【楽天の2023年夏トレンド予測】「物価高対抗」「Return to Normal消費」などがキーワード
楽天グループは、「楽天市場」「楽天トラベル」「Rakuten Music」「楽天ブックス」「楽天モバイル」の購買データなどを分析し、生活用品、食品、衣料品、書籍、旅行などさまざまなジャンルから2023年夏のトレンドを予測した「楽天グループ 2023夏トレンド予測」を発表した。
「物販」「旅行・レジャー」「エンタメ」「モバイル」でトレンドを予測
楽天が運営するマイクロタスク型クラウドソーシングサービス「楽天超ミニバイト」が実施した「今年の夏の過ごし方」に関する調査結果によると、2023年夏の過ごし方は「国内旅行」(20.9%)が最も多く、約5人に1人が計画していることがわかった。一方、「動画配信サービスを観る」(7.8%)「読書」(6.7%)も上位にランクインした。
また、「今年の夏の予定に対する予算」を聞いたところ、約4人に1人が2022年と比べて「予算を増やす(増える)予定」と回答した。
こうした結果を受け、楽天は「“外向き”志向を取り戻していると同時に、自宅や室内での充実した時間を重視する“内向き”志向の両方の傾向がある」と分析した。
物販のキーワードは「Return to Normal 消費」「物価高対抗消費」
外出、夏イベントなど“外向き”需要が回復傾向に
「楽天市場」「楽天ブックス」を対象とした物販では、キーワードとして「Return to Normal 消費」をあげた。新型コロナの5類移行を受け、「楽天市場」では外出、旅行、イベント関連商品の需要が拡大している。
流通額は「折りたたみ傘」が約1.7倍、「スーツケース」が約2.2倍、「浴衣(大人・子供用)」が約1.8倍となっている(いずれも各キーワードを含む商品の2022年3~5月と2023年3~5月の流通額を比較)。
また、「推し活」関連商品も伸長。推しのキャラクターをアピールする「痛バッグ」が約6.7倍に推移した(「痛バッグ」を含む商品の2022年3~5月と2023年3~5月の流通額を比較)。「楽天ブックス」でも「推し活」関連書籍が約1.8倍に伸びた(「楽天ブックス」において「推し」をタイトルに含む書籍商品の2022年1月1日~5月31日と、2023年1月1日~5月31日の売り上げを比較)。
物価高を受けた“まとめ買い”、節約志向の高まりで“冷感”商品の需要拡大
「楽天市場」から「物価高対抗消費」というキーワードも選定した。物価高を受け、食品・日用品を中心にまとめ買いの需要が拡大。また、節電意識の高まりにより冷感関連商品の需要も伸びているという。
「楽天市場」では、キーワードに「まとめ買い」を含む商品の流通額が約1.5倍、「冷感」が約1.4倍に伸長した(各キーワードを含む商品の、2022年3~5月と2023年3~5月の流通額を比較)。
こうした状況を受け、楽天は、マスク着用ルール緩和後初めての夏に向け、外出時に快適かつより楽しく過ごせる商品の需要が大きく回復すると見込んでいる。
旅行・レジャーは「分散型旅行」「リトリート旅」
旅行・レジャー分野では、まず「分散型旅行」をキーワードとしてあげた。
「楽天トラベル」における、2023年7~8月の宿泊予約数は、2019年と比べて約1.3倍に伸長。2023年6月7日時点での7~8月の予約数をみると、7月の3連休と8月のお盆期間以外の予約数は2019年と比べて約1.3倍で、連休期間を上回る予約数になっているという。
また、全国を13エリアに分け、エリア毎の予約の伸長率をみると、2023年は2019年比で全体平均を上回るエリアが約7割となり、各エリアが均等に伸びている傾向が見られた。
こうした結果から、楽天は「2023年はより幅広いエリアで人出が増える」と予想。日程、行先が分散している背景には、混雑を避ける生活様式が続いたことによる旅行スタイルの多様化、ピークを避けることで比較的お得に旅行ができることなどがあると予測した。
2つ目のキーワードは、普段の生活と異なる環境でリラックスできる「リトリート旅」。石垣島など離島を含むエリアが2019年比で約1.6倍に伸長。また、高級宿の予約は2019年比で約1.6倍に伸びており、こうした傾向から「リトリート旅」に適した旅先、宿泊先が選ばれている。
エンタメでは「2023年注目アーティスト」を発表
エンタメ分野では、「Rakuten Music」における再生ユニークユーザー数など2023年上半期のデータ分析を基に、今夏さらに注目が高まると予測した4組のアーティストを選出。
選出したのは、3人組ロックバンド「10-FEET(テンフィート)」、韓国5人組グループ「NewJeans(ニュージーンズ)」、若手男性俳優・タレントで構成されたアーティスト集団「EBiDAN(エビダン)」、6人組男性グループ「LIL LEAGUE(リル リーグ)」。
モバイルは「携帯料金の低価格化」「ギガ節約疲れ」「賢い経済圏+ポイント活用」
光熱費、食料などの物価高が続くなか、モバイル業界では低価格プランの登場など、携帯料金は大きく低下している。一方で、定期的な携帯料金の見直しを実施していないユーザーも多く、家計の節約のために携帯料金の見直しをポイントとしてあげた。
また、在宅勤務が減り、通勤時間や外出先で動画を視聴する機会が増えたことで「通勤時間は、自宅のWi-Fi環境であらかじめダウンロードしたものしか見ない」「使わないアプリをこまめに落とすよう気を付ける」など、ギガ数が足りていないと感じているユーザーが多く、大容量プランの満足度が高い傾向にあるという。
携帯キャリアは通信サービスだけでなくクレジットカード、電子決済などさまざまなサービスを展開する傾向がある。スマートフォンを含め頻繁に利用するサービスを1つの経済圏に集約することで、お得にポイントを貯めることができる。また、貯まったポイントを携帯料金の支払いに充てるといった利用が可能だ。