クックパッドが独自流通ルート構築で廃棄予定の果物を低価格で販売、食品ロスの削減にもつなげる取り組みとは
クックパッドは、生鮮食品EC「クックパッドマート」で独自の新たな流通網を構築し、一般に流通していない果物の販売を始めた。
販売するのは山梨県産の桃で、出荷基準に満たず産地で廃棄されている規格外の桃、人手不足で収穫されないまま熟してしまった未収穫の桃が対象。クックパッドは生産者や市場の仲卸、加工事業者との連携を実現、生活者に低価格で旬の桃を届けることを可能にした。
生産者や仲卸、加工事業者をつなげる今回の仕組みは、クックパッドマートでは初の取り組み。商品名は「訳あり桃 2個」で、参考価格は183円(税込198円)。発売期間は2022年7月1日から在庫上限に達し次第販売を終了する予定。
扱うのは「やまなし内藤農園」の桃。従来の出荷基準に満たない規格外製品は仲卸が集荷し、クックパッドマートが生産者・仲卸と設けた新たな選果基準に基づいて、出荷可否を判断する。出荷可能な桃は「クックパッドマート」で販売し、出荷不可の桃は加工用として「クックパッドマート」に出店している加工事業者に供給する。
山梨県では、桃の収穫量が全国の32%を占め、2021年度は3万4600トンを収穫。ただ、出荷基準に満たないために廃棄されている規格外の桃、人手不足が要因で未収穫のまま熟してしまい活用されていない桃が大量に存在していることが課題になっていた。
クックパッドマートはこれまで、「産直アウトレット」などで、一般販売されない「訳あり」食材を取り扱ってきた。食品ロス削減意識の高まり、低価格で食材が手に入れられること、商品の背景にあるストーリーなどが多くのユーザーに支持されているという。
今回、クックパッドマート独自の流通網を活用することで食べられるはずの桃の廃棄を減らし、低価格で「クックパッドマート」ユーザーに桃を届ける施策の実施に至った。