クラシルが「レシチャレ」約14万人のデータを分析。物価高のなか「節約を止める」と「節約を強化する」が二極化傾向に

クラシルがレシート投稿による節約アプリ「レシチャレ」の14万3869人、約5100万枚超のレシートデータを分析。人によって異なる節約スタイルへと分かれる“節約の分極化”が進んでいることがわかった

藤田遥

9月2日 9:00

クラシルは、レシート投稿による節約アプリ「レシチャレ」の購買データを分析し、物価高が続くなかで生活者の節約行動がどのように変化したのかをまとめた「レシート購買データから読み解く節約行動レポート2026」を発表した。そのレポートによると、「節約を止めた」ユーザーと「節約を強化した」ユーザーの二極化が広がっているという。

「節約を休む」と「節約を強化する」の二極化が拡大

クラシルが運営するアプリ「レシチャレ」には、全国のユーザーからレシートが投稿されており、レシートデータは「いつ・どこで・何を買ったか」という購買行動が記録。POSデータ、アンケートでは把握しにくい生活者の買い物スタイル、行動変化を分析できるという。

クラシルは、2025年5~7月および2026年5~7月の両期間において「レシチャレ」にレシートを継続投稿した14万3869人、5100万枚超のレシートデータを分析。その結果、最も多かったのは「節約を止めたユーザー」(27.2%)である一方、「節約をさらに磨いたユーザー」(26.6%)もほぼ同数存在した。

出典:クラシル「物価高における生活者の節約行動分析」(n=142897、レシートデータ約5100万枚、分析期間2025年5~7月・2026年5~7月)
出典:クラシル「物価高における生活者の節約行動分析」(n=142897、レシートデータ約5100万枚、分析期間2025年5~7月・2026年5~7月)

同じ物価高でも異なる節約スタイルが明らかに

分析では、2025年5~7月と2026年5~7月の両期間にレシートを継続投稿した14万3869人のうち、購買行動を比較できる14万2897人を対象に、1人ひとりの買い方の変化を統計的手法(k-means法)で分析。その結果を元に、生活者の買い物スタイルを「節約を休みたい」「安く買う腕を磨き続けたい」「スーパーに一本化したい」「必要な分だけこまめに買いたい」「まとめ買いを増やしたい」の5つのタイプに分類した。

出典:クラシル「物価高における生活者の節約行動分析」(n=142897、レシートデータ約5100万枚、分析期間2025年5~7月・2026年5~7月)
出典:クラシル「物価高における生活者の節約行動分析」(n=142897、レシートデータ約5100万枚、分析期間2025年5~7月・2026年5~7月)

「節約を休んだユーザー」と「節約をさらに強化したユーザー」がそれぞれ全体の約3割を占める一方で、「スーパーへの一本化」「必要な分だけこまめに買う」「まとめ買いを増やす」といった異なる節約スタイルも確認された。

これまで「物価高だから節約する」という一様な行動が想定されがちだったが、実際には生活者それぞれが自分に合った節約スタイルを選択しており、節約行動そのものが多様化しているという。

全体で見ると、PB商品の購入、値引き商品の活用は増えていない

プライベートブランド(PB)商品の購入、値引き商品の活用は全体として増加トレンドになく、「何を買うか」を変える節約行動は広がっていなかった。このことから、生活者は商品の品質やグレードを下げるのではなく、「より価格効率の良い店舗を選ぶ」「買い物の動線を見直す」といった「こまめ節約」で、家計をコントロールしようとしているという。

出典:クラシル「物価高における生活者の節約行動分析」(n=143869、レシートデータ約5100万枚、分析期間2025年5~7月・2026年5~7月)
出典:クラシル「物価高における生活者の節約行動分析」(n=143869、レシートデータ約5100万枚、分析期間2025年5~7月・2026年5~7月)

「ルーティン化しやすい節約」行動が拡大

分析では、節約行動のなかでも「続く節約」と「続かない節約」の違いも見えた。「スーパーを利用する」「酒を控える」「外食を減らす」など、一度生活習慣として取り入れれば、その後は毎回判断することなく継続しやすい節約行動は全体として増加していた。

一方で、「PB商品へ切り替える」「値引き商品を探す」「複数店舗を回って買い物をする」といった「こまめ節約」は、その都度「どの商品を選ぶか」「どの店で買うか」を判断する必要があり、全体として広がっていなかったという。

今回のレシート分析から、生活者が節約そのものを止めたのではなく、「毎回考える節約」から一度決めれば続けられる「節約のルーティン化」がしやすい節約へとシフトしている姿が見られた。

出典:クラシル「物価高における生活者の節約行動分析」(n=143869、レシートデータ約5100万枚、分析期間2025年5~7月・2026年5~7月)
出典:クラシル「物価高における生活者の節約行動分析」(n=143869、レシートデータ約5100万枚、分析期間2025年5~7月・2026年5~7月)

物価高が長期化するなか、節約を続けられるかどうかを左右していたのは、節約への意欲や我慢ではなく、「判断する回数」をどれだけ減らせるかという点だったことが示唆された。

調査実施概要
  • 調査タイトル:「レシート購買データから読み解く節約行動レポート2026」
  • 調査主体:クラシル「レシチャレ」
  • 分析対象:2025年5~7月および2026年5~7月の両期間にレシートを30件以上投稿した一ユーザー14万3869人(調査に使用したレシートデータは、氏名・連絡先などの個人識別情報を除外した上で集計・分析した統計情報。個人情報保護法上の個人情報には該当せず、クラシルのプライバシーポリシーに定める利用目的の範囲内で適切に取り扱っている)
  • 分析データ約5100万枚のレシートデータ
  • 分析方法:次の図の通り
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