Amazonは米国で、商品・サービスを購入した後の「ポストパーチェス」(購入後体験)を改善する取り組みを進めている。その1つとして、箱・テープ・ラベル不要の無料返品サービスの拡充があげられる。
「ポストパーチェス(Post-Purchase)」とは、ECサイトなどで商品を購入した後の「顧客体験(購入後体験)」のこと。注文完了メールや配送追跡、到着、返品・交換対応といった体験を向上させることで、顧客満足度を高め、ファン化や再購入(LTV向上)を促進するマーケティング手法として注目されている。
箱・テープ・ラベル不要、QRコードだけで返品完了
Amazonは、オンライン購入後の「返品体験」をできるだけストレスなくすることを目的に、米国で複数の無料返品オプションを提供る。米国の顧客の約5人に4人は、自宅から半径5マイル(約8km)以内に返品用ドロップオフポイント(持ち込み場所)があるという。
対象商品には商品ページ上で「FREE Returns(無料返品)」バッジが表示され、米国内に配送する多くの商品が無料返品の対象になる。注文した商品が期待と違った場合や不要になった場合でも、簡単に返品できる環境を整えることで、オンライン購入の心理的ハードルを下げる狙いがある。
Amazonは、迅速で無料の配送に加え、「簡単で手間のかからない返品」をPrime特典の重要な要素と位置付けている。返品方法は複数用意されており、少なくとも1つ(多くの場合は複数)の無料オプションを提示。顧客は箱やラベルを用意する必要がなく、Amazon側や提携店舗側が梱包・ラベル貼付・発送までを担う。
無料・梱包不要の返品オプションを複数展開
Amazonの購入品やギフトを返品する際、顧客はアカウントの「返品センター(Returns Center)」で提示されるオプションから希望の持ち込み場所を選択する。場所・出品者・商品・返品理由などによって選べるオプションは変わるが、基本的な流れは共通だ。
- 返品方法を選択
- 発行された返品用QRコードを取得
- 商品とQRコードを選択した店舗に持ち込む
店舗側のスタッフがその場で梱包・ラベル貼付・発送まで対応するため、顧客は「商品を持って行き、QRコードを見せるだけ」で手続きが完了する。
無料・梱包不要(No-box)の返品が利用できる主な場所は次の通り。
Amazon実店舗とWhole Foods Market
「Amazon Fresh」「Amazon Go」を含む550以上の「Whole Foods Market」およびAmazon店舗で、対象商品の無料返品持ち込みが可能。対象店舗は順次拡大している。
「Whole Foods Market」の多くの店舗には専用の返品カウンターが設置されており、一部店舗にはAmazon返品キオスクも導入。キオスクでは、60秒以内で返品手続きを完了できるとしている。Amazon Fresh店舗で返品を行う場合、クーポンを受け取れるケースもある。
Kohl'sとStaplesの店舗
百貨店のKohl's、オフィス用品チェーンのStaplesとも提携し、Amazon商品の返品を受け付けている。対象店舗が近くにある顧客には、返品オプションの1つとして表示される。店舗によっては、返品手続きの際に店内で利用できるクーポンが提供される場合もあり、実店舗側にとっては来店誘致の施策としても機能している。
The UPS Store
The UPS Storeでも、Amazon商品の返品を受け付けている。配送先住所により近い別の無料オプションがない場合、このオプションは無料で利用できる。一部のケースでは、1ドルの手数料が表示されることもあるが、基本的には無料オプションとして提供されている。
自分で梱包して持ち込むオプションも選択可能
箱・ラベル不要のオプションに加え、「自分で梱包して持ち込む」従来型の返品方法も残されている。ラベル不要・箱不要のオプションが利用可能な場合、一部の「自分で梱包する」オプションには手数料が発生することがあるという。顧客がニーズに合った方法を選べるよう、各オプションの条件や料金は返品センター上で表示される。