオフラインのお客さまはCPOは高めですが、LTVが高いのが特徴です。
コールセンターのトークをランディングページにも反映
加藤:通販の仕事をやってみてどう感じていますか。面白さや難しさなど。
大石:インフォマーシャルを放映しているので、まだまだ電話受注が多いです。顔が見えないので、お客さまの声色から「怒ってらっしゃるのかな?」「何を考えてらっしゃるんだろう?」と感じることも多く、お客さまの考えを察知するのが難しいと感じています。
反対に、お客さまもこちらの声色でいろいろと判断するので、声のトーンや話し方にすごく気を遣っています。ネット注文ですとお客さまもコールスタッフも気を張らずに受注できるので良いなと感じています。
加藤:受注の電話は社内で受けているんですか?
大石:はい。一時期、外注していたこともありましたが、自社の方が引上率が高かったので、今はすべて社内で受電しています。
加藤:引上率アップのコツはありますか?
大石:同席している徳原さんは、電話での引上率が90%です。
徳原:話し方がゆっくりしているので、年配のお客さまにも聞き取りやすいのではないかと思います。また、私自身が自社の商品を良いと思って薦めているので、お客さまも「定期にしてみようかな」と言っていただけます。
加藤:一度、徳原さんのトークを録音して、徳原さんがセールストークで使っている言葉をランディングページにも盛り込むと良いですよ。本来ランディングページというのは、コールセンターのスタッフがお客さまに話しているトークを反映させるべきなんです。
大石:引上率が高い人は何か違いがあるはずですよね。やってみます。
加藤:EC業界ならではの面白さはありますか?
大石:ネット業界が初めてなので、リアルタイムで反応があるのが面白いです。最近、クレンジングジェルの新しいランディングページで広告出稿しているのですが、すぐ注文があるととても嬉しくてやりがいがあります。「今日はどのくらい注文が入ったかな?」と毎日が楽しいです。
定期の解約理由トップは「余っている」
加藤:化粧品ECをやっていて、何か課題に感じていることはありますか?
大石:定期コースの継続回数が3回ほどで伸び悩んでいることです。一度解約しても、「いろいろ使ってみたけど、やっぱりこれが良かった」と戻ってきてくださるお客さまも多いのですが、もっとLTVを上げていきたいです。
加藤:化粧品の場合、5回〜6回程度は継続が見込めるので3回は少ないです。アップセル率は下がってしまいますが、定期縛りを付けることを検討しても良いかもしれません。3回縛りにすれば5回は回転します。
それ以外にもLTVを上げる方法はたくさんあります。まず、定期コースの解約は電話オンリーにしたほうが良いです。ネットユーザーは電話が嫌いなので、心理的に解約しにくくなりますし、コールセンタースタッフが解約を阻止できる場合もあります。
また、一番解約が多いタイミングの一歩手前でサプライズプレゼントを贈るというのも効果的です。恋愛と同じです。倦怠期のカップルがいたとして、男性が女性に花束を贈ったら、2、3か月は別れを引き延ばせるじゃないですか(笑)
徳原:わかりやすいですね!
加藤:申込確認画面や申込完了画面、サンクスメールなどあらゆるところで「6か月は続けてください」と伝えるのも効果的です。同梱物でも「6か月継続」を徹底的に伝えてください。
結局、定期の解約理由は「商品が余っている」が一番多いです。お客さまが解約を申し出てきてもすぐに解約を受けずに余っている個数を聞き、余っている期間分だけ休止し、使い終わるタイミングで再開のお約束を取り付けると良いです。御社も利用している売れるネット広告社の「売れるネット広告つくーる」はLTVアップフォローメールも設定できるので、活用してください。
大石:なるほど。LTVアップのために当社でもできることがいろいろあるとわかりました。実践します。
ECビジネスから感じる“流れ”の変化
加藤:化粧品事業に携わって6年ほどとのことですが、その間に感じた変化はありますか?
大石:当社の場合、インフォマーシャルからの電話注文が多かったのですが、最近どんどんネットに移行しています。InstagramなどのSNS活用にも力を入れようとしていて、流れが変わってきているのを肌で感じます。新しいフィールドで結果を出したいですね。
加藤:EC業界について、どのように感じていますか?
大石:「競合がものすごく多い」というのが一番の実感です。その中で差別化を図り、どうやって自社商品をアピールしていけば良いのか、常に思案しています。
当社の「スノーパウダーウォッシュ」は、1回分ずつ個包装になっていること、オーガニックシアバターを使用しているところに特徴があります。酵素は湿気に弱く、水分に触れると働きが弱くなってしまうので、個包装にして酵素の働きを最大限生かせるようにしているところが「スノーパウダーウォッシュ」の強みです。
ですが、酵素洗顔自体は他社からもたくさん出ていて、手頃な価格の商品も多いため、お客さまに違いを理解してもらうのは簡単ではないと感じています。
加藤:今後チャレンジしたいことはありますか?
大石:個人的にはInstagramの活用に力を入れていきたいと考えています。若い世代の方にも当社の商品を知ってもらうきっかけにしたいです。
加藤:SNSは一度成功すれば爆発力がありますからね。
大石:コロナ禍もあって、外出しなくても買い物ができるというのがネットの強みだと思うので、新しい成功事例を作りたいです。
加藤:ECビジネスは今の時代すごく良いと思います。定期コースが主体の単品通販はストックビジネスなので、コロナショックのような状況下でもいきなり売り上げがなくなることはありません。当社のクライアントも8割はコロナ禍の影響を受けておらず、1割はむしろ広告出稿がしやすくなり、売り上げがアップしているそうです。
大石:私もコロナ禍で改めて通販の強さを感じています。まだまだこれからのビジネスなので、今後が楽しみです。
対談を終えて
不動産会社から生まれた化粧品会社という、ユニークな成り立ちをもつクレソワン化粧品様。「どんな商品を出されているのだろう?」と興味がありました。原材料探しからこだわって開発されているという商品は、お客さまから「違いを実感した」との声がたくさん寄せられる実力派。今後、ECのノウハウを積み上げていくことで、さらなる飛躍が待っていることでしょう。
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